家事代行の新潮流:シニアの力で生活に豊かさを提供!サポーターが作り出す新しい価値 | 第二の実家合同会社
現在の日本においては、共働き世帯が約7割と言われています。その状況で子育てをされているママやパパには様々な苦労があります。そのような苦労を少しでも軽くしてあげたいという想いを持って事業を行なっている会社が東京にあります。それが第二の実家合同会社です。今回は同社の代表社員である吉村様にお話を伺いました。
とても熱い「想い」を持って始められた事業であり、我々もその考えに強く共感させていただきました。ぜひ、インタビュー記事をご覧いただければと思います。
第二の実家合同会社の事業について
まずは御社の事業について教えていただけますでしょうか?
シニアの力で子育て世代の活躍を応援する、今までにない家事代行サービスを都内を中心に提供しています。世の中にたくさんの家事代行サービスがある中で、弊社は子育て経験、人生経験が豊富なシニアの力を使って現役の子育て世代に「寄り添う」というコンセプトでサービスを提供しているところが特徴です。
実際にサービスを提供するスタッフを弊社では「サポーター」と呼んでおり、このサポーターの活躍が弊社のサービスの要になっています。
サービスを利用される方は、どのような頻度で利用されているのでしょうか?
定期利用プランとスポット利用プランをご用意していますが、圧倒的に定期でご利用いただいているお客様が多いです。弊社の場合は、1回3時間という枠を設けて、月に2回/4回/8回の月額料金を設定させていただいております。
週に一度でもママやパパがホッと安心できる時間を作れることで、生活にメリハリができ、心の余裕も生まれてきます。ママやパパの心に余裕がないと、それは子供達に伝わってしまいますからね。実際にお客様からは、「なくてはならない存在」というありがたいお言葉をよく頂戴します。
それは素晴らしいですね!御社のサービスを利用することで、そのような効果があるのですね。それは単なる家事代行とは一線を画すサービスです!
ちなみに、3時間の枠の使い方は決まっているのでしょうか?
3時間の枠の使い方は、お客様のご家庭の状況やご要望によって料理中心、掃除中心、また両者の混合の場合もあります。基本的なサービス内容は打合せで決めますが、ご家庭の状況に合わせて臨機応変にカスタマイズもさせていただいております。
その時の状況によってお願いしたいことは変わると思うので、臨機応変に対応いただけるのはありがたいですね!
お客様はどのようにして増えていっているのでしょうか?
ありがたい事に、現在はお客様からのご紹介がほとんどで広がっています。お客様のママ友や職場の仲間などをご紹介いただくケースが多いです。家事代行はお客様の家に入ってお仕事をさせていただくので、お知り合いの方からの紹介だと安心できますよね。
ご紹介で広がっているというのは、しっかりと価値あるサービスを提供されているという証拠ですね!
ご利用いただいたお客様は実際にどのような感想を持たれているのでしょうか?
弊社では、1年に一度お客様と弊社のサポーターを繋げるイベントを実施しています。そこで、生のお客様の声を聞くことができるのですが、ママだけではなく、パパからの喜びの声も多かったりします。今の時代は“育メン“も多いですからね(笑)
「家事代行をお願いしたことで、睡眠不足が解消して生活に余裕が生まれた」「家族に笑顔が増えた」「もっと早くに使えば良かった」
やむなくお引越しで、サービス終了する方からも「◯◯サポーターのいない生活は考えられない」など別れ難いお声を頂戴することもあります。
子育てというのは、本来はとても楽しいものだと思っています。ただ、余裕がないために子育てを楽しめていないケースは多いかと思います。弊社のサービスによってママやパパの心に余裕が生まれ、子育てをより楽しんでいただけたら嬉しいです。
生活に余裕を作り出すのは、子育て世代にはなかなか難しい感覚ですが、御社のサービスによってその「余裕」を作り出すことができたら本当に最高ですね!
事業を始めたきっかけについて
現在の事業を始められたきっかけについて教えていただけますでしょうか?
