先祖の想いを繋ぐ!家系図作成専門の行政書士 | 行政書士岡田俊介事務所
家系図は、私たちのルーツを知ることができる貴重なものであり、世代を超えて家族の歴史を繋げる大切な記録となります。今回、東京の文京区で家系図作成事業を行っている行政書士岡田俊介事務所の岡田氏にお話を伺いました。単なる家系図作成という枠を超え、お客様に喜んでいただくために全力を尽くしてきた岡田氏の話には、いくら聞いても飽きることのない厚みと深みがありました。このインタビューを通じて、家系図の魅力やその背後にあるストーリー、そしてそれを事業として成功させてきた秘訣に迫ります。
行政書士岡田俊介事務所の事業について
まずは御社の事業について教えていただけますでしょうか?
私の母親は11年前に亡くなり、その際に家系図作成の専門家に家系図を作成していただく機会がありました。家系図を作成してもらった時、消費者として一番良いお金の使い方ができたと感じました。それは、家族や親戚がとても喜んでくれたからです。先ほども述べたように、法要などの場で親戚が大変喜んでくれ、私が知らなかった多くの親戚の存在を知ることができました。
当時の私には家系図の魅力を完全には理解できていなかったのですが、年配の方々は家系図を夢中で見ていました。彼らが「この人はこうだった」と話しているのを見て、良いお金の使い方ができたと感じ、先祖供養にもなったと思いました。
当時、私は行政書士の資格を持っていたのですが、将来、独立開業したらどのような事業をやろうかということを考えていました。家系図を作成してくれた方も行政書士であり、そのことが将来私もこのような仕事をするきっかけとなり、家系図作成の事業を始めることを考えるようになりました。
そして、行政書士としての仕事ではなく、家系図作成の事業を行うために独立起業しました。しかし、私自身、家系図作成の経験は全くなかったので、私が消費者として作成していただいた家系図をリバースエンジニアリングして徹底的に解析しました。TTP(徹底的にパクる)を実行しましたね。それによって、まるで家系図作成ができるかのようにして事業を立ち上げました。今だから言える話ですが(笑)
お母様が亡くなられた時に初めて家系図を作られたと思うのですが、実際に作ろうと思ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
母が亡くなって、すごく悲しかったんですよね。残された遺品とか手紙とか読むと「子供に忘れられたくないんだな」という気持ちを感じました。その気持ちに応えるにはどうしたらいいかなということと、父も元々系図のようなものに関心があったので、親孝行にもなるかなと思ったこともあり家系図を作ることにしました。
そもそも、11年前には家系図を作成するというようなサービスがあることを知らなくて、検索したら北海道の業者さんが出てきたんですよね。その業者さんに依頼して作っていただきました。
お母様の想いを家系図という形にされたのですね!
未経験で家系図作成をスタートされたと思うのですが、苦労されたこともたくさんあったのではないでしょうか?
最初は、家系図を作るのが精一杯でした。家系図というのは、年配の方が関心を持たれることが多く、何年も自分で戸籍を調査されている方や、「うちは〇〇天皇に繋がっているはずなんだけど」というような私のキャパを超えるようなお客様に対応させていただく中で、私自身も成長させていただきました。
お客様とやり取りされる中で成長をされていかれたのですね!
ちなみに、家系図作成サービスというのは競合も多いのでしょうか?
ファミリーヒストリーというNHKの番組をご存じでしょうか?芸能人の先祖調査をして、先祖の想いに触れるというような、涙涙の素晴らしい番組なのですが、この番組の影響もあってか、個人で先祖について調べたりするのがブームになっています。
その影響で家系図作成業者も増えてきているのが現状ではないでしょうか。その中で差別化をしていくために、戸籍の範囲だけではなく、現地調査を行ったり、国会図書館で調べたりというように、戸籍以外のところのお仕事もさせていただいております。本家に行ったり、お客様と一緒に撮影したりなどということも含めてやり始めています。
どんどん進化されているのですね!
岡田さんが初受注された時のお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?
2015年の大晦日に以前勤めていた会社を退職して、1ヶ月の有休消化期間があったのですが、この期間に準備を進めていきました。様々な会合に顔を出しましたね。致知出版社さんの新春講演会などにも参加させていただき、1日で80枚くらい名刺を配りました。
講演会で80枚も名刺を配られたのですね(笑)
講演会でこれだけの名刺を配るなんて迷惑な話ですよね(笑)致知出版社さんの新春講演会は正月に全国から15,000円を払って集まってくるわけなので、みんな良い人に違いないと思っていました。
その結果、お仕事には繋がったのでしょうか?
致知出版社の社員の方が実際にお客様になっていただけました。本当にありがたかったです。それ以外ですと、家系図を製本していただいている会社の従業員の方にもお客様になっていただきました。実は、ウェブサイト経由でも受注いただきました。
ウェブサイト!?制作して間もないサイトからでしょうか?
