MIND KARATEが引き出す、「人間」の内なる力と可能性|335合同会社

武道、書道、華道。日本の歴史に重なり合う様々な「道」は、決して身体能力や芸術に秀でた一部の人たちの狭き道ではありません。本質は、それらに向き合う自分の内側への道であり、日本人の心の中にはそんな内省・探究の想いが根付いているのではないでしょうか。

中でも空手に注目し、プレイヤーとしても実績豊かな福田美み子様が立ち上げたのが、335合同会社、そして「MIND KARATE」という新しい「道」です。その先がどこに続いていくのか。現代社会と私たち人間の可能性について、ぜひ多くの方に触れていただきたいメッセージとなりました。

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温故知新のMIND KARATE

コントリ編集部
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本日は335合同会社代表の福田美み子さんにお話をうかがいます。

「335」という社名ですが、これはお名前の「みみこ」から取られているんですね。

そうです。私の誕生日は3月2日なんですが、会社の設立日は3月3日で、資本金も333,335円にしました。名前や日付にこだわっています。

「美み子」は本名で、父がつけてくれました。美しい想いで、美しい出会いの中で、美しい世界を創る、美しいと思う人生を生きるという意味の名前への思い入れもあり、自分の生き方に美学を持つことを大切にしたいと思っています。

コントリ編集部
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生き方にぴったり重なる、素敵なお名前です。福田さんは、高校卒業後に医療の専門学校に進み、一度中退されたとうかがいました。その後、心や体を壊した時期があったとも。当時のご様子を教えていただけますか。

20歳頃に、精神的な問題で入院していた経験があります。突然倒れるなど記憶が曖昧なことが増えてきて、自分でも異変を感じ、結果として病院に行かざるを得ない状況になりました。当時のことは、正直、覚えていないことも多いです。特に、日常の出来事は薬でコントロールされていたため、あまり記憶が残っていません。ただ、悲しい出来事などは強く記憶に残っています。投薬に頼って生活していましたが、逆に薬の影響で自分で自分をコントロールできないことに苦しんでいました。

そういった状況を本質的に打破できたのが、23歳で始めた極真空手です。

コントリ編集部
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人生が大きく変わった極真空手との出会い。誰かのご紹介で始めたのでしょうか。

いいえ。出会いは本当に偶然でした。私の人生の大きな転機は、意図せず訪れることが多いように感じています。空手は、ちょうど普通に生活ができるようになって、仕事も少しずつ安定し始めた頃に、何か新しいことを始めたいと思い、いくつかの習い事を候補に挙げた中のひとつでした。ちょうど知人から空手家との飲み会があると誘われ、行ってみて、気がつけば「明日から始めます」と踏み出していました。

コントリ編集部
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23歳から空手を始め、世界大会に出場するほど極められたのは驚きです。

そうですね。一般的に、空手を競技として始める人は、4~5歳から始めることが多いです。周りは小中高とスポーツエリートで育ってきた若い方ばかりの中、私は23歳。

結果として、私は「最年長」かつ「最短」で結果を出した人間の一人になったと思います。初めて試合に出た27歳から、日本の無差別級での優勝、世界大会で3位など、一気に結果を出しました。

その時期は空手にすべてを注ぎ込んでいました。当時、直接打撃制のフルコンタクト空手をやっていた女子の中で、世界一稽古をしていたと自負できるほどです。「空手・衣・食・住」みたいに、生活のすべてが空手中心でした。

コントリ編集部
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それほどまでに早く結果を出せたのは、なぜだと考えますか。

やはり、世界一を目指していたからだと思います。自分の生き方が一度大きく道を外れてしまった時期があったので、それを取り戻すためなのか必死に生きていました。だからこそ、当時の私は世界一になることで、自分の生きる証明をしたかったのかもしれません。いざトロフィーを取った瞬間は存外あっさりとしていましたが、私にとってはそこに至る道のりこそが重要でした。

コントリ編集部
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肉体・メンタル面の両方で相当な鍛錬が必要だったと思います。大人になってから空手を始めた福田さんが偉業を成し遂げたことは、多くの人に希望を与えたと思いますそのご経験が現在の事業に繋がってくると思うのですが、現在の事業内容について教えてください。

