
BtoBマーケ内製化の進め方|中小企業100社取材で見えた6ステップ
「マーケを内製化したいが、何から手をつければよいのか分からない」。社員数30〜100名規模のBtoB中小企業の経営者から、コントリ編集部に頻繁に届くご相談です。
代理店に丸投げした3年間で、社内に施策の前後関係を語れる人材がほぼ残っていない現実。コントリ編集部が中小企業経営者100名超に取材してきたなかで、何度も目にしてきた光景です。一方で18ヶ月かけて段階的に内製化を進めれば、自社の力で回せる組織が育っていくのではないでしょうか。
本記事は経営者インタビューを土台に、複数の参考情報を突き合わせた内容となっています。参照したのは中小企業庁『2023年版 中小企業白書』とBtoBマーケ実務家の発信動画です。3類型・典型的な3失敗・現実的な6ステップ・先に詰めておきたい5判断軸を実務目線で整理します。
コントリのテーマである「ご縁」を内製化の文脈で言い換えるなら、社内の人材が顧客の問いに向き合う関係そのもの。読みながら、ご自身の会社の発信体制に重ねていただけたら幸いです。
新規事業の立ち上げ、最初の一歩はメンバーとの対話から。
戦略立案から実行まで外部に委ねる形態。スピードは早いが、ノウハウは代理店側に蓄積されていく。
戦略は社内、実行の一部を代理店やフリーランスに分担する折衷型。中小企業に現実的な落とし所。
戦略から運用まで自社で握る体制。人材ハードルは高いが、判断の早さと一貫性が桁違い。
BtoBマーケティング内製化とは|代理店活用との違いを中小企業向けに整理
BtoBマーケティング内製化とは、自社の人材で回す体制づくりのひとつです。Webサイト運用・コンテンツ制作・リード獲得・営業連携までを社内で完結させます。代理店活用との違いは『学習効果の蓄積先』と『ノウハウの帰属』に集約される論点と言えるでしょう。
「代理店任せで3年が経ったが、社内に何が残ったのか分からない」というお声を、コントリ編集部によく頂戴します。ここを曖昧にしたまま動くと、5年後に取り返しのつかない選択になりがちではないでしょうか。
まずは3類型と他手法との違いを整理していきます。経営判断に直結する観点で押さえていきましょう。
| 比較軸 | 代理店活用 | ハイブリッド | 完全内製 |
|---|---|---|---|
| ノウハウ蓄積先 | ×代理店側 | △双方に分散 | ○自社に集約 |
| 初期コスト | △月額フィー | ○段階投資 | ×採用負担大 |
| 学習速度 | ○早い(外部知見) | ○外部知見を吸収 | ×独学で時間要 |
| 人材依存度 | ○低い | △中程度 | ×高い・属人化 |
| 戦略主導権 | ×外部依存 | ○社内で保持 | ○完全自社 |
BtoBマーケと内製化の違いは『代理店活用の主導権をどちらが握るか』
BtoBマーケティングを進める手法は、代理店主導・社内主導・併用主導の3類型に分かれます。
代理店主導とは、戦略立案から施策実行まで外部に委ねる形態のひとつです。月額数十万から数百万円規模のフィーで運用してもらうケースが多いでしょう。スピード感は早い一方で、ノウハウは代理店側に蓄積されていきます。
社内主導とは、戦略と意思決定を自社で持ち、実行も社内人材で回す形態を指します。立ち上げには時間がかかる一方で、学習効果が自社に残るのが最大の強みです。3年経った時点での組織の地力がまったく違ってきます。
併用主導とは、戦略は社内、実行の一部を代理店やフリーランスへ分担する折衷型ですね。中小企業にもっとも現実的な落とし所と感じる場面が多いといえます。
BtoBマーケ研究所のYouTube動画では、組織設計の前提論点が整理されています。タイトルは『人×AIの共創へ AIエージェント時代のBtoBマーケティング組織設計論』です(出典: https://www.youtube.com/watch?v=r1lWdmziYr0 )。
コントリ編集部の取材実感では、社員数30〜50名規模では併用主導が中心と感じます。50名超になると景色が変わるのではないでしょうか。戦略レイヤーの内製化が、経営判断の質に直結する論点となるのです。
部分内製と完全内製の違いは『戦略レイヤーまで自社で持つかどうか』
部分内製と完全内製を分ける最大の境目は、戦略レイヤーの帰属といえます。
部分内製は、運用作業を社内に取り込みつつ戦略設計は代理店やコンサルに任せる形が一般的でしょう。完全内製は戦略から運用まで自社で握る体制を指します。後者は人材確保のハードルが高い反面、判断の早さと一貫性が桁違いと言えるでしょう。
