事業継承から新たな挑戦へ~社員一人ひとりの声を大切に~|加藤軽金属工業株式会社

業界でも注目のアルミニウム製造技術を駆使する加藤軽金属工業株式会社。しかし、その経営の中核には、単に技術や数字だけでは計れない「人」の価値が刻まれています。社員の心の声を大切にし、一人ひとりの意見や提案を真摯に受け入れる経営スタイルは、多くの中小企業経営者にとって参考となるでしょう。この記事では、社員を中心に据えた経営の秘訣やその成果に迫ります。

加藤軽金属工業株式会社の事業について

コントリ編集部
コントリ編集部

まずは御社の事業について教えていただけますでしょうか?

加藤氏
加藤氏

アルミニウムの押出成形と加工~組立を行っております。時代の要求が絶えず多様化する中、そのニーズに迅速に対応するために最先端の設備と技術を積極的に導入しています。最新鋭のアルミ押出機を使用し、多種多様な形状のアルミ製品を効率的に製造しています。

コントリ編集部
コントリ編集部

製品の品質や生産効率を保つための特別な取り組みはありますか?

加藤氏
加藤氏

生産効率を最大限に引き出すため、会社一丸となって、厳しい納期が求められるプロジェクトでも、タイムリーに高品質な押出成形作業を行うことをしています。私たちの製造ラインはアルミ押出形材だけでなく、品質向上や仕上げ工程に必要な各種設備を完備しており、押出から加工・組立・箱詰まで一貫した品質管理のもと、お客様に信頼される製品を提供しています。

事業承継について

コントリ編集部
コントリ編集部

最初から事業を継ぐことを考えていたのでしょうか?

加藤氏
加藤氏

実際に社会人になった当初、会社を継ぐことは頭にありませんでした。中学生のころは「会社を継ぐべきか?」と考えていた頃もありましたが高校や大学に進学する過程で、その考えは少しずつ変わってきました。入社を決意した背景には、知人からのある提案が大きなきっかけでした。そして、私が生まれてから大人になるまで成長できたのはこの会社のおかげであり、深い感謝を抱いています。そういった感謝の気持ちを実際の行動に変え、事業承継の道を選びました。

コントリ編集部
コントリ編集部

ちなみに、事業を継がれる前はどのようなお仕事をされていたのですか?

加藤氏
加藤氏

新卒で商社に入社し、個人事業主としての経験、そしてコンサルタントとして300社以上の企業の経営改善をサポートする実績など、多岐にわたる経験をしてきました。これらの経験は偶然に積み上げられたものですが、振り返ってみると会社を立て直すべくして得たもののように感じます。

事業承継後の課題について

コントリ編集部
コントリ編集部

事業承継後に直面した主な課題について教えていただけますか?

加藤氏
加藤氏

事業承継後、真っ先に取り組んだのは「人」と「コスト」に関する課題でした。

コントリ編集部
コントリ編集部

では、まず「人」に関する課題について教えていただけますでしょうか。

加藤氏
加藤氏

入社後すぐに気づいたのは、社員たちが自らの意見や考えを表現するのをためらっているということでした。これには会社全体としての過去の経緯、既存の文化、社内の不穏な空気、そして管理職のマネジメント教育の不足が大きく関与していると感じました。我が社の社員は一人ひとりが非常に真面目で、物事を深く考えながら取り組んでいます。手を抜いて仕事をする人はおらず、学び続ける姿勢が強い社員が多いと感じました。

コントリ編集部
コントリ編集部

当時、様々な課題が存在していたのですね。
その課題に対して、具体的にどのような取り組みをされたのですか?

加藤氏
加藤氏

まず、心理的安全性の確立を最優先としました。社員が安心して意見を述べ、行動できる環境を作るために管理職研修を強化しました。それと同時にミッション、ビジョン、バリューを明確にし、それを基に組織文化や共通の価値観の再確認を行いました。また、会議もそれぞれが発言できるように働きかけて社員全体の実行力を向上させ、一人ひとりの意見やアイデアを製品やサービスの改善に活かすことを促進しました。さらに、確立したミッション、ビジョン、バリューを具体的に実践するための人事制度の再検討も進めています。

コントリ編集部
コントリ編集部

まずは心理的安全を確保することから取り組まれたのですね。
社員一人ひとりを大切にされており、とても素敵ですね!

コントリ編集部
コントリ編集部

「コスト」に関してどのような課題があったのでしょうか?

加藤氏
加藤氏

事業承継の後、市場の変動にただ影響を受けるだけの受け身の経営や、顧客要望に対する明確な判断軸の欠如などの課題が明らかとなりました。経営方針や組織目標の明確さを欠いていることが大きな課題として感じられました。

コントリ編集部
コントリ編集部

コストに関しても、様々な課題が存在していたのですね。
それらに対する具体的な対策や戦略を教えてください。

加藤氏
加藤氏

市場の変動に柔軟に対応できる調達方法の検討を始め、製品ごとの詳細な原価計算の導入、そして経営方針の再確認と明確化を進めました。特に価格改定の際の見積もり方法を再評価し、業界動向よりも詳細な見積もりをベースに価格を設定するよう改善しました。

コントリ編集部
コントリ編集部

コスト関連の情報を全社員さんと共有しているという話を聞いたのですが・・・

加藤氏
加藤氏

経営の透明性を保つため、我々は経営情報や達成した成果を社員全員と常に共有しています。売上や利益だけでなく、日々の電力料金なども公開しており、電力料金の節約といった取り組みの成果も随時伝えています。そのおかげもあり、社員自らが積極的に取り組む姿勢が増えました。そして、利益率が一定の基準を超えた場合には、その成果を社員へと還元する約束をしています。
これにより、電気料金節約を目的とした提案など社員のアイデアが現実の取り組みとして取り入れられており、その結果も実感しています。社員のこのような取り組みには、本当に感謝しています。

コントリ編集部
コントリ編集部

経営において“人”を大切にされているのが伝わってきました。

加藤氏
加藤氏

人は会社の大切な基盤です。当社では、人を尊重し、経営を進めています。
経営の持続性とは、人を大事にすることから始まると信じています。

働きやすい職場環境について

コントリ編集部
コントリ編集部

社員が働きやすい環境を整えるための工夫や取り組みについて、具体的に教えていただけますか?