コロナウイルスが流行し始めた頃に、友人に頼まれてよそ様のご自宅にお料理を作りに行く機会がありました。そこで、私の想像を超えるような体験が二つありました。
一つ目は、8割方の家庭に“雑巾がなかった“ことです。代わりに使い捨てのペーパーが使われていました。
私は昭和の人間なので、雑巾というのは古い布やタオルを縫って作るというのが当たり前。雑巾を買うという感覚もありませんでした。私はこの“物を大切に最後まで活かす文化”を大切にしたいと考えていますので、初めてのお客様には、古いタオルを切って雑巾を作るところからスタートすることも多いです。
物を大切にするという観点でも古くなった布を雑巾にするというのは、とても重要な文化ですよね!そのような文化までお客様に伝えられているのには驚きました。もう一つの想像を超えるような体験というのはどのようなものでしょうか?
二つ目は、冷蔵庫を開けると季節に関係なく、いつも同じ食材が入っている、つまり〈旬〉の食材を見かけないという点。私の場合(特に実家の援農をしているせいか)冬にきゅうりは買いませんし、逆に夏に大根は買いません。
日本には四季折々〈旬〉の野菜があります。たくさん太陽を浴びた旬の野菜は、栄養価も高く値段も安い、何より甘くて美味しいです。そのような野菜を育ち盛りのお子さんにもたくさん召し上がって欲しいです。
旬の野菜を食べるということは本当に大切なことですよね。旬のタイミングで食べると驚くほどに美味しいですからね!
しかし、スーパーに行けばどの時期でも様々な野菜が買えてしまいます。それが当たり前になっているご家庭も多そうですよね。。。
そうなんですよね。
これは、しっかりと“物を最後まで活かし切る文化“や“四季折々の〈旬〉を生活に取り込み豊かに暮らす知恵や文化“が次世代に継承できていないということなんです。
コロナで親戚や地域社会などの人と人との繋がりが希薄になりました。好きな言葉ではありませんが、『孤育て』が増え、スマホに答えを求める子育てが増えました。
100人いらしたら、100通りの価値観がある中で、大切に残していきたい価値観や文化の継承を行うためには今こそシニアの出番が必要なんです(笑)
確かに、教えてもらっていないから知らないだけという方もたくさんいらっしゃいますよね。御社のサービスでそのような文化の伝承までやっていただけたら本当に素晴らしいことですね!
ありがとうございます。おばあちゃんの知恵袋的な“お節介“を形にしたいと思って現在のサービスを作りあげました。
特に「食」は、生きていく上でとても重要な要素だと思っています。当たり前のことですが、私たちの身体も心も食べたものでできています。
だからこそ、どんな忙しくても手抜きはしたくない、子供達に素材から調理した安心安全なおふくろの味を食べさせたい、そんなママやパパの気持ちは痛い程分かります。
これを解決するために、シニアの知恵や技術が欠かせない要素になってきます。それらを家事代行と共に、お客様のご家庭で提供できるのが弊社のサービスの良さだと感じています。
味覚は8歳までに作られるとも言いますので、お子様に素材そのものの美味しさを味わって欲しいですね。
すごく想いのこもったサービスですね!
吉村さんは第二の実家合同会社を立ち上げる際には仲間と立ち上げられたと聞いております。その共同創業者である中島さんとの出会いついて教えていただけますでしょうか?