中小企業の現場感としては、完全内製を初日から目指すと頓挫しやすい肌感がうかがえます。多くの経営者の方が、部分内製から始めて12〜18ヶ月かけて完全内製へ移行される流れですね。
Mtame株式会社の動画『BtoB企業のデジタルマーケティング成功法』も参考になります。戦略と運用の役割分担が整理されているのです(出典: https://www.youtube.com/watch?v=OixRL3GnTeo )。
私自身、編集者として5年以上、経営者の方々のお話を伺ってきました。社員数42名の機械商社の社長から、印象的なお話を伺ったことがあります。「最初の半年は代理店に戦略を委ねたが、ご自身でKPIを語れない居心地の悪さに気づかれた」と振り返ってくださったのです。戦略レイヤーを自社で握れるかどうかが、3年後の組織力を分ける分水嶺ではないでしょうか。
営業組織との関係を再定義することが内製化の入口になる
BtoBマーケ内製化の入口は、ツール選定でも採用でもなく、営業組織との関係再定義から始まります。
なぜなら、BtoBマーケの成果指標は最終的に営業の受注に紐づくからです。両者の連携設計なしに内製化は機能しません。代理店主導の時代は、マーケと営業の橋渡しを外部が担っていたケースも多かったでしょう。内製化に踏み出した瞬間、この橋渡し役を社内で誰が持つかが問われます。経営者ご自身が初期は橋渡し役を引き受ける会社が、コントリの取材では成功率が高くなっているのです。
コントリ編集部が取材した社員数55名のIT企業の社長から、印象的なお話を伺いました。「マーケ内製化の前に、営業会議へマーケ担当者を毎週同席させる運用を半年続けた」とのこと。「営業の生の声を吸収する場が、内製化の土壌になった」と振り返ってくださいました。
明日からの一手として、営業会議にマーケ担当を同席させる仕組みを今週から試していただけたらと思います。小さな同席設計が、内製化の地盤づくりとなっていくはずです。コントリの経営者インタビューでも、営業とマーケの一体運営に踏み込まれた経営者の実例を多数紹介しています。
中小企業が内製化で躓く3つの典型パターン
コントリ編集部が100名超の中小企業経営者に取材してきたなかで、共通の構造が見えてきました。多くは「人を採るところから始めた」判断が、半年後に組織機能不全として表面化しているのです。
BtoBマーケ研究所の動画でも、組織設計の落とし穴が整理されています。タイトルは『人×AIの共創へ AIエージェント時代のBtoBマーケティング組織設計論』です(出典: https://www.youtube.com/watch?v=r1lWdmziYr0 )。Mtame株式会社『BtoB企業のデジタルマーケティング成功法』でも、運用定着の失敗パターンが解説されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=OixRL3GnTeo )。
頓挫理由のトップ3は属人化・ツール先行・営業連携の不備。耳の痛い現実だと感じる方も多いのではないでしょうか。
マーケ担当者を1名中途採用し、戦略・実行・分析を全部任せる「お任せ運用」になっている。
担当者は施策を回すだけで精一杯になり、改善サイクル停止。ノウハウは個人の頭の中だけに蓄積。1〜1.5年で離職へ。
採用前に経営者ご自身が並走者として関わる体制を設計。週1回30分の前後関係整理の場で属人化を緩和する。
MAやSFAを先に導入。コンテンツ・シナリオ・顧客データの3要素が揃わぬまま月額費用だけが発生。
配信素材が枯渇し運用停止。3ヶ月で解約か放置の二択を迫られ、高額な箱が社内に残る。
ツール導入はステップ4以降に位置づけ。コンテンツが月次で安定供給できる体制ができてから本格導入する。
マーケと営業が別部門で走り、リード品質基準・SLA・引き渡し書式が文書化されていない。
獲得リードの半数以上が営業の受信箱で2週間以上放置。両部門が責任の押し付け合いに陥る。
内製化の初日からマーケ・営業の共同月次レビューを設計。SLAと引き渡し書式を握り合う。
パターン1 マーケ担当者をひとり採用して『全部任せた』結果、属人化と離職を招く
最も多いのが、マーケ担当者をひとり中途採用して全部任せてしまうパターンと言えるでしょう。「マーケが分かる人を採用したので、お任せします」とスタートした会社の多くが、半年後に同じ壁にぶつかるのです。ひとり担当者は戦略・実行・分析を全部抱え、社内に並走者がいない孤立状態に陥っていく、というお声をよく伺います。
