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商談は「売り込み」じゃない。ウェビナーで「買う気の人だけ」を集める、ENVYが実現した営業革命|5回連続失敗→完全BPOへ。中学生の夢が、中小企業の営業課題を解く事業になるまで

「買う気のある人だけが商談に来てくれたら、営業は怖くない」

「ウェビナーは認知拡大のツール」という業界の常識に、正面から異を唱える経営者がいます。株式会社ENVYの代表取締役、宮津 駿氏。登壇以外のすべて——企画・資料作成・集客・当日運営まで——を丸ごと代行する「セミナーBPO」を展開し、創業からわずか2年で200社以上の支援実績を積み上げてきました。

知名度がなくても「中身で選ばれる」状態を中小企業に届けたい。そのシンプルな信念は、失敗と挫折の連続を全身で経験してきた宮津氏だからこそ生まれたものでした。

「面白い働き方がある」——中学2年生のDVDが、すべての始まりだった

宮津氏の起業の原点を問うと、その答えは意外なほど早い時期へと遡ります。

「中学2年生のとき、父がうちでDVDを見ていたんですよ」

それは、株式会社オトバンク・上田会長の著書『ノマド出張仕事術』の出版記念セミナーを収録したDVDでした。「面白そうだなと思って、一緒に見たのがきっかけです」と、宮津氏は穏やかに振り返ります。

当時はまだ一般的ではなかった「ノマドワーカー」という言葉。カフェや新幹線の中でパソコン一台で仕事ができる——その自由な働き方に、中学生だった宮津氏は漠然とした憧れを覚えました。

父は会社員、母は公務員。「ちゃんとした大学に行って、大手に就職してほしい」という両親の期待は明確でした。弟はそのレールをきれいに歩みましたが、宮津氏には別の景色が見えていました。

「父は後から聞いたら、そのDVDを見ながら『一生縁がない働き方だな』と思っていたそうなんです(笑)」

表情を崩してそう話した後、宮津氏は少し間を置いてこう続けました。

「でも私はその日から、いつかああいう働き方をしたいと思い続けていたんですよね」

起業の原点は「ビジネスの知識」ではなく「働き方への憧れ」——そのシンプルな動機が、その後のすべての選択に一本の軸として貫かれています。

アフィリエイトで掴んだ「自分で稼ぐ」感覚と、広告停止が教えてくれた脆さ

高校時代は特に動きませんでしたが、理工学部に進学し、自由な時間が生まれたことで宮津氏は行動に移します。

「大学でアフィリエイトを知って、隙間時間でもできると思って始めました」

始めてみると、手応えはすぐに現れました。カテゴリーの中で上位表示を獲得し、広告主から直接掲載依頼が届くようにもなりました。「一つのサイトで月10〜20万円稼いでいた時期があったんです」と、宮津氏は当時を振り返ります。

理工学部という環境でエンジニアになる道もあった中、宮津氏はWebビジネスの世界に引き込まれていきました。「自分でお金を稼げる」という実感——その感触が、進む方向を決定づけました。

しかし、転機は突然訪れます。ある日、広告主が出稿を停止したのです。

「当時の自分には、その収入が一生続くものだと思えていたんですよね」

当時を懐かしむように話していた表情が、少し引き締まりました。

「だから突然なくなったとき、広告依存の怖さを痛感しました。そこから、自分でコントロールできる自社サービスを持たないといけないと思うようになりました」

大学生でまだ経験が浅かった宮津氏は、アフィリエイトを通じて培ったWeb運用や外注活用のノウハウをサービス化することを決意します。就職せずにそのまま起業するという選択に両親は反対しました。それでも「周りの新卒より稼げる、絶対いける」という若き自信が、宮津氏を前へ進めました。

営業代行に320万円、ウェビナーに120万円——失敗の連続が、事業の本質を教えた

しかし現実は甘くありませんでした。外注活用の研修サービスを立ち上げたものの、BtoB営業の壁がすぐに立ちはだかります。

「まずアポの取り方がわからなくて」

フォーム営業、テレアポ、ビジネスマッチングアプリ——手当たり次第に試しました。「マッチングアプリでアポは取れるんですが、結局情報交換で終わってしまって。サービスを説明しても『面白いですね』で終わっちゃう感じでしたね」と、苦笑いしながら振り返ります。

営業代行サービスも試みましたが、受注はゼロ。累計の支出は320万円以上に上りました。

次に出会ったのが「ウェビナー」という手法でした。あるイベントで知り合ったコンサル系の個人事業主から、リアルセミナーで共催経由の申し込みが10件入ったという話を聞き、「一回やってみよう」と踏み出します。ところがここでも失敗が続きました。

「5回連続でやって、累計100名以上には見ていただいたんですが、受注にはつながらなかった」

表情を曇らせながら、宮津氏はこう続けます。

「価値を提供すれば商談につながると思っていたんですが、全然そうならなかった」

外注活用のノウハウを教えるセミナーで、参加者が情報量に満足して「これだけでいいかな」という状態になってしまっていたのです。動線設計の失敗でした。ウェビナーへの投資額は120万円に達していました。

それでも諦めなかった理由を、宮津氏は少し笑いながら率直に語ります。

「本音で言うと、お金を使いすぎてあとに引けなかったんですよね(笑)。サンクスコストですね」

一呼吸おいて、こう付け加えました。

「あとは、フリーランスで食べていくなんて、経験もなしに簡単にはいかないよね、という覚悟は最初からしていたので」

上田会長が起業当初に出版社へ飛び込み営業し、ことごとく断られたという話を知っていたことも、心の支えになっていました。「あの方に比べたら、まだまだ大丈夫かな」と。回数を重ねるごとに動線設計を改善し、ついに「黄金パターン」を見つけた宮津氏は、その経験を事業の軸へと転換していきます。

