売上だけじゃない。顧客に選ばれ続ける会社の「見えない価値」とは?
昨今のインフレや原材料高騰により、多くの企業が価格設定に頭を悩ませています。値上げすれば顧客離れが心配、据え置けば利益が圧迫される—。この板挟みの状況で、私たち経営者は何を軸に判断すべきなのでしょうか?
「人は数字のファンにはならない」という言葉が最近の私のトレンドです(笑)。確かに、私たちが何かのファンになるとき、売上高や利益率といった数値が決め手になることはありませんよね。
目次
数値以外の「見えない価値」が競争力の源泉に
私が様々な企業を見てきた経験から、成長を続ける企業には共通点があることに気づきました。それは、数値では表現できない価値を大切にしているということです。
例えば、老舗の和菓子店が代々受け継いできた製法へのこだわり。ITベンチャーが掲げる「テクノロジーで世界をより良くする」というミッション。これらは数値化できない価値ですが、多くのファンを生み出す源泉となっています。
なぜ価格競争は避けるべきなのか?
私の相談所には、価格競争に疲れ果てた経営者の方々が悩みを打ち明けに来られます。「競合に価格で対抗せざるを得ない」「利益が出ないのに値下げ圧力がある」といった声をよく耳にします。
しかし、価格競争には明確な限界があります。
- 企業体力の消耗
- ブランド価値の低下
- イノベーションの機会損失
特に深刻なのは、価格競争に気を取られすぎて、本来育てるべき強みを伸ばす機会を逃してしまうことです。
「見えない価値」を可視化するための実践ポイント
では具体的に、数値以外の価値をどのように発信していけばよいのでしょうか。ここで紹介するのは、あくまで一例です。
1. ストーリーの力を活用する
製品やサービスが生まれた背景、開発秘話、失敗から学んだことなど、数字では表現できない物語を丁寧に紡ぎ出します。
2. お客様の声を大切にする
数値だけでは伝わらない、お客様の実際の体験や感動を集め、それを発信していきます。これは新規のお客様にとって、何よりも説得力のある情報となります。
3. 自社の価値観を明確にする
「なぜその事業をしているのか」「どんな未来を目指しているのか」。こういった価値観を言語化し、発信することで、共感してくれる顧客との絆が深まります。
まとめ:選ばれ続ける企業を目指して
価格競争から抜け出すためのカギは、自社ならではの「見えない価値」を見つけ、それを効果的に発信することにあります。私自身、これからも相談所の運営を通じて、経営者の皆様と一緒にこの課題に向き合っていきたいと考えています。
皆様の会社にも、必ず独自の「見えない価値」があるはずです。それを見つけ、育て、発信していくことが、これからの時代を生き抜くための重要な経営戦略となるのではないでしょうか。
今日から、自社の「見えない価値」について、改めて考えてみませんか?