孤立した担当者は、施策を回すだけで精一杯になってしまいます。改善のサイクルは止まり、ノウハウは担当者の頭の中にだけ蓄積されていくのです。1年〜1年半で離職、というのが頓挫の典型シナリオではないでしょうか。BtoBマーケ研究所の前掲動画でも、ひとり担当者体制の脆弱性に触れられています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=r1lWdmziYr0 )。
コントリ編集部が取材した社員数38名のサービス業の社長から、「マーケ専任を1名採用して任せたが、1年で退職された。引き継ぎ資料が断片的で、振り出しに戻ってしまった」と振り返るお話を伺いました。
打ち手は、担当者を採用する前に経営者ご自身が並走者として関わる体制設計です。週1回30分でも、経営者が施策の前後関係を一緒に整理する場を持つだけで属人化は大きく緩和されていくはずです。
パターン2 ツールを先に導入したものの活用設計が無く高額な箱だけが残る
2つめは、ツールを先に導入してしまうパターンです。「マーケティングオートメーション(MA)を入れれば回ると思った」というお声を、取材で繰り返し伺ってきました。MAツールとは、見込み客の行動を自動追跡し、メール配信やスコアリングを自動化する仕組みのひとつです。月額数万円から数十万円規模の費用が発生します。
MAの活用には、コンテンツ・シナリオ・顧客データの3つが揃っている必要があります。3つのいずれかが欠けると、MAは単なる高額な箱として社内に残るだけになりかねません。半年後に解約か放置の二択を迫られる、というのが現場の実感ではないでしょうか。Mtame株式会社『BtoB企業のデジタルマーケティング成功法』でも、ツール先行の罠が解説されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=OixRL3GnTeo )。
コントリ編集部が取材した社員数48名の製造業の社長から、印象的なお話を伺いました。「年間契約でMAを導入したが、配信するメール素材が枯渇し3ヶ月で運用が止まった」と振り返ってくださったのです。打ち手は、ツール導入をステップ4以降に位置づけること。コンテンツが月次で安定供給できるようになってから、MAやSFAの本格導入を検討していただけたらと思います。
パターン3 営業との連携設計を後回しにしてリードが営業現場で滞留する
3つめは、営業との連携設計を後回しにしてしまうパターンです。マーケがリードを獲得しても、営業現場でフォローが止まれば商談化しません。コントリ取材では「マーケ獲得リードの半数以上が、営業の受信箱で2週間以上放置されていた」という事例も伺いました。
連携設計が後回しになる背景には、マーケと営業が別部門として走っている組織が多い現実があります。リード品質の評価基準・フォロータイミングのSLA・引き渡し書式の3点が要となるでしょう。文書化されていないと、両部門は責任の押し付け合いに陥りがちです。BtoBマーケ研究所の前掲動画でも、マーケと営業の連携が組織設計の中核として整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=r1lWdmziYr0 )。
コントリ編集部の取材実感では、内製化に成功した会社には共通点があるのです。マーケと営業の共同月次レビューを最初から運用していたことが挙げられます。打ち手は、内製化の初日から営業との合意形成プロセスを設計すること。後付けでは、両部門の信頼関係の修復に何倍もの労力がかかってしまいます。
ひとり担当者が戦略・実行・分析を抱え込み、社内に並走者がいない。ノウハウが個人の頭の中にだけ蓄積。
経営者ご自身が週1回30分の並走者になる。施策の前後関係を一緒に整理する場を持つ。
MAやSFAを先に契約。コンテンツ・シナリオ・顧客データの3要素のいずれかが欠けたまま運用開始。
ツール導入はステップ4以降。CRMから入れ、コンテンツが回り始めてからMA・SFAを検討する。
マーケと営業が別部門で走り、リード品質基準・フォローSLA・引き渡し書式が文書化されていない。
内製化の初日から共同月次レビューを設計。3要件を握り合い、改善ループを両部門で回す。
BtoBマーケ内製化の進め方 6ステップ|中小企業が18ヶ月で形にするロードマップ
本記事の中核となるロードマップです。経営者インタビューとBtoBマーケ実務家の発信を突き合わせて、中小企業が現実的に踏める6ステップを時系列で整理しました。各ステップに「所要期間」「関わる役割」「陥りやすい罠」を併記していきます。