私事ですが、十数年前に私の主人の母が事故により突然の介護状態になりました。私自身、仕事も忙しく、週一回のお見舞いがやっとでした。義母は話好きな人だったので、どうしたものかと途方に暮れていました。
そんな中、ふと以前に名刺交換をした家事代行サービスを主催されていた中島さんのことを思い出したんです。その名刺には「あなたの家族以上にあなたの家族を応援します」と書いてありました。そこで、義母の話し相手をしていただけるかも?と思い藁をも掴む思いで、ご連絡をさせていただきました。義母との共通点もあったことから意気投合、楽しく毎週お話をしていただけました。
私もなかなか義母のところに行けない苦しさがあったのですが、中島さんが来て下さったことによって、義母も喜び、私も苦しさから解放され、主人も喜んでくれたので家族皆がwin-winという結果になりました。
人生には、様々なライフイベントがあって、家族だけではどうにも回らない場面に、第三者の存在で助けられた…これが私自身が家事代行に助けられた原体験となっています。
中島さんとの関係は、お母様の存在があったからこそだったのですね!そう考えるとお母様には感謝ですね。そこから、実際にどのような流れで事業を一緒にやることになったのでしょうか?
ある年の年賀状でそんな私の想いを会社として立ち上げたい旨のメッセージを書いたら、中島さんから「私が知っている事は全てお教えしますよ」とのご連絡をいただきました。彼女もお仕事を組織化する為に、今後の方向性を考えておられたタイミングでした。
年賀状がきっかけだったのですね!
組織化は重要な仕事ですよね。その部分を吉村さんが担当されているということでしょうか?
そうですね。私は若い頃リクルートで企業教育のトレーナーを企業に派遣するような仕事をしており、更には大学では組織心理学というものを学んでいたこともあり、チームビルディングなどは嫌いではありませんでした。一人ではできないことも、チームだとできることはたくさんありますよね!
組織化することで提供できる価値をより大きくされたわけですね!
業務などはマニュアル化されたりもしているのでしょうか?
最低限のマニュアル化はもちろん必要なのですが、それぞれのサポーターの経験や特性を活かして、カスタムメイドのサービスを提供するようにしています。お客様に対してしっかりとヒアリングをさせていただき、押し付けにならないよう、サポーターができることを考慮してサービス内容を組み立てていくようにしています。
そのような心のこもったサービスを提供されていれば、お客様も喜んでいただけそうですね!!
お客様から「ありがとう」と言われることは、サポーターにとってもすごく嬉しいことです。サポーターの持ち味を活かせるマッチングの場=お仕事場を今後もたくさん作っていきたいですね。
たくさんの笑顔を作り出せる、とても素敵なサービスですね!!
サポーターが働きやすい環境づくりについて
サポーターの方々がイキイキと働けるようにするために工夫されていることがあれば教えていただけますでしょうか?
まだ規模的に可能なので、サポーター全員参加のLINEグループを作っています。この中で業務報告と共に、現場での気付き、反省点などをシェアするようにしています。
これによって、他のサポーターがどのような工夫をしているかなどといったことも分かります。それがお客様に対してより良いサービスを提供することにも繋がり、結果的にサポーターのやり甲斐に繋がります。
素晴らしい仕組みですね!
具体的にはどのようなことをシェアされているのでしょうか?
仕事の内容や業務時間などはもちろんのこと、作った料理の写真などもシェアするようにしています。
美味しそうな料理の写真を見たらお腹が減ってきてしまいました(笑)
LINEグループ以外だとどのようなコミュニケーションを取られているのでしょうか?
LINEグループ以外ですと、サポーターがスキルを上げていただけるようなリアルな勉強会も積極的に行っています。直近ですとフリッター講座や魚をさばく講座、いくら醤油漬け講座、お掃除講座、整理収納講座なども行いました。
そのような講座の講師はどなたがされるのでしょうか?
主にはサポーターですね。有り難い事に、弊社は素晴らしいサポーターに恵まれていますので、それぞれのサポーターが持っているスキルをお互いがシェアできるような機会を積極的に作っています。
サポーターが持たれているスキルを惜しみなくシェアされているのは本当に素晴らしい事ですね!モチベーションにも繋がりそうです。
このように、食などに関する知識や技術をサポーター同士で共有して、各ご家庭に届ける事で、社会全体が豊かになっていきますからね。
イメージは昔の長屋、寺子屋のように互いの情報交換ができ、刺激し成長できる会社でありたいと感じています。
そのような勉強会の後には懇親会を行っています。そこでも様々な情報をシェアできます。
例えば、「揚げ物をした時に、揚げた食材を置くバットがなかった時にどうしてる?」というような質問を誰かが投げかけると、「私はフライパンを使っています!」「私は魚焼きグリルの網を使っています!」などと言ったように、それぞれのサポーターが持っている知恵をシェアする事ができます。
形式的ではなく、飲みながらスキルのシェアをするというのは最高ですね!気持ちもリラックスしているので、良いアイデアもそこで生まれそうですね!!
