【CEATEC2022】完全オフグリッド型モバイルユニット「WHOLE EARTH CUBE」

2022年10月18日に幕張メッセで開催されたCEATEC2022に行ってまいりました。
最新技術が集結するCEATECはとても刺激的で、素敵な未来をイメージできてしまうようなそんなイベントでした。通信技術やAI技術、VRやAR、そしてメタバースなど、様々な最新技術が展示されております。
また、大学生が出展するブースなどもあり、どんどん企業とのコラボレーションも活発になれば良いなと思いました。


その中でも印象的なだったブースをご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは完全オフグリッド型モバイルユニット「WHOLE EARTH CUBE」です。

「WHOLE EARTH CUBE」の概要

WHOLE EARTH CUBEは「北良株式会社」「WOTA株式会社」「MUSVI株式会社」の3社が合同で作りあげたソリューションで、オフグリッド、つまり電線などから電気を取り入れず自給自足する仕組みのトレーラーハウスです。
災害時など、自宅が使えずに生活に支障が出てしまうような場合に、その現場に「WHOLE EARTH CUBE」を運んでいくことで、すぐに新たな生活環境を作ることができるのが最大の魅力です。

これを実現するための主要な技術は以下の通りです。

  • 自給自足できるエネルギーシステム
  • 既存の水を繰り返し利用できる水循環システム
  • 遠隔地でもよりナチュラルなコミュニケーションが取れるオンラインシステム

これらの技術をうまく融合させ、災害時だけでなく、よりフレキシブルなライフスタイルをいつでも、どこでも送れるようにしたのがこの「WHOLE EARTH CUBE」です。

裏側はこのような感じになっております。

こちら側を見ていただければ、トレーラーハウスだということが良くわかると思います。

中に入ってみると、普通の家のような作りになっています。

洗面台やトイレなどの生活に必要不可欠な設備は揃っているので、生活をするのに困ることは無さそうです。
これらの水回りで使用される水は、全て水循環システムによって作られています。
水循環システムで作られる水の質としては、飲み水として利用できるレベルとのことでした。これであればとても安心ですね。

こちらは、独立型の水循環システムで、スマホの除菌システムなども装備されており、現在、実際にショッピングモールなどに設置されているようです。

また、エネルギーの状況については、こちらのタブレットでリアルタイムに確認するとこができるようでうす。

室内については、「木」を感じるとてもナチュラルな内装となっており、とても居心地が良いデザインとなっていました。

そして、トレーラーハウスの外側にはデッキが設置されておりまして、そのデッキの奥では、MUSVI株式会社の阪井社長が自ら自社で開発したオンラインコミュニケーションシステムである「窓」の解説をとても熱くされていました。

なぜ3社が集まって作り上げたのか?

「WHOLE EARTH CUBE」は、岩手県のガス会社である「北良株式会社」、東大生発のスタートアップである「WOTA株式会社」そして、ソニーで20年以上もオンラインでのコミュニケーションについての研究をされてきた阪井社長が率いる「MUSVI株式会社」。この3社の得意とする技術を集結して作られました。

このコラボレーションの最初のきっかけは、東日本大震災だったそうです。
岩手県の会社である北良株式会社は、地元の方々の役に立とうということで、医療分野や仮設住宅環境の充実を目的とした災害対策支援を実施してきました。そして、熊本地震の際にも支援活動を実施。その中で、「きれいな水」の必要性を感じ、当時から水循環システムの研究を行なっていたWOTA株式会社との出会いにつながりました。
その後、遠隔地でもよりナチュラルなコミュニケーションが取れるデジタルツールである「窓」(MUSVI株式会社)を組み合わせ「WHOLE EARTH CUBE」が出来上がったのです。
当日、MUSVI株式会社の阪井社長が直接「窓」のプレゼンをしていただいたのですが、「気配を感じるオンラインコミュニケーションシステム」という部分にとても納得させられました。どれだけ高画質で映像を映せるか?ということよりも、どれだけその場の空気感が伝わるか、人がいるという気配を感じることができるか?がオンラインコミュニケーションでは大事なのだと学ばせていただきました。


今回のように複数の会社がそれぞれの技術を活かして、一つのソリューションを提供する。
これからは、このようなスタイルのビジネスが増えていくのではないかと思います。
そして、このようなビジネスが世の中に大きな価値を与えていくでしょう。
コントリでもこのような素敵なコラボレーションを生み出せるように頑張っていきたいと思います。

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