参照したのはビジネス マーケティング本要約と解説chの動画です。『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』で、戦略設計から実行までの構造が整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=KD-lZ0RULIs )。Mtame株式会社『BtoB企業のデジタルマーケティング成功法』(出典: https://www.youtube.com/watch?v=OixRL3GnTeo )も土台のひとつです。中小企業庁『2023年版 中小企業白書』のDX推進ステップ(出典: https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2023/ )とも整合させました。
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1現状把握|既存リード/案件/取引先のフロー棚卸し1〜2ヶ月
- 経営者
- 営業責任者
- マーケ担当候補
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2ペルソナと購買プロセスの言語化1〜2ヶ月
- マーケ担当
- 営業責任者
- 既存顧客5〜10社
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3KPI設計とツール選定(CRMから着手)1ヶ月
- 経営者
- マーケ担当
- ツールベンダー
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4コンテンツ制作体制の構築(記事/事例/WP)3〜6ヶ月
- マーケ担当
- 外部ライター
- 事例提供顧客
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5営業との連携プロセス設計(SLA・引き渡し基準)2〜3ヶ月
- 経営者
- 営業責任者
- マーケ担当
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6改善ループの定着(月次レビュー・四半期戦略見直し)継続
- 経営者
- マーケ担当
- 営業責任者
ステップ1 現状把握|既存リード/案件/取引先からのフロー棚卸し(1〜2ヶ月)
最初のステップは、既存リードと案件、取引先からのフローを棚卸しする作業です。1〜2ヶ月を目安に進めていきましょう。棚卸し対象は4領域あります。既存リードの取得経路・案件化までの平均日数・受注金額の取引先別分布・流入経路のチャネル比率の4つです。直近12ヶ月分のデータを集めるところから始めるとよいでしょう。
ここで多くの中小企業が直面するのが「データが散在していて集められない」という現実です。営業担当者の頭の中・エクセル・紙の名刺ファイルへと分散しているケースが少なくありません。完璧を求めず、つかめる範囲で全体像を可視化していただきたいフェーズですね。
関わる役割は、経営者・営業責任者・将来のマーケ担当候補の3者となります。陥りがちな罠は、棚卸しを誰かひとりに丸投げしてしまうこと。3者が同じ画面を見ながら言語化する場が、内製化の土壌となっていくのではないでしょうか。中小企業庁の2023年版 中小企業白書でも、DX推進の第一歩として現状可視化が強調されています。
ステップ2 ペルソナと購買プロセスの言語化(1〜2ヶ月)
棚卸しが終わったら、ペルソナと購買プロセスの言語化に進みます。1〜2ヶ月を目安にしたいフェーズです。ペルソナとは、自社の理想顧客を一人の人物像として描いた仮想プロフィールを指します。所属業界・社員規模・役職・抱える課題・購買決裁プロセスなどを言語化していきましょう。BtoBの場合、決裁関与者が複数いるためペルソナも2〜3人セットで描くのが現実的です。
購買プロセスは、ペルソナが自社サービスを認知してから契約に至るまでの行程を時系列で整理します。情報収集・比較検討・社内稟議・契約締結、というBtoB特有の長期プロセスを意識していただきたいテーマです。
ビジネス マーケティング本要約と解説ch『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』も参考になるはずです。ペルソナ設計の観点が整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=KD-lZ0RULIs )。
