発信活動こそ、社長の「想い」が光る場所

「発信活動は外注に任せているから大丈夫」

そう考えている経営者の方も多いのではないでしょうか。確かに、プロの手を借りることで、見栄えの良いコンテンツが完成します。しかし、そこに「あなたの会社らしさ」や「あなた自身の想い」が込められているでしょうか。外注に丸投げした発信と、トップが深く関与した発信では、届く力がまったく違ってきます。この記事では、なぜ経営者自身が発信活動に関わるべきなのか、その理由と実践のヒントをお伝えします。

外注丸投げと、トップ関与の決定的な違い

発信活動を外注任せにしている経営者様へ

トップの想いが届く発信へ変える

「誰の言葉」として届くのか?

外注に丸投げした発信は、確かに整った文章になります。しかし、そこには「温度」が欠けていることが多いもの。経営者の生の声、苦労した経験、お客様への想い。そうした「人間味」が伝わってこそ、読み手の心に響くのではないでしょうか。

株式会社WORDSの竹村俊助氏は、「経営者が自分の言葉で生の声を発信することで、消費者・ユーザーはその『熱』を受け取って、その会社に『好き』という感情を抱くようになる」と指摘しています。この「好き」という感情こそが、機能や価格を超えて会社を選んでもらえる理由になります。

外注が作る情報は「正しい」かもしれませんが、トップが関与した情報は「心を動かす」ものになります。この違いは、長期的に見ると大きな差となって現れてくるでしょう。

会社の軸を伝えられるのは、トップだけ

会社の方針を決め、進むべき方向を示すのは経営者の役割。その軸となる考え方を、外部の人間がどこまで正確に理解し、表現できるでしょうか。

竹村氏はこうも語ります。「今は、先の見えない時代。先が見えている時代であれば、経営者は『売上目標◯億円』というように、数字さえ提示していればよかった。しかし今は『ベクトルの方向』を示さなければいけません。会社の『船長』である経営者が『こっちにいくよ!』ときちんと言葉にして示す必要があるのです」

社員も取引先も、そしてお客様も、その会社がどこに向かおうとしているのかを知りたがっています。その答えを最も明確に語れるのは、やはりトップ自身に他なりません。

危機感が生む、本物の発信力

外注に任せきりにしていると、どうしても「やっている感」で満足してしまいがち。しかし、トップ自身が危機感を持って取り組むと、発信の質が根本から変わってきます。

「このままでは伝わらない」「もっと自社の魅力を知ってもらいたい」という切実な想いがあるからこそ、言葉に力が宿ります。その真剣さは、読み手にも必ず伝わるものです。

トップが関与することで生まれる、5つの価値

お客様が「ファン」になる

単なる情報発信ではなく、経営者の想いが込められたコンテンツは、お客様を「ファン」に変える力を持っています。商品を買ってくれる人から、会社そのものを応援してくれる存在へ。この変化は、リピート率や口コミに大きく影響していきます。

竹村氏が支援する企業の事例では、経営者自らがnoteで創業の苦労や失敗談を語ることで、「この社長を応援したい」という共感が広がり、新規顧客の獲得につながったケースが報告されています。

採用の質と量が向上する

優秀な人材ほど、会社の理念や経営者の考え方に共感して入社を決めると言われています。トップが自ら発信することで、「この船長のもとで働きたい」と思える人材が集まってくるでしょう。

ある中小企業では、社長が自身の経営哲学をSNSで発信し続けた結果、以前は応募がほとんどなかった求人に、共感した人材からの応募が増えたという実例があります。給与や福利厚生だけでは伝わらない「会社の魅力」が、トップの言葉を通じて届いたのです。

社内に一体感が生まれる

経営者の発信は、社外だけでなく社内にも届きます。「社長が何を考えているのか」が明確になることで、社員の迷いが減り、同じ方向を向いて進めるようになります。

複数の調査によれば、多くの企業で社員の半数前後が自社のビジョンを十分に理解していない状況があります。ある調査では経営目標を「十分把握している」と答えた社員はわずか8%という結果も出ています。これは大きな機会損失ではないでしょうか。トップが積極的に発信することで、組織全体の共通認識が醸成されていきます。