今は『MIND KARATE』を中心に事業をしています。これからさらに展開していきたいと思っています。

MIND KARATEは、私のこれまでの経験、特に空手で得た知識や思考プロセス、感覚をもとに、世の人々の心と体を整えるための方法を提案するものです。空手も含めすべての動作を司る「呼吸」を通じて、心身の安定やバランスを整え、人の本質的な力を引き出すことを目的としています。日本人がもともと持っている自然体の所作や姿勢、陰陽五行といった概念を活かしています。

また、MIND KARATEは「心身一如」の考えをベースにしています。この「心身一如」というのは、心(精神)と身体(肉体)は切り離すことができない、一体のものである、という考えなんですが、空手の動作に取り組むと、自分の中にあるものに気づきやすくなり、他人との境界線もしっかりと認識できるようになるんです。

コントリ編集部
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なるほど、非常に興味深いです。そういった気づきは、空手のどのようなメカニズムによって生まれるのでしょうか。

まずは自分自身を真っ白な状態にして、自分の感覚に向き合う時間を大切にすることが重要です。それだけで、人は整うことができます。いわゆるマインドフルネスの状態ですね。静かに瞑想するのは苦手という方も、呼吸や動きに合わせて行うことで、自分の中心に戻れる感覚が目覚めます。それが、自分の軸を感じる第一歩です。

そこから、体と心が繋がっていることを実感できるようになります。私自身の経験からも、こういった感覚に至る力・効果が空手にあると確信しています。その感覚を多くの人に届けたいという思いで、MIND KARATEを始めました。

コントリ編集部
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どういった方にサービスを届けていますか。

現在は、経営者の方などが多いですね。群馬から都内に出てきて新しい出会いが増える中、経営者の方々と接する機会も多くなりました。お話をする中で、悩んでいる方や心が揺れている方も多いことを知りました。そういう方々に、一度リセットする機会を提供したいと思いました。

人1人が変わると、その影響は250人に届くと言われています。特に影響力が大きい経営者の方々に良い変化をもたらすことができれば、その先の未来は当然明るくなります。

MIND KARATEを伝え始めてからまだ1年も経っていませんが、確実に手応えを感じています。

コントリ編集部
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私の周りでも実際に体験した方がおり、「すごく良かった」とおっしゃっていました。

嬉しいですね。ありがとうございます。そうやって、私の思いや経験が誰かに伝わり、それがさらに広がっていくのは本当にありがたいことです。今後は、学びやすく仕組み化した新たな形でお届けしていきます。

MIND KARATEの探究

コントリ編集部
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瞑想やヨガなどのアクティビティは様々ありますが、MIND KARATEとそれらとの違いはどのような部分でしょう。

日本人に適した空手道の動きがあることと、体と心の両方を整え鍛えることができること。それが大きな特徴です。

日本人には、はっきりとは形容できない「内観の力」が存在していて、それを引き出すことができます。たとえば空手の試合では、相手の動きそのものだけでなく、動こうとする意図や全体の流れを感じ取る、技術を超えた感性が重要になってきます。そういった部分をくみ取る感覚やセンスは普段の生活やビジネスにも活かせます。

コントリ編集部
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確かに、日常生活にそういった意識を持ち込めれば、様々な効果が期待できそうです。

はい。その稽古を繰り返すことで、自身や世界への理解がさらに深く得られるでしょう。座り方や立ち方ひとつ取っても、自分の軸がどこにあるかを意識することで身体への意識が変わりますし、そこからの動きにどんな影響があるかなど、すべては繋がっています。五感やそれ以上の感覚を通じて、自分の内側と外側を結びつけていくイメージですね。そして、呼吸をコントロールできるようになっていくことが、こういった意識や感覚の理解を深めてくれます。

武道には「点が線になり、線が円になる」という考え方があります。それがMIND KARATEにも反映されています。体と心を一体化させ、繋がりを感じることで、より高い境地に勝手に達することができてしまうんです。

コントリ編集部
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武道の精神性について、漠然としていた部分がご説明いただいて掴めてきました。次に、MIND KARATEで行われる呼吸法について教えてください。日常生活にどう活かすことができるのか、また、通常の呼吸法と何が違うのでしょうか。