陥りがちな罠は、想像だけでペルソナを描いてしまうこと。既存顧客5〜10社にインタビューして肌感を吸収していただけたらと思います。コントリのインタビューアーカイブも、ペルソナ言語化の参考事例として活用していただけます。
ステップ3 KPI設計とツール選定(リードソース別CV/SQL転換率)(1ヶ月)
ペルソナと購買プロセスが固まったら、KPI設計とツール選定のフェーズに入ります。1ヶ月を目安に集中して進めていきましょう。
KPIとは、Key Performance Indicatorの略称です。事業目標の達成度を測る指標を指します。BtoBマーケの場合、4階層で設計するのが王道ではないでしょうか。リードソース別のCV率(コンバージョン率)、MQLからSQLへの転換率、商談化率、受注率の4つです。
MQLとはマーケが「商談化に進める」と判断したリード、SQLとは営業が「商談として受け入れる」と判断したリードを指します。MQLからSQLへの転換率が低い場合は、両者の判断基準にズレがある証拠といえます。
ツール選定はCRMから入れるのが現実的な順序です。CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、顧客情報を一元管理する仕組みを指します。MAやSFAは、CRMが定着した後で検討していただきたいテーマですね。陥りがちな罠は、KPIを細かく設計しすぎて運用が回らないこと。最初はシンプルな設計から始めていきましょう。
ステップ4 コンテンツ制作体制の構築(記事/事例/ホワイトペーパー)(3〜6ヶ月)
KPIとツールが整ったら、コンテンツ制作体制の構築に進みます。3〜6ヶ月を目安にしたい長期フェーズです。
制作対象は3種類あります。SEO記事・導入事例・ホワイトペーパーの3つです。SEO記事は新規リードの入口、導入事例は比較検討段階の決め手、ホワイトペーパーは社内稟議の援護射撃、と役割が異なります。
制作体制では、企画とディレクションは社内、執筆は外部、という分担が中小企業に回りやすい構造と言えるでしょう。社内に最低1名、企画を語れるオーナーがいることが要となります。ビジネス マーケティング本要約と解説chの前掲動画でも、コンテンツの種類別役割が整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=KD-lZ0RULIs )。
コントリ編集部の取材実感を共有しますね。月2本以上のSEO記事と月1本の導入事例を継続できた会社が、6ヶ月後にリード数の伸びを体感されていました。陥りがちな罠は、量だけ追って3種類のバランスが崩れること。同時並行を意識していただけたらと思います。
ステップ5 営業との連携プロセス設計(SLA・引き渡し基準)(2〜3ヶ月)
コンテンツが回り始めたら、営業との連携プロセスを正式に設計します。2〜3ヶ月を目安にしましょう。
設計対象は3点あります。リード品質の評価基準・引き渡しSLA・営業からのフィードバック書式の3つです。SLAとはService Level Agreementの略で、サービス提供の品質と期限を約束する取り決めを指します。
リード品質の評価基準では、業界・社員規模・役職・問い合わせ内容で4段階のスコアを設計するケースが多いです。スコア3以上のリードは24時間以内に営業が一次接触する、というSLAを文書化してみてはいかがでしょうか。
営業からのフィードバック書式では、商談化に至らなかった理由・受注に至った要因をマーケへ戻す仕組みを作ります。この往復がない内製化は、改善のサイクルが回りません。陥りがちな罠は、営業の現場感を聞かずにマーケ側だけで基準を作ってしまうこと。営業責任者と数回の対話を経て、両部門が握り合える基準にしていただきたい論点ですね。
ここまで読んで「自社のケースではどう設計すべきか」と感じていただいた経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。コントリ編集部の経営者ネットワークも壁打ち相手として活用していただけます。
想いを言葉に、
言葉を行動に。経営者の選択を支援します。
中小企業経営者の意思決定を100名超の取材で深掘り。あなたの新規事業判断のヒントを、ご縁ある経営者の言葉からお届けします。
ステップ6 改善ループの定着(月次レビュー・四半期戦略見直し)(継続)
