「我」を手放す勇気が経営の原点に ~素直な心で成長を続ける経営者の視点~
私は独立して約1年、経営者インタビューメディア「コントリ」を運営しながら、日々多くの経営者の方々と対話する機会をいただいています。その中で最近特に考えさせられるのが、「素直さ」という経営の基本姿勢についてです。
松下幸之助さんも重視していたという「素直な心」。しかし、これは単に言われたことに従順であることではありません。今回は、経営における「素直さ」の本質と、私自身の経験も交えながら、その重要性について考えていきたいと思います。
素直さとは「我」を超えて真実を見る力
経営者として独立して気づいたのは、「素直さ」とは、物事の真実や正しさを見極め、それに従う心の姿勢だということです。
以前、自動車メーカーで調達の仕事をしていた時、自分の判断が正しいと信じて譲らなかったことがありました。結果として、サプライヤーとの関係を一時的に悪化させてしまい、プロジェクト全体に影響を及ぼしてしまいました。
この経験から学んだのは、「我」を優先させることの危険性です。どんなに経験を積んでも、自分の考えや主観を絶対的なものとせず、常に真実を見極める姿勢が必要なのです。
成果が出ないときこそ、素直さが試される
メディア運営を始めて特に痛感するのは、成果が出ないときこそ「素直さ」が試されるということです。
例えば、記事の閲覧数が伸び悩んでいるとき。「自分のライティングスタイルは正しい」という思い込みにとらわれず、データや読者からのフィードバックに真摯に向き合い、改善していく必要があります。
過去の成功体験は時として足かせになります。保険会社での営業経験が通用すると思っていた私も、メディア運営では全く異なるアプローチが必要だと気づきました。素直に認めて、新しい学びを受け入れることで、少しずつですが成長につながっています。
経営における「三方よし」の実践
素直な心で経営に向き合うとき、必然的に「三方よし」の考え方に行き着きます。
私の場合、以下の3つを常に意識しています。
- 読者の方々に価値ある情報を提供できているか
- インタビューさせていただく経営者の方々の魅力を適切に伝えられているか
- その結果として、持続可能なビジネスモデルを構築できているか
満足せず、常により良いものを目指す。この姿勢こそが、素直な心から生まれる経営の要諦だと考えています。
まとめ:素直さが導く持続的な成長
独立から約1年、素直な心で経営と向き合うことで、少しずつですが自分なりの軸が見えてきました。まだまだ道半ばですが、これからも「我」を手放し、原理原則に従って経営を続けていきたいと思います。
経営者の皆様も、日々の判断や決断の中で、ぜひ「素直さ」という視点を意識してみてはいかがでしょうか。それは、必ずや持続的な成長への道しるべとなるはずです。
「縁ある人の魅力を引き出し、世の中に発信する」という私のミッションも、この素直な心があってこそ実現できるものだと信じています。