ウォーキングから始まる健康づくり ~働く世代に必要な「こころ」と「からだ」の健康志向~

こんにちは。産業保健師の高橋です。今回のイベントレポートはウォーキングイベント参加者の生天目さんのご協力のもと、コントリのインタビュアーである高橋に密着していただきました。生天目さんとは産業保健師として開催した、「こころ」と「からだ」の健康を意識したウォーキングイベントでお話する中で、やりたいことや得意な事などのお話を伺い、今回の企画を実行することとなりました。手探りの中で始めた、ウォーキングイベントですが様々な形となってとても嬉しく感じています。普段のイベントレポートとは異なる視点で書かれているので、最後まで読んでもらえると飛んで喜びます!イベントの共同開催のお誘いなども大歓迎です!

 

 現在、働く人たちの中に「健康」に対する意識はどの程度あるだろうか。毎日の仕事に追われ、食事も手早く済ませ、睡眠時間を削っている人が多いように感じている。このままの生活を続けていて、これからの生活において心身ともに豊かに、充実した未来が見えるだろうか。それだけ自身の「健康」というものは、何よりも優先しなければならないものである。これからの生活を豊かなものにするためには、「まず健康で過ごしたい!」という思いを持つことが必要なのかもしれない。

 健康とは、「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない。」とWHOが定義している。健康を良好な状態にしよう、改善していこうと思ったときに、まず、「身体的」な健康を考えがちである。しかし、「精神的または社会的」にも良好な状態でなければ、本当の健康を得られたとは言えないのである。

 そこで、看護師・保健師である高橋万由子さんは、ウォーキングイベントを企画することで、参加者同士の交流を深め、美味しく、ヘルシーな料理をみんなで食べることで、「こころ」と「からだ」の健康を、より一層高めてもらいたいというメッセージを企画の中に盛り込んだ。

イベントの概要

2023年10月14日、東京都中央区にある築地川公園に10人の参加者が集合し、知り合いの輪を通じて初めて参加した人がほとんどだった。参加者は年代、職業なども幅広く、どんなイベントになるのかという期待、そして不安が混じった表情が見られた。このウォーキングイベントは、参加者が集合し、はじめに理学療法士の参加者によるウォーキング前のストレッチや正しい歩き方などのレクチャーを受け 全員で食事をするお店まで隅田川沿いを歩く。ただ、ひたすら歩く。5キロという道のりは普段のウォーキングでは、長く感じると思う。だが、参加者同士が話をしながら、楽しみながらウォーキングをするため、その道程はあっという間だ。お店につくと、ヘルシーでおいしい料理を楽しむことができる。料理を楽しみ、高橋さんの講義、そして、りえさんのグラフィックファシリテーションによる対話が始まる。 講義を受ける参加者の表情は、はじめより穏やかになっていたようだった。これが主催者の高橋さんが目指している「こころ」と「からだ」の健康につながるのかもしれない。

産業医保健師の役割について

産業保健師は、働く世代の健康管理と健康増進を目指し、予防医学的視点からのアプローチをおこなう。活動の中身として、メンタルヘルスのケア、健康の保持・増進を目的とした多岐にわたる活動が含まれている。特に中小企業においては、限られたリソースの中で効果的な健康管理が重要になってくる。

 高橋さんは産業保健師として、今回企画したウォーキングイベントでは特に3つの重要なポイントに注目している。また、このイベントを通じて、参加者自身が健康について考え、具体的な行動に移すきっかけを提供したいと考えている。今後は、産業保健師としての立場だけでなく、多様な専門家と協力し、それぞれの専門性を活かしたサポートを実現していきたい。

ウォーキングイベントで意識した3つのポイント

  • こころの健康

「働く世代のこころの健康」をテーマにしたこのイベントでは、対話を深めるためにグラフィックファシリテーションを採用している。目に見えないが非常に重要な「こころの健康」にフォーカスし、さまざまな職種や年代の参加者の交流を通じて、新しい視点や考え方を取り入れ、お互いが刺激し、さらなる「こころの健康」を高めあってほしい。また、仕事に関連するストレスのデータを用いることで、客観的な理解を促していくところまで考えている。