最終ステップは、改善ループの定着です。内製化完成後も継続して見直しが必要なテーマとなります。定着させたい運用は2つ。月次レビューと四半期戦略見直しの2つです。月次レビューは、KPIの進捗・コンテンツ別の反応・営業からのフィードバックの3観点で振り返ります。1時間の場を毎月固定で確保していきましょう。
四半期戦略見直しでは、ペルソナや購買プロセスの修正、コンテンツテーマの再優先化、ツールの追加・廃止判断を扱います。経営者ご自身が同席して、戦略レイヤーの意思決定を下していただきたい場ですね。Mtame株式会社『BtoB企業のデジタルマーケティング成功法』も合わせて参照しました。改善ループの定着が成功と失敗を分ける論点として強調されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=OixRL3GnTeo )。
コントリ編集部の取材実感では、月次レビューを6ヶ月連続で実施できた会社ほど、内製化が組織文化として定着していました。陥りがちな罠は、レビューを「報告会」にしてしまうこと。改善アクションを1つ決めて散会する運用が、ループを回す秘訣ではないでしょうか。
明日からの一手として、6ステップのうち現時点で着手できていないステップを1つだけ書き出していただけたら幸いです。
BtoBマーケ内製化で経営者が先に詰めておきたい5つの判断軸
ステップを踏み始める前に、経営者ご自身に答えていただきたい問いがあります。投資回収期間・人材育成方針・代理店との役割分担・社内合意形成・撤退判断、この5つです。
コントリ編集部が取材した経営者の方々の「内製化してから気づいた」を逆算してまとめました。テキスパートTV『導入事例で訴求すべきポイント』も参照しているのが本記事の特徴のひとつ。施策設計の前提となる判断軸が整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=F6Rl5-C5c2c )。同チャンネル『SaaS系の企業こそ導入事例を作るべき理由』もご紹介したい動画です。コンテンツ投資の優先順位が論じられているのです(出典: https://www.youtube.com/watch?v=20Fizz_DA1g )。一緒に考えていきましょう。
12〜18ヶ月で初期投資を回収する設計を経営者が先に握る
即戦力採用か社内転換か。ハイブリッド型も有力
伴走型から入り3〜6ヶ月で完全切り離しへ段階移行
経営層→営業責任者→営業メンバー→全社の順で握る
18ヶ月時点のMQL目標未達等、数字で握って迷いを減らす
準備
根幹
軸1 マーケ投資の回収期間を何ヶ月で見ているか
マーケ投資の回収期間は、経営者ご自身が先に数字で握っていただきたい論点です。BtoBマーケは、施策を打ってから受注に至るまでのリードタイムが半年から1年に及ぶことが珍しくありません。中小企業の現場感としては、12〜18ヶ月で初期投資を回収する設計が現実解ではないでしょうか。テキスパートTV『SaaS系の企業こそ導入事例を作るべき理由』も参考になります。コンテンツ投資が成果に結びつく時間軸が解説されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=20Fizz_DA1g )。
コントリ編集部が取材した社員数45名のIT企業の社長から、「最初は3ヶ月で結果を求めて焦りで判断が荒れた。回収期間を18ヶ月に設定し直してから、施策の検証粒度が落ち着いた」と振り返ってくださったお話を伺いました。
軸2 マーケ人材を採用するのか、既存社員を育てるのか
マーケ人材の確保方針は、採用するか既存社員を育てるかの二者択一の論点です。採用ルートは即戦力性が高い反面、業界知識のキャッチアップに半年以上かかるケースが多いでしょう。既存社員育成ルートは業界知識は揃っている反面、マーケのスキルセットを身につけるまで1年から1年半を要します。
中小企業の現実感としては、営業出身者の社内転換が成功事例として頻繁に伺います。顧客の声を直接知っている人材が、マーケの戦略レイヤーに移る効果は大きいでしょう。組織の馬力が桁違いになる、というのが取材で何度も感じてきた肌感ですね。採用と育成のハイブリッド型も有力で、属人化リスクを下げられます。経営者ご自身が、どちらの方針で何ヶ月かけるかを先に決めていただけたらと思います。
軸3 代理店との役割分担を完全切り離しにするのか伴走型にするのか