「有効商談を増やす」——たった一つのゴールが、業界60社との違いを生んだ

国内に60社以上あるというウェビナー支援会社の中で、ENVYが際立つのは「有効商談の獲得」を最終ゴールに据えているという一点です。

「業界の多くは、ウェビナーを認知拡大の施策として捉えているんですよね」

力強い口調でそう切り出した宮津氏は、こう続けます。

「でも私たちは一貫して、営業支援の文脈でやっています。100人に見てもらうよりも、たとえ10人の参加でも全員が商談化につながるウェビナーを、という考え方です」

その言葉に迷いはありません。この発想の原点もまた、宮津氏自身の痛みにありました。

「最初に自分が新規開拓をしていたとき、『認知拡大』なんて言っていられなかった」

当時を思い出すように、宮津氏は少し声のトーンを落としました。

「1件でも受注が取れないと食べていけない、という状況でしたから。1人参加で1人受注でいい、という感覚でやっていましたね」

ENVYのサービスが実現する「完全BPO」——企画・資料作成・集客・開催・当日司会まで、登壇以外のすべてを代行する形——も、この原体験から生まれています。

「過去の自分が必要としていたサービスを全部賄って、登壇だけ自分でやればいい、という形を作ったのが完全BPOなんですよね」

そう語った後、少し照れくさそうに付け加えました。

「企画力やコンテンツ制作が自分の得意分野でもあったので、そこをベースにすると自然とこの形になったという面もあります」

さらに、知名度のない中小企業でも「中身で選ばれる」状態を作れることが、もう一つの強みです。ウェビナーの中でサービス内容・考え方・立ち位置をしっかり伝え、理解と信頼関係を事前に作ることで、「このサービスいいな」と思った人だけが商談に来る状態を設計します。買う気のある人とだけ商談できるから、売り込む必要がなくなる。そのシンプルな構造が、多くのクライアントを動かしています。

詰められた商談、タメ口の先輩経営者——壁から学んだ、経営者としての哲学

事業が軌道に乗ってきた一方で、宮津氏は経営者として様々な壁にもぶつかってきました。

創業期には、初対面でタメ口をきかれたり「宮津くん」と呼ばれたりした経験もあったといいます。

「それが反面教師になって、自分は年下の方でも必ず敬語で接したいと思うようになりました」

静かな、しかし確かな口調でそう語り、こう続けました。

「成果を出している経営者ほど横柄ではないんですよね。中途半端な人ほど横柄になりがちで」

数々の壁を越えてきた経営者としての芯の強さが、その言葉の端々に滲んでいました。

登壇さえすれば、あとは全部やる——ウェビナーの未来と、宮津駿が描く営業の姿

「営業を頑張っているのに報われない会社を減らしたい」

宮津氏が描くビジョンは、自社の成長にとどまりません。まだ知らない相手や温度感の低い見込み客と商談し続けることで、本来向き合うべき相手への時間が削られている——そんな状況を変えたいという想いが、事業の根底に流れています。

「商談する前に理解と信頼がある状態を作ってしまえば、商談は無理に売り込む場ではなくなる」

まっすぐ前を見つめながら、宮津氏は言葉を続けます。

「本当に必要な人だけが申し込んでくれる状態になる。それを再現できるようにして、営業を属人的なものではなく、誰でも同じように受注につなげられる状態を作っていきたいんです」

AIアバターによる登壇の自動化というアイデアも検討したことがあるといいますが、そこは一線を引きます。

「ウェビナーで大切なのは熱量だと思っています。話し方が多少下手でも、一生懸命伝えようとしている姿が人の心を動かす」

力強い口調でそう言い切った後、宮津氏はこう続けました。

「そこはAIで代替するより、人間が担う方がいいと感じています」

キックボクシングで鍛え、格闘技の試合を観に行き、ラウドロックのライブのために大阪へと足を運ぶ——人間の「熱量」を全身で信じている宮津氏の姿勢は、事業の設計にもそのまま反映されています。

コントリからのメッセージ

「失敗の経験がなければ、本当に必要なサービスは作れない」——取材を終えて、そう実感しました。

宮津氏が提供しているのは、ウェビナーという手段ではなく、「商談前に信頼を作る」という仕組みです。320万円を超える営業代行の失敗、5回連続のウェビナー失敗——それらすべてが、現在の事業の礎になっています。

痛みを知っている人間だけが、その痛みを解消するサービスを本気で設計できる。宮津氏の言葉や視点には、その深い説得力がありました。

「商談数が多いのに受注につながらない」「ウェビナーをやってみたけれど成果が出ない」——そう感じている経営者の方にこそ、ぜひ一度話を聞いてみてほしい。等身大で語る宮津氏の言葉の中に、自社の営業を変えるヒントが必ずあるはずです。

プロフィール

株式会社ENVY
代表取締役
宮津 駿(みやつ しゅん)

兵庫県出身。理工学部卒業。学生時代にアフィリエイトで起業し、外注マネジメント研修の開発・販売を経て、ウェビナー支援コンサルティングへ。2024年3月、株式会社ENVYを設立。登壇以外のすべてを代行する「セミナーBPO」を展開し、創業2年で200社以上の支援実績を持つ。趣味はキックボクシングと格闘技観戦、ラウドロックのライブ参戦。

ギャラリー

会社概要

設立2024年3月
資本金300万円
所在地兵庫県神戸市中央区磯辺通1-1-18 カサベラ国際プラザビル707
事業内容ウェビナー代行サービス「セミナーBPO」の開発・運営
HPhttps://e-nvy.jp/
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