  • からだの健康

特に運動への参加ハードルを下げることに重点を置いている。

参加しやすさを重視し、疲れすぎずに達成感を感じられるような距離でウォーキングイベントを企画した。さらに、ウォーキング前に理学療法士の指導による正しいストレッチ法を実施し、より安全に楽しんでもらう準備もしている。ウォーキングのコース設計においては、単なる歩行を超えて変化と感動を味わってもらい、特に夕暮れから楽しめる美しい夜景を見られるよう工夫を凝らしている。食事面では、健康を意識した野菜中心の料理を提供するお店を選び、参加者に満足感のある食事を提供した。これらの要素が融合し、からだの健康に対する意識を高め、参加者にとって記憶に残るような体験となる可能性を高めていくことが可能となる。

  • コミュニケーションの活性化

このイベントでは、参加者間のコミュニケーションを活発にすることも大切にし、ウォーキングから食事、そして対話への進む流れを企画した。最初は初対面同士で緊張があるため、他己紹介からスタートし、そのあと自己紹介の流れで進むようにした。このような段階的なアプローチは、参加者に自然なコミュニケーションを取りやすい環境を提供し、互いに開放的な交流が生まれることに大きく寄与したと考えている。

参加者の皆さんの声

参加する前は多少、知らない人たちとのウォーキングに抵抗がありましたが、他己・自己紹介から始まり、ストレッチ、ウォーキングと同じ空間で共同作業したからなのか、目的地のお店に着く頃には、すっかり打ちとけることができたと思います。

その後の美味しい食事を共にしながら、仕事以外の家族の話で盛り上がり、万由子さんの想いを聞き、グラフィックファシリテーションもすごく一体感が生まれた気がしました。

りえさんのイラストも、みんなの気持ちをその場で形にしてくれただけではなく、もっと深掘りしたい時の質問力が素晴らしかったと思います。ファシリテーション能力高い!

何より、万由子さんがみんなを楽しませよう、リラックスさせようとする気持ちが、みんなに伝わっていたと思います!歩くルートや時間帯まで入念に準備し、夜景やスカイツリーが綺麗に見えるよう工夫をされていたと知った時に、そのおもてなしの心に感動しました!

最後の一本締めまで、とても楽しく、みなさんとも仲良くなれ大満足です!

予想以上のフランクなイベントで、かしこまらず素の自分で参加することができ、あっという間に時間が過ぎ楽しみました。

初対面の方と公園に集合するなんて、今どきのイベントにドキドキでしたが、主催の万由子さんか飾らない人柄を全面に出して進めてくださり、他己紹介や歩くペア等を事前に考えてくださっている様子に、イベントを良いものにする企画が練られており、とても好感が持てました。集合時間の遅さ等、なぜこの時間なのかな?と思いましたが、夕刻の少し暗い様子が、初対面の人と並んで話すのにとても効果的と思いながら、歩き進めることが出来ました。食事はめちゃめちゃ美味しかったです。散歩の後の、軽いアルコールと美味しい野菜料理は最高と知りました!

他己紹介からの自己紹介は、知らない者同士の共通媒体(本イベントでは主催者)がうまく機能するという点でよかったと思います。

それが起点となって、歩きながら話をするのが、まったく何も準備がないよりスムーズに打ち解けられた気がします(しかも隊列を組み、途中でメンバーチェンジまで仕組まれている)。

心の健康について、あまり考えたことはなかったけれど、絵を通じて、落ち込んでいるときのことを、複数の人と共有しながら客観的に思い起こすことは、自分の心のマネジメントをするにあたって大事なことなのだと気づかされました。

初対面の参加者に囲まれることで不安がありましたが、事前に他己紹介・自己紹介の時間もあり、ウォーキングしながら参加者の方々と楽しくお話できました。空気が温まっていたので、その後の食事会やセッションも盛り上がり、楽しい時間になりました。

ウォーキングも1人だときついと思いますが、夜景や参加者との会話を楽しみながら歩くことで、難なく歩き切れました。心身のパワーチャージができ、充実していたので、また参加させていただきたいです。