代理店との関係は、完全切り離し型か伴走型かを先に決めておきたい論点といえます。完全切り離し型は、内製化と同時に代理店契約を終了する形ですね。コストは抑えられる反面、知見の継承リスクと初期の運用不安定が課題となります。伴走型は、戦略レビューや特定領域だけ代理店に残し、実行は社内に取り込む形です。中小企業の現実感としては、伴走型から入って3〜6ヶ月で完全切り離しへ移行する段階的設計が現実的ではないでしょうか。
テキスパートTV『導入事例で訴求すべきポイント』も参照しました。外部リソースを使うべき領域と内製化すべき領域の切り分け視点が整理されているのです(出典: https://www.youtube.com/watch?v=F6Rl5-C5c2c )。コントリ編集部が取材した社員数62名の卸売業の社長から、印象的なお話を伺いました。「最初の6ヶ月は代理店に戦略レビューだけ残し、実行は社内へ移した。半年後の節目で完全切り離しに移行できた」と振り返ってくださったのです。
軸4 営業と経営層の合意形成をいつ・どの順で取るのか
合意形成の順序は、内製化の社内外への伝わり方を左右する論点ですね。順序を誤ると、本来であれば味方になってくれるはずの方々が、警戒や反発に回るケースもあります。
推奨順序は4段階です。経営層→営業責任者→営業メンバー→全社の流れになります。経営層には投資回収期間と撤退条件をセットで提示しましょう。営業責任者には連携プロセスとSLAの初期案を見せて、現場感のフィードバックを吸収していきます。
営業メンバーへの説明では、マーケがリードを供給する仕組みであることを強調していただきたいテーマです。マーケを「営業の仕事を奪う部門」と誤解されると、連携が一気に冷え込みます。順序設計は、マーケ担当者を守るための経営者の最後の仕事として位置づけていただけたらと思います。
軸5 内製化を継続する条件と撤退する条件を事前に決めているか
撤退条件を事前に決めておくことは、経営者として持っていただきたい覚悟の論点といえます。「やってみてダメなら戻せばよい」という曖昧な姿勢では、半年〜1年の継続判断が情緒に流されがちです。事前に撤退条件を数字で握っておくと、判断の場面で迷いが減っていきます。
撤退条件の例としては、2要件の組み合わせが現実的ではないでしょうか。18ヶ月時点でMQLが目標の50%未満かつ営業からの満足度評価が一定水準を下回る、というケースです。継続条件もセットで決めていただきたいテーマと言えます。18ヶ月時点で受注貢献額が初期投資を超え、社内に語れるマーケ担当が2名以上育っている、というような前向きな到達条件ですね。
コントリ編集部の取材実感では、撤退条件を契約締結時に紙に書き込んだ会社ほど、運用期間中の意思決定が落ち着いていました。経営者の覚悟が、組織の地盤を支えていく構図ですね。
明日からの一手として、5軸のうち言語化できていない軸を1つメモに書き出していただきたいです。1軸の言語化が、内製化準備の質を変える小さな起点になっていきます。
BtoBマーケ内製化を支える社外パートナーと社内体制
中小企業が完全自走するのは現実的ではなく、社外パートナーの使い分けが要となります。どのフェーズで・どの粒度で活用するかが論点です。ツールベンダー・伴走型代理店・フリーランス・専門家コミュニティの4種類が登場します。それぞれの役割と中小企業に合う使い分けを整理していきましょう。
テキスパートTV『導入事例記事の正しい外注ステップ』も参照しました。外注プロセスの実務感が整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=tvfEH5XaDh4 )。同チャンネル『導入事例記事はどれくらい大事?コンテンツの制作優先順位』も合わせて参考になります。社外活用の優先順位が論じられているのです(出典: https://www.youtube.com/watch?v=D–eQCmAWfs )。
同業経営者の壁打ちで棚卸し精度を高める。
外部視点で盲点を発見。業界ベンチマーク取得。
CRM初期設定と定着支援パッケージを併用。
記事・LP・広告運用の短期完結タスクを外部活用。
SLA・引き渡し基準を第三者目線でレビュー。
月次レビューを社内化、年次で外部視点を入れる。
ツールベンダーには『定着支援パッケージ』を併せて契約する
ツールベンダーは、CRMやMA、SFAなどのツール導入時のパートナーとなります。
依頼する核業務は2つあります。ツールの初期設定支援と社内定着支援です。多くのベンダーが定着支援パッケージを別売りで提供しており、月数万円から数十万円規模が相場ですね。
ツールだけ契約して活用支援を社内任せにすると、3ヶ月後にはツールが放置される場面を、コントリ取材で繰り返し伺ってきました。初期半年は定着支援を併用する判断が、結果的にコスト効率を高めるケースが多いといえます。