MIND KARATEでは、人間が本来持っている呼吸の仕組みを自然に引き出すことを重視しています。形にこだわりすぎると、逆に本来の体の機能が発揮されないことがあります。

「生きることは息ること」とよくお伝えするのですが、自分の心と書いて息、呼吸にはその人の状態や状況や性格まで見事に現れます。それくらい重要な営みが呼吸なのです。

呼吸に集中するときは、まずは解剖学的な視点で体を理解しながらの実践を行います。一例ですが、肩甲骨を大きく動かしてから静かな呼吸に移行することで、自然と呼吸が深くなるのを感じられます。そして、自然界と繋がるような誘導によって、より体感に落とし込み、具体的なイメージと抽象的なイメージ、両面からアプローチをしていきます。

コントリ編集部
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参加者には、どのような変化や成長を期待されていますか。

私自身も経験してきましたが、迷いの中にいる時期や、自分の決断に不安があったり、結果を出さねばならないプレッシャーに潰れそうな時、利他より利己が圧倒的に大きい自分に情けなさを感じる時など、苦しいですよね。多くを抱えている人ほどその苦しみも大きいものです。選択肢が見えにくく、直感がまったく働かない状態に陥りやすいです。本当に自分にとって大切なものが何なのかが見えなくなってしまいます。

自分の軸が定まっておらず、自分が何を求めているのかも分からない、自分を信じられない状態になってしまいます。

そんな状態から抜け出し、変化し、変容していってもらうことが理想です。

まずは自分の体を通じて、その基盤を感じてもらいます。心はいつも状況で揺れ動きますが体は面白いほど嘘をつきません。

365日24時間生きている限り無意識に行っている呼吸が、私たちに大きな自己信頼をもたらすとしたら、どんなに心強いことかと思いませんか?

体の感覚を信じることが重要です。心の側から「大丈夫、大丈夫」と発信していても、カウンセリングをいくら受けても、なかなか抜け出せません。しかし、身体面からアプローチすると、意外と簡単に変化が訪れることが多いんです。

そうして1人の人が変わることで、その人の先の人生が変わっていく。それを私は大切にしたいです。目の前の1人が自分の土台と軸をしっかりと持ち、そこから広がる未来がギフトとして続いていくような、そんな世界を作っていきます。

コントリ編集部
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素敵なイメージです。自分の軸がないと、どうすべきなのか・どうしたいのかが分からなくなり、他人の基準で生きてしまうことがままあります。そんな状態から抜け出すための、最高のツールがMIND KARATEというわけですね。

まさにその通りです。

コントリ編集部
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自分軸を整えるプログラムの内容について教えてください。

まずは知っていただくために体験会を実施しています。その内容についてお話ししますね。基本的にはグループレッスンとパーソナルレッスンを提供してきており、都内のスタジオで行っています。

2025年からは既存の形に加え、より集中して学びきちんと体得していただくために、講座形式にしての展開が始まります。誰でもできる動きから始めるので、ぜひ気軽に一歩を踏み出してみてください。

座り方を変えるだけで姿勢が良くなることや、呼吸の順番を変えるだけで力が入ることなど、様々な気づきに触れてもらえます。決して空手の技を覚えることが目的ではなく、自分らしく生きるためのお手伝いができればと思っています。呼吸や空手がもたらす効果は本当に絶大なので、続ける中でかっこいい体を手に入れたいという目標も自然に叶っていくことも多いですが、まずは「誰にでもできてこんなに変わる!」そして「生きることに役立つ」という点をお伝えする重視しています。

コントリ編集部
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具体的には、どのような動作を行いますか。

パンチをする際の基本的な形や、足を上げて蹴ってみる動作など、様々です。動き方以上に意識の持ち方をお伝えします。誰にでもできる動きです。そこから、筋肉の使い方や体の感覚が驚くほど大きく変わることに気づいてもらいます。

シンプルな動作に全集中することで、雑念を忘れ、自分を見つめ直す時間が生まれます。

コントリ編集部
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体験した受講者の方々の様子について教えてください。