地域や取引先からの信頼が深まる

地域に根ざした中小企業にとって、「顔が見える経営」は大きな強み。トップが自ら情報を発信することで、「この会社は誠実だ」「この社長なら信頼できる」という評判が広がっていきます。

J-Net21(中小企業ビジネス支援サイト)でも、「経営者自らがメディアと接点を持つことで、取材元として魅力的に映る」と推奨されています。経営者の言葉だからこそ、企業の魅力や数字について最も強く語れるからです。

経営者自身の思考が整理される

発信活動は、実は経営者自身にとっても大きなメリットがあります。自分の考えを言葉にまとめる過程で、思考が整理され、経営の軸がより明確になっていくのです。

竹村氏は「自分の考えをきちんと整理して、文章にまとめて発信するということには、すごい価値がある。これは、ある種『事業開発』にもつながるすごく大切な作業」と語っています。単なる情報発信ではなく、経営そのものを磨く機会になるということですね。

外注任せの発信から、トップ関与の発信へ

経営者の想いが届くコンテンツづくり

インタビュー取材、原稿作成、編集まで一貫サポート。

月1回の取材で、あなたの言葉を「心を動かすコンテンツ」に変えます。

外注を活用しながら、トップの関与を実現する方法

外注は「パートナー」として活用する

ここまで読んで、「じゃあ外注は使わない方がいいの?」と思われた方もいるかもしれません。そうではありません。外注の力を借りることは、むしろ推奨されます。

ただし、丸投げではなく「パートナー」として活用することが大切。経営者の想いを丁寧に聞き取り、それを分かりやすく表現してくれる外注先であれば、トップの関与を効率的にサポートしてくれるはずです。

竹村氏が展開する「顧問編集者」というサービスも、まさにこのアプローチ。週に1回、経営者に1時間ほど取材をし、その言葉をXやnoteのコンテンツとして編集しています。経営者の負担を抑えながら、本人の想いが反映された発信を実現しているのです。

月に1回でも、自分の言葉で語る

忙しい経営者にとって、毎日発信し続けるのは現実的ではないかもしれません。それでも、月に1回でもいいので、自分の言葉で語る機会を持つことをお勧めします。

その際のテーマは難しく考える必要はありません。「今月、印象に残った出来事」「最近考えていること」「お客様からいただいた嬉しい言葉」。そんな身近な話題で十分。大切なのは、あなた自身の言葉で、あなた自身の想いを伝えることです。

社内の若手に編集を任せてみる

竹村氏の興味深い実践例があります。竹村氏は自身のTwitter(現X)アカウントの編集を新入社員に任せたところ、自分で投稿するよりも「いいね」やフォロワーが増えたそうです。

「自分では気づけない自分の面白さを、彼が客観的に見つけてコンテンツにしてくれているから」と分析しています。社内の若手に編集を任せることで、新しい視点が加わり、より魅力的な発信になることもあるでしょう。

まとめ

発信活動において、外注の力は確かに有効です。しかし、それはあくまで「手段」であって、「目的」ではありません。本当に伝えるべきは、あなたの会社の想い、あなた自身の経営哲学、そして目指す未来の姿。

それらを最も力強く語れるのは、やはり経営者であるあなた自身です。外注をパートナーとして上手に活用しながら、ぜひトップとしての「スイッチ」を入れてみてください。そこから生まれる発信は、きっと多くの人の心を動かし、会社の未来を明るく照らしてくれるはずです。

小さな一歩かもしれませんが、その一歩が大きな変化の始まりになります。あなたの想いを、言葉にして届けてみませんか。

【参考資料】

経営者の発信活動について、さらに詳しく知りたい方は以下の情報もご参照ください。

発信活動のヒント

経営者の発信を仕組み化する

外注パートナーと共に、あなたの想いを届ける

外注に丸投げするのではなく、経営者の言葉を引き出すパートナーとして伴走。

お客様のファン化、採用力向上、社内の一体感づくりを支援します。

月1回の取材で負担軽減
経営者100人以上の取材実績
中小企業に特化した支援

関連記事一覧