加藤氏
加藤氏

現場の声を重視しています。心理的・物理的に意見を共有しやすい環境の実現に努めており、福利厚生も段階的に強化しています。最終的な意思決定は私が担当していますが、会社の方針については社員と共に策定しております。そして、社員からの積極的な提案を大切にし、彼らの悩みや課題に対するサポートも継続的に行っています。

コントリ編集部
コントリ編集部

社員さんの声にしっかりと耳を傾けられているのですね。

加藤氏
加藤氏

私の役目としては、社員が迷っている場面でのサポートや決断が重要だと考えています。データベースの分析はもちろん重要ですが、それと同時に直感も大切にしています。

コントリ編集部
コントリ編集部

経営の方針や決断だけでなく、日常の業務環境や福利厚生の面でも、社員の声を取り入れているのでしょうか?

加藤氏
加藤氏

そうですね。以前は社内での食事はお弁当のみでしたが、現在はパンやお菓子も食べられるようにしています。また、アイスベストの導入や就業環境の改善も行っています。社員の意見を取り入れ、少しずつ進めております。

コントリ編集部
コントリ編集部

様々な取り組みを通じて、社員の行動や意識に変化はありましたか?

加藤氏
加藤氏

過去に比べ、社員からの発言が増えてきたことを確かに実感しています。最近の会議では、自らの意見や提案を積極的に出す姿が増えています。私は、これらの変化は意識的に意見を出しやすい場を提供し、彼らの意見や提案を尊重し続けた結果だと考えています。今後も、社員の声を大切にして、会社全体の文化や働きやすい環境づくりの取り組みを進めていく所存です。

今後のビジョンについて

コントリ編集部
コントリ編集部

最後になりますが、今後のビジョンについて教えていただけますでしょうか?

加藤氏
加藤氏

今後のビジョンとして、当社はベンチャー企業との連携を深化させていきたいと考えています。4つのベンチャー企業とすでに協業しており、彼らの持つ独自の技術や発想と、当社の製造技術を組み合わせることで、新たな製品やサービスを生み出していく予定です。

私が入社して4年が経ち、これまでの努力が徐々に形になり始めています。当社の活動は新聞などでも取り上げられ、多くの人に注目されるようになってきました。私たちの特徴は、資金的な制約を持つベンチャー企業と手を組むことで、互いの強みを活かし、新しい価値を生み出していくことにあります。


そして、最終的な目標は「寄り添AL社会」の実現です。これは、当社が持つ技術や製品を通じて、社会に貢献していくという思いから来ています。私たちのミッション、ビジョン、バリューを体現し、目標利益を達成することで、社員はもちろん、社会全体に価値を提供していく企業を目指しています。そのためにも、人事制度の再構築や組織の改革、技術開発など、様々な面での取り組みを進めていきます。

コントリ編集部
コントリ編集部

今後がより一層楽しみですね!!

コントリ編集部からひとこと

加藤社長にインタビューさせていただき、真摯に社員の方一人ひとりと向き合っている姿勢が非常に印象的でした。事業継承後も、様々な課題に果敢に取り組んでいること、そして多様な業種との繋がりを持つことの重要性を強く感じさせてくれました。このような社内・社外での取り組みの効果が現れてくるのが大変楽しみです。加藤社長の広い視野と、多方面との連携が示す広がりは、加藤軽金属工業株式会社の今後の発展の可能性を大いに感じさせてくれました。インタビュー後には、インタビューアーの高橋が提案した加藤軽金属工業株式会社のイニシャルを身体全体で表現する「KKのポーズ」での写真撮影もあり、その軽快な雰囲気が記憶に新しいです。真剣な話の中にも、加藤社長の温かみやユーモアが垣間見え、非常に楽しく、あっという間のインタビューでした。ありがとうございました。

加藤 大輝 様 プロフィール

1990年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後の2014年に株式会社守谷商社に入社。イスラム系の方への食事アレンジをきっかけに、ハラール食材輸入とハラル認定の取得サポートを中心とした個人事業をスタート。その後、パーソルキャリア株式会社にて経営改善コンサルとして活躍。数万人の専門家と対話し、大手から中小企業の経営者や役員と協力して、経営改善・新規事業立案・製造・物流改善の実績を上げる。2020年10月に加藤軽金属工業株式会社への入社を果たす。特技は人を繋ぐこと。座右の銘は「全力で向き合う」。スポーツにおいては、中高大と10年間水球を続け、インターハイなどにも出場している。

ギャラリー

【会社概要】加藤軽金属工業株式会社

設立1961年
資本金6,050万円
所在地〒497-8533
 愛知県海部郡蟹江町西之森三丁目47番地
従業員数97名
事業内容アルミニウムの押出形材の製造及びその加工
アルミニウムを使用した製品の組立・販売
URLhttps://katokei.co.jp/

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