今後のビジョンについて
最後になりますが、今後のビジョンについて教えていただけますでしょうか?
働く世代にとって、我々のような家事代行を取り入れるのが〈当たり前な社会〉を作りたいです。
子育ては楽しい!
でも、1人悩むことも多い!
そんな時、温かい食事や快適な空間だけでなく、ママやパパの気持ちを受け止めてくれる存在、背中を押してくれる存在があったなら、どんなに楽になれるでしょう!
子供は、多様な価値観を持つ大勢の大人に囲まれて育った方が、社会性を身につけながら、伸び伸び育つと考えています。そして「食」には、身体だけでなく心を養う力があります。弊社の存在が家庭の団欒をサポートし、家族が一緒に食卓を囲む時間を増やし、子供が一人でご飯を食べる「孤食」をなくしていけたらと願っています。
一方で、サポーターはお客様から現場で沢山の感謝のお声をいただくことができ、それが働く喜びや生きがいに繋がります。そういったプラスのコミュニケーションはシニアの健康余命の延伸に繋がっていくと感じています。人は1人では生きられないのです。
少子高齢化が加速する社会で、現役の働く世代を、シニアがその持ち味を生かして後方支援をすることで、“社会全体で子育てを応援するWin-Winな仕組み“と感じています。
これを実現するためには、より一層弊社の存在をアピールし、サポーターの数を増やしていく必要があります。
ぜひ現役子育ての応援をしたいシニアの皆様、お力を貸して下さい!(笑)
また視点を変えると、現在は主に個人のお客様に対してサービスを提供していますが、今後は、企業様が福利厚生として活用いただけるようなサービスにも対応できるよう、人員体制、教育体制を整えていきたいです。ぜひ1年後にまたお話聞きにいらしてくださいね(笑)
熱い想いを語っていただき本当にありがとうございました。必ず1年後にまたお話を伺い に来たいと思います!
この度は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
コントリ編集部からひとこと
吉村様をはじめとしたサポーターが提供されるサービスはいわゆる「家事代行」という枠に収まりきれない、本当に素晴らしい価値のあるサービスだと確信しました。お客様からお客様に紹介で繋がっていくというのは、その何よりの証拠だと思います。
インタビューの中でも「また1年後に話を聞きに来てね!」と言っていただけましたが、きっと1年後にはまた驚くべき進化を遂げているに違いありません。
今後の第二の実家合同会社様のご活躍がとても楽しみです。
ギャラリー
吉村 伸子様 プロフィール
1958年に福岡県北九州市で生まれ、現在は東京都港区在住。慶應義塾大学 社会心理学科を卒業後、(株)リクルートに入社。深夜残業当たり前のハードなワークスタイルでバリバリ働く。その後、専業主婦として3人の子育てを経験しつつ、42歳で社会復帰。その後、NPO法人親子・絆.comの立ち上げも経験。
還暦を迎えたタイミングで長年の夢だったホノルルマラソンを完走し、今後の生き方を模索していた時に現在の家事代行の事業を開始。
趣味は料理、旅行、ハイキング、低山登山、ランニング。座右の銘は「志あるところに、道は通ず」~Whenever there is a will,there is a way.~
【会社概要】第二の実家合同会社
設立 | 2021年8月 |
資本金 | 100万円 |
所在地 | 東京都港区浜松町2-2-15-2F |
従業員数 | 20人 |
事業内容 | 家事代行サービス業 |
HP | https://daininojikka.com |