そうなんです。私自身はウェブサイトは作れなかったので、業者さんに依頼して作っていただいたのですが、公開した翌日にご注文をいただきました。
田園調布でバレエスクールを経営されている方でした。この方は、注文いただいたのは3番目だったのですが、納品が1番最初となりましたので、私の中でもとても思い入れのあるお客様です。実は、このお客様は毎年、バレエ教室の発表会を千数百名規模で行っています。その発表会に毎年ご招待いただいております。
そのように、納品後もお客様との関係が続いているというのはとても素晴らしいことですね!
家系図の作成目的について
家系図作成を依頼されるお客様はどのような目的で作成されるのでしょうか?
家系図を作成する目的で最も多いのは、ご先祖様の供養のためです。2番目としては、家宝として子供に残すため、3番目は亡き両親への想いを形にするためです。私の場合はこの理由で作成しました。4番目に多いのはルーツを調べたいという理由、5番目としては長寿のお祝い、そして6番目に多いのは定年退職や還暦のお祝いの際に作るケースです。
様々な理由で家系図を作られるのですね。
実際に家系図作成を依頼されるタイミングに特徴などはあるのでしょうか?
例えば、年末年始や親族が亡くなられた時とか?
確かに、私自身も母を亡くした際に作成したのですが、過去のデータを見てみても、特に季節的な法則性はないですね。強いていうのであれば、年末年始などの親戚が集まる時や親族が亡くなられたという時が多いかなという程度です。そもそも、このようなサービスがあることを知らない方が多いのかもしれませんね。
確かにそうかもしれませんね。でも、そのようなサービスがあると教えたら、作りたいと思う人はかなり多いのではないでしょうか。
そうですね。自分史というのがあると思いますが、あれはご自身の下の世代にプレゼントするようなものですが、家系図の場合は、上の世代に対してのプレゼントとして活用いただくこともできます。
一口に家系図と言っても、その活用方法は様々なのですね!
作成した家系図は、額縁に入れてお届けするものと、製本してお届けさせていただいているのですが、1冊追加していただいて、兄弟に配っていただくようなケースもありますし、保存用と閲覧用としてお使いいただくようなケースもあります。
お客様に喜んでいただいたエピソードについて
経営者のお客様に家系図をお届けして喜んでいただいたエピソードをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?
「私の代で100年企業となる牛肉店の経営者Tさん」の話をさせていただければと思います。私も所属する経営者団体の中で出会った方なのですが、名刺交換をさせていただいた時に家系図作成サービスに興味を持っていただきました。
Tさんが経営されている会社は、創業して90年くらい経っており、私の代で100年企業になるのですが、どうやら、祖父の代は近江商人だったらしいということでした。Tさん自身もそのあたりの繋がりもないし、情報もなかったことから、家系図作成と現地調査までご依頼いただきました。ちなみに、家系図+現地調査の初受注案件でした。
例のごとく、現地調査はやったことがない状態で受注されたわけですね?(笑)
そうなんです。現地調査などやったことない状態で受注してしまったのですが、なんとかするしかないということで動きました。まずは、取得できる限りの戸籍を取得してみたら、近江が本籍地の一番古い戸籍が取得できました。
その後、ネットでの情報や地図などもかなりの数をチェックしていたら、その近くにお肉屋さんを発見し、そこに電話をして事情を説明しました。すると、4軒隣にTさんと同じ苗字の家があることが分かりました。実は、そこがTさんの家系の本家だったことが分かりました。
それは感動的ですね!初の現地調査は大成功だったということですね!!
そのことをTさんにお伝えし、Tさんと本家の方どうしでもお話してもらった後に、一緒にお伺いしましょうという話になり、本家の方まで訪問させていただきました。その際には写真を撮ったり、動画を撮ったりして、最終的にはお客さんよりもTさんの家系に詳しくなってしまいました(笑)
Tさんも本家の方とお会いできましたし、本家のお墓参りもすることができました。
それ以外にも現地に行ったことで新しい発見などはあったのでしょうか?
250年くらい前にお墓のあるお寺に黄金の涅槃像(ねはんぞう)のような秘仏を奉納されたということも分かりました。先祖様はこのように徳を積まれてきたのだなということが分かるとTさんの中でも何か込み上げるものがあるでしょうね。
あとは、本家の方にお話をうかがう中で、どうやら蒲田の方にもTさんが経営する精肉店とは違う名前でお肉屋さんをやっている方がいるということも知りました。後日、その精肉店にお伺いした際に、開業当時の幻のコロッケのレシピが出てきて、それを再現できたりと本当に面白いことがどんどん起こりました。でもTさんはこのようなことは一切知らなかったんですね。
岡田さんに家系図作成を依頼しなかったら知ることがなかった情報ですよね。。。
このようにして祖先を知ることで生き方なども変わったりするのでしょうか?