変化の現れ方は人それぞれですが、最初の変化としては、体の軸や姿勢が整うことで、自分の中心を感じやすくなります。重心が安定し、しっかりと地面を踏めるようになります。地に足がついた状態、ということですね。

そうして自分を修正し、コントロールする力がつくことで、生活にその学びを活かせるようになります。その状態を体験すると、不思議と自信が芽生えているようなマインド変化に気づけます。

初めて参加した方でも、次回参加していただくときにはもっと良い状態で戻ってきていただけるようにと思って指導しています。

1人の軸が、世界・未来へ波及する

コントリ編集部
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経営者の方がその先の方に伝えていくことで、どんどん自分軸が整う人が増えていくというお話がありました。福田さん自身が考えている、今後のビジョンを教えてください。

100年後の未来に、良いギフトを送りたいという思いが最近強くなっています。100年後の世界がどうなっているのかはわかりません。しかし、私たちはこれまでもずっと過去から受け継がれたもののおかげで、今に辿りついています。多くの世界を変えていくリーダーたちが、揺るぎない自己信頼の元に力強いメッセージと行動とで未来を拓く、その礎を支え担えるのが、MIND KARATEでありたいと思っています。

呼吸がベースですから、全世界共通なはずなんです。互いに感じ合って呼吸を合わせることができたら、世界は平和になるはずなんです。

コントリ編集部
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それぞれの可能性を認め合いながら進んでいく世界を作りたいですね。100年後には「MIND KARATE創立者・美み子」の歴史が語られているかもしれません。

それは笑える妄想ですね(笑)。

ゆくゆくは世界にも発信できたら楽しいでしょうね。今はまず、都内中心に形を作りたいと思っていますが、いずれはお寺や自然環境を活用した、さらに五感を磨きやすい場所でのリトリートなんかも想定しています。最近では企業研修に採り入れていただく事例も増えてきましたので、人の可能性を拓くための、私の可能性へのチャレンジも楽しんで進んでいきます。

コントリ編集部
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最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

MIND KARATEは自分を知り、自分を超えてゆくためのものです。そことも繋がりますが、私は「自分のポテンシャル舐めんなよ」というテーマを掲げています。私にも、自分に価値がないと思っていた時期がありました。そういう経験があるからこそ、この譲れない強い思いがあります。

人は変わることができます。変わるか変わらないか、自分で選択して今の現実を生きています。意識を持たないと日常に流されてしまう今、自分自身と向き合う時間があり、リセットする術を持っているということの価値に気づいてください。どんな状態の自分が目の前の仕事に取り組むのか、そこを大切にするだけでどれだけ劇的な変化に出会えるか。今、私たちに必要なことはやり方より「在り方」です。1日の過ごし方が変わり、言葉も変わり、業績も変わり、周りの人すらも変わります。

それぞれが自分の在り方を整えて、各々の色が集まって鮮やかな虹になっていく。そんな幸せな世界を描いて、繋がって共に生きていきましょう。

コントリ編集部
コントリ編集部

ありがとうございます。自分自身のポテンシャルを思い出させてくれる存在として、MIND KARATE、そして「335」の存在が多くの人に届くよう応援しています。その広がりの先の温かい世界を見に行けるよう、私もMIND KARATEにチャレンジして、心身を整えたいと思います!

コントリ編集部からひとこと

ギャラリー

プロフィール

335合同会社
代表
福田 美み子

医療系専門学校在学中に心身の不調により中退を余儀なくされ、数年間の入退院生活を経験。23歳で出会った極真空手に魅了され、以後約20年にわたり競技と指導に打ち込む。全日本空手道選手権優勝をはじめ、全世界空手道選手権第3位、カラテワールドカップ第3位など輝かしい成績を収める。2017年、古寺再生事業として「朱音(あかね)ヨガ」を主宰。自身の経験を活かし、ヨガインストラクター、フィジカルコンディショニングトレーナーとして「心身一如」の理念のもと、身体へのアプローチを通じたコーチングを展開している。自らの挫折と再生の体験を、他者の人生の転換につなげる活動を精力的に行っている。

会社概要

設立2023年3月3日
資本金33.5万円
所在地群馬県高崎市石原町1241-3
事業内容MIND KARATE
研修・人材育成
講演会

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