最近、夜歩くことを始めました。少しでも体力をつけたいと。そんな時のお誘いだったので、誰かと歩くのもいいかなぁと思い参加したのですが、とってもタイムリーでした。

初めての人、初めての場所など、結構苦手なのですが、歩きながらだと意外とスムーズに話せるんですね。新たな発見です。

歳を重ねていくと、とても面倒くさがりになり、すぐに諦めたり好奇心がなくなったりしがちになっていきます。からだの変化と気持ちの変化はほんとにつながっていますね。若い人の夢や願望を聞いて、とても刺激になりました。どんなに小さくてもいいから、私も目標をあげてみようと思う事が出来たので、参加して良かったと感じています。

運動と食事、自分の体を労りながら、健康講和を受けられるとても貴重な会だと思う。年齢、職業が違う方々とお話する機会も普段はあまりないので貴重な体験だった。同じ目的(ウォーキング、健康講和など)があり、また同じ活動を行うことで距離を縮めやすく、初代面でも楽しく参加することができた。

イベントの歴史と今回の成果

これまで、ウォーキングイベントは4回開催されている。やはりウォーキングと美味しい食事、そして高橋さん、専門家の先生の講義の組み合わせがあってこのイベントが成立していると言っても過言ではない。それぞれのテーマと高橋さんの「こころ」と「からだ」の健康を組み合わせることで、より一層の相乗効果が生まれている。今回のイベントでは、高橋さんとグラフィックファシリテーターのりえさんのグラフィックファシリテーションによる対話 があった。まず、高橋さんの講義では、「こころ」と「からだ」の健康をテーマに説明があり、普段私たちが送る生活でどれだけのストレスを受けているのか、そのストレスにより、どのような影響が身体に及ぼすのか説明があった。続いて、りえさんのグラフィックファシリテーションによる対話 では、イラストを用いて普段、私たちが感じているストレスや嬉しさはどのように存在しているか、イラストで視覚的に表現することで、自分の中にある感情を見ることができた。改めて、自分の中にある感情を視覚的にとらえることで、今後、自分がやるべきことが明確となり、各々が明日から取り組む目標を設定した。また、その目標をなぜ設定したか、言葉にすることでより一層取り組むための、モチベーションにつながったと感じている。明日の小さな一歩が、大きな自分をつくる。それぞれが明日から、目標に向かって取り組んでいくことを宣言し、今回のイベントは終了した。

今後の展望

普段から運動をする高橋さんだが、産業保健師として働く中で会社員の方が予想以上に運動をしていない事実があった。高橋さんはこのイベントを通して、企業で働く人々のこころの健康を整えるとともに、健康づくりの一環として、会社に取り入れてもらいたいという思いがある。 また、食生活にも気を配っていない方も見受けられる。こうした現状を変えていくことも目指していきたい。これからも高橋さんはウォーキングイベントを継続して開催していく。

 また、イベントで食事を提供いただいているB TO GOさん(現在は閉店)は、このイベントに関わっていただいた柴海農園さんのご縁でオーナーの由美さんをご紹介いただき、イベントで利用するようになった。オーナーの由美さんは薬剤師であり、薬局に来る人を減らすような健康な社会をつくりたいという想いがあって、イベントのコンセプトにも共感があった。高橋さん自身も「そのような食事に気を使っているご飯屋さんでイベントが出来たのがとても嬉しく感じている。」と語ってくれた。今後、高橋さんの企画に対して共感をする人が増えていき、より大きなイベントとなり、「健康」に対して、少しでも意識していく社会になることを期待したい。

さいごに

私もこのイベントに2回参加して、健康に対する認識について改めて考えることができた。初めて出会う方々と話しをしながら、ウォーキングをし、美味しい食事をいただく。今までにない楽しさ、人とのつながりを感じていた。高橋さんの想いを感じつつ、これからもこのイベントが継続し、新たな出会いと人とのつながりが生まれていくことを期待したい。健康ブームだけにとらわれない、新たなイベントがここにはある。

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