もし、死後の世界があったとするならば、私のことを知ってくれている子孫とそうでない子孫とでは扱いが変わりますよね?(笑)そういう意味でも先祖を知っておくというのはとても大切なことです。
お坊さんがよく言うのですが、腰骨を立てる(立腰)というのがまず基本です。姿勢が悪いと何事もうまくいかないですよね。家系図を作る意味というのは、家系の腰骨を立てるという感覚です。そこから人生が良くなっていくと思っています。
家系図で人生が変わる!家系図の奥深さを感じさせていただきました。
現在の事業に対する「想い」「大切にしていること」「やりがい」について
現在の事業に対する「想い」「大切にしていること」「やりがい」などを教えていただけますでしょうか?
自分の関心の及ぶ範囲がその人の器だと考えています。よく「感謝が大事」ということを口にする人は多いと思いますが、感謝や関心を持てる範囲が自分だけだったら、人として小さくおさまってしまうと思います。しかし、感謝を持てる範囲が大自然、物など何から何までとなると、その人の人しての器は非常に大きなものになります。
中国古典の一番基本的な教えとして「修身」という言葉があるのですが、若いうちは身が修まっていないわけですよね。何しても格好つかないですし、やりたいことをやりたいようにやっていると、結果も伴わない。
大人になっても身が修まらずに、やりたいことをやりたいようにやっている人には人なんか誰もついてきませんよね。ちゃんと身が修まっているリーダーだからこそ人がついてくると思っています。このような人が国のリーダーになれば、その国は栄えます。
このように、まずは私自身がしっかりと根のはった人間になるということを大切にしたいです。そして、家系図というものを通して、最終的には世の中を良くしていくということを実現していきたいと思っています。
まずは、「揺るがない自分」というものをしっかりと作り上げていくことが大事なのですね!
今後のビジョンについて
最後になりますが、今後のビジョンについて教えていただけますでしょうか?
今までは良くも悪くも家系図屋さんでしたが、今後は会社を設立し、戸籍以外の調査を更に強化して、親子夫婦の縦軸横軸が繋がるような講座、研修、セミナーも開催していこうと思っています。
お客様の「心の相続」に寄り添い、私に出来る「萬燈行(まんとうぎょう)」すなわち「世(余)直し行」をひたむきに励んでいく所存です。
セミナーなどはとても興味深いですね!具体的な構想はあるのでしょうか?
私の既存のお客様を集めて、家系図を作る前と後のビフォーアフターについて語っていただくというようなことを考えています。そのような生の声を聞けるというのはとても貴重な機会になると思っています。
それは非常に有益な場になりそうですね!家系図を作ろうか迷っている方にとっても非常に参考になるお話を聞けそうです。
ちなみに「萬燈行(まんとうぎょう)」と「世(余)直し行」について具体的に教えていただけますでしょうか?
「萬燈行」についてですが、一燈が照らすことができる範囲は限られています。しかし、それが一万燈、二万燈集まったらどうでしょうか?もっと広い範囲を照らすことができます。私と同じベクトルの方がもっとたくさん出てきて日本を照らすことができれば、この日本をもっと明るいものにできると考えています。
「世(余)直し行」については、まずは「余(自分)」をしっかりと正していくことで、それが最終的には世の中を直していくことに繋がっていくということです。
これらのことを家系図や新しく始める事業を通して、できる限りやっていきたいと考えております。
岡田さんの今後の動きが非常に楽しみです!
今後も引き続き関わらせていただければと思います。本日はありがとうございました。
コントリ編集部からひとこと
今回、岡田氏からお話を伺ううちに、筋の通った事業運営に深く感銘を受けました。そのような仕事をされているからこそ、お客様と単なる仕事の関係以上の強い絆を築いているのだと実感しました。家系図の魅力や先祖を知ることの重要性についても、たくさんのことを学ぶことができました。岡田氏は今後、家系図をさらに多くのお客様へ届けるだけでなく、各種調査やセミナーなども手がけていくとのこと。今後の活動に大いに注目していきたいと思います。
ギャラリー
岡田 俊介 様 プロフィール
東京都文京区生まれ、現在も文京区在住。学生時代にはバスケットボールで全国大会に出場。大学卒業後、いくつかの会社で勤務した後、2012年に行政書士試験に合格。2016年2月に家系図作成専門の行政書士として「岡田俊介事務所」を設立。設立から現在にかけて、着実に実績を積み上げている。座右の銘は「修身 斉家 治国 平天下」「一燈照隅 万燈照国」「まだやれることはある(打つ手は無限)」。
【会社概要】行政書士岡田俊介事務所
設立 | 2016年2月 |
所在地 | 東京都文京区千駄木3-34-4 |
従業員数 | 2人 |
事業内容 | 家系図作成、先祖調査(戸籍調査、現地調査)など |
URL | ウェブサイト |