ベンダー選定では、自社の業界での導入実績を事前にご確認いただきたいテーマです。私自身、編集者として複数の経営者の方から「定着支援を渋ったことを後悔した」というお声を伺ってきました。初期投資のなかに定着支援を組み込んでいただけたらと思う論点ですね。
伴走型代理店には『戦略レビュー』を任せ実行は社内に残す
伴走型代理店は、内製化の移行期に頼りになるパートナーとなります。完全代理ではなく、戦略レビューと月次の壁打ち相手として活用するのが現実的ではないでしょうか。月額数十万円規模で、戦略レビューと施策アドバイスをパッケージ化している代理店が増えてきました。
伴走型代理店を活用するメリットは2つあります。外部視点での盲点発見と業界ベンチマーク情報の取得です。社内だけで考えていると気づきにくい論点を、第三者の目で指摘してもらえる価値は大きいといえます。陥りがちな罠は、伴走型と言いながら実行も任せてしまうこと。実行を社内に残さないと、ノウハウは代理店側に蓄積され続け、内製化が3年経っても完成しません。
コントリ編集部が取材した社員数52名の機械商社の社長から、「伴走型代理店と契約し戦略レビューを月1回お願いした。実行は社内に残したため、1年後には代理店契約を縮小できた」と振り返るお話を伺いました。
フリーランス活用は『記事制作』『運用代行』など短期完結タスクが相性良い
フリーランス活用は、短期完結のタスクと相性が良い社外リソースといえます。
相性が良いタスクは3つあります。記事制作・広告運用代行・LP制作の3つです。これらは成果物が明確で、納期管理がしやすい性質を持つため、フリーランスとの相性が高い領域となります。
逆に相性が悪いのは、戦略設計や組織横断の調整業務です。フリーランスは契約範囲外の領域に踏み込みにくい性質があります。ステップ2のペルソナ言語化やステップ5の営業連携設計を委ねるのは避けたほうがよいでしょう。
テキスパートTV『導入事例記事の正しい外注ステップ』も合わせて参考になります。外注タスクの設計手順が整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=tvfEH5XaDh4 )。
コントリ編集部の取材実感では、成功している会社には共通点が見えてきました。社内に企画ディレクション役がいることが要だったのです。企画は社内、執筆はフリーランス、という分担が中小企業の現実解ではないでしょうか。費用感はSEO記事1本あたり3万円から10万円規模が相場です。
社内に最低1名の『マーケオーナー』を経営者の隣に置く
社外パートナーの活用と同時に、社内に最低1名のマーケオーナーを経営者の隣に置く設計が不可欠です。
マーケオーナーの役割は3つあります。施策の全体俯瞰・社外パートナーとの調整・経営者への定期報告の3つです。技能スキルよりも、施策の前後関係を語れる思考力が問われるポジションといえます。
マーケオーナーは、専任である必要までは求めない設計が現実的です。社員数50名以下の中小企業では、営業マネージャーや経営企画担当が兼務するケースも多く伺います。重要なのは、経営者の隣で意思決定の場に同席できる立場であることですね。テキスパートTV『導入事例記事はどれくらい大事?コンテンツの制作優先順位』も合わせて参照しました。社内オーナーの存在が成果を左右する論点として整理されています(出典: https://www.youtube.com/watch?v=D–eQCmAWfs )。
コントリ編集部の取材実感では、マーケオーナーを経営者の隣に置けた会社ほど、社外パートナーの活用効率が高くなっていました。
明日からの一手として、4つの社外パートナーのうち現時点で連絡を取れていない先を1つだけ書き出していただきたいです。最初の連絡が、内製化を支えるネットワーク構築の第一歩となっていきます。
初期設定と社内定着の支援パッケージをセット契約。ツールだけ契約は3ヶ月で放置のリスク。
外部視点での盲点発見と業界ベンチマーク取得。実行を任せるとノウハウが代理店側に残り続ける。
成果物が明確で納期管理しやすい領域に。戦略設計や組織横断調整は委ねないのが原則。
同業経営者の知見を借りて棚卸し精度を上げる。年次の改善ループにも外部視点として有効。
BtoBマーケ内製化 中小企業の実務でよくある質問
経営者の方々から多くいただく5つの質問にお答えします。担当者の経歴・代理店切替のタイミング・ツール選定・コンテンツ量の目安・