【メンバーインタビュー】グラフィックファシリテーションで想いを繋ぐ|なかざわりえ

人間関係で欠かすことが出来ないコミュニケーション。その中でみなさんは「対話」を意識したことはありますか?

仕事や家族・恋愛など様々な場面で、相手とのコミュニケーションや自分の伝え方などに悩むこともあるかと思います。その悩みを解決する方法の一つがグラフィックファシリテーション(以下、グラファシ)です。コントリメンバーも実際に体験したグラファシを通した「対話」はとても新鮮で刺激的な体験でした。

今回の記事では、グラファシにはどんな特徴や良い点があるのかといったことを、なかざわりえさん(以下、りえさん)に教えてもらいました。とても優しく包み込んでくれる雰囲気のあるりえさんの中にある、熱い想いをお届けいたします。

グラフィックファシリテーションについて

コントリ編集部
コントリ編集部

グラファシについて教えていただけますでしょうか。

グラフィックファシリテーションは、グラフィックを使用し参加してくれる人の想いや感情を可視化します。対話や講演をグラフィックとして模造紙に写し取り、参加者がそのグラフィックを眺めながら更に対話することによって、新たな気付きや発見を促す効果があります。

コントリ編集部
コントリ編集部

「対話」について詳しく教えていただけますでしょうか。

「対話」は「会話」の中の一つと言われています。
「会話」は決まったテーマがない事が多いのに対して、「対話」は一つのテーマに沿って複数人で話すのが特徴です。対話は必ずしも答えを出さなくてもよいと思っています。

なぜならば、対話は「話している過程自体に価値がある」からです。相手の考えの背景について知ることができると「そういう意見もあるんだね」「そういう価値観を持っているんだね」とお互い自然に寄り添えるのではないでしょうか。

グラファシを活用するメリットついて

コントリ編集部
コントリ編集部

グラファシを活用するメリットついて教えていただけますでしょうか

メリットは大きく分けて5つあります。
①自分の話したことを客観視することが出来る
②一人ひとりの意見をしっかりと聴くことが出来る
③本音で話が出来る
④自分自身の特徴に気付くことが出来る
⑤変化を可視化しチーム全体で進化していくことが出来る

コントリ編集部
コントリ編集部

具体的に教えていただけますでしょうか?

グラファシで対話や感情を描くことで内容を客観視して捉えることができ、新たな気付きや視点から納得感を得て主体性をもった行動変容に繋がっていきます。対話スタイルを大切にしているため、自分の話を真剣に聞いてもらうことで、一人ひとりの自己肯定感が少しずつ高まっていく効果があります。また、意見がなかなか言いづらい人でも、対話の場を通して意見や本音を伝えることができる工夫を対話の中で作り、誰もおきざりにしないということを目指しています。

特に、グラファシのある対話だと直接相手ではなく描かれたグラフィックに向かってみんなで話し、「誰が」話したではなく、「何を」話したのかを描いていくので普段では言いにくいような意見や本音が言いやすくなります。また、対話をしていると自分が当たり前だと感じていたことが、実は他者から見たら当たり前ではなかったとか、自分や仲間のコミュニケーションや思考のクセに気づくきっかけが得られたりすることがあります。そして、グラファシは一回やって終わりではありません。見返えして変化を可視化し進化していくことが出来ます。例えばチームでグラファシを行った際には、内容を見返して変化したことなどを新たにグラファシに付け足すことで益々グラファシが進化していき、チームの仲も深まっていくことに繋がります。

コントリ編集部
コントリ編集部

本当にたくさんのメリットがあるのですね!ちなみに、注意点はあるのでしょうか。

グラファシは絵に描かれるということが目立つので、”対話を絵にすること”が目的になってしまうと、本来求めていた目的を見失うことになりかねないので、「なんのためにグラファシを使った対話をするのか」という『目的』をしっかりと握ることがとても重要です。

また、一回の対話ですごく大きな変化が得られるわけではありません。大切なことは、「対話」を続けていくということです。

コントリ編集部
コントリ編集部

一回限りにせず少しずつ「対話」を続けていくことが大切なのですね。

グラファシをやる理由と大切にしていることについて

コントリ編集部
コントリ編集部

りえさんが『グラファシ』という仕事に取り組まれている理由はなんでしょうか。

私がグラファシをやる理由の一つ目は「世の中が良くなる」と信じているからです。自分と繋がり、人と繋がり、更に大きく広げていくと自然と繋がり、結果的には世の中が優しくなり、みんなが心地よくなると感じております。

私は偉人ではないけれど草の根活動として、私と関わってくれる人たちに少しずつグラファシを広げていきたいです。そして、それが波紋のように広がって大きな輪になり、みんなが優しくなると思っています。
理由の二つ目は、「小さな声に光を当てる」ということが挙げられます。会議などでは、声の大きい人や決定権のある人の意見が通ってしまいがちです。声の小さい人は「みんなを説得できないから・・・」といったように自分の意見を飲み込んでしまう人も多いのではないかと感じています。論理立てて話すのが苦手な人でも、それぞれ「想い」や「意見」はあるはずです。

グラファシでは大きな声で話したことを大きく描くわけではありません。心理的安全性を保ち、その場にいるメンバーのどの意見も正解で、尊重されるべきものとして「小さな声にも光を当てる」ことを大切にしています。そもそも私自信がなかなか人前で意見を言うことが苦手で、それを苦しいと思っていたことも根本にあって、これを大切にしています。

コントリ編集部
コントリ編集部

場作りをされるときにどのようなことを意識されているのでしょうか。

心理的安全性を保つ場所を作ることを大切にしています。心理的安全性のある場をつくるためには「自分の在り方」や「空気感」も大事だと考えています。基本的に、話すときには「喋っても大丈夫」という空気感がないと本当の気持ちは話せないと思います。そのような「話したくなる雰囲気」をつくることも私の大切な役割の1つです。

また、「目的を明確にすること」も大切にしています。話す目的をお互いが共通認識として持っていると、それが道しるべのようになります。そうすることで、もし話の方向性がそれてしまっても、戻ってくることが出来ます。その目的がいかに納得のいくものであるかというのもとても重要です。

今後のビジョンについて

コントリ編集部
コントリ編集部

最後に今後のビジョンについて教えていただけますでしょうか。

「つなぐ、つながる」をキーワードに対話やグラファシを介して一人ひとりの想いが大切にされる「対話」の場作りをしていきたいです。そして、それぞれが大切にしていることが広がっていき、対話が多くの人の日常になって欲しいと思っています。そうすることで、より多くの人が生きやすく、また働きやすい場作りもできるのではと思います。

りえさん  プロフィール

東京都出身 夫と小学生の子供2人の4人で長野県に移住し畑や田んぼなどで農業を楽しみながら生活している。グラフィックファシリテーターとして企業のチームビルディングやヴィジョンを可視化するための対話の場作りやワークショップの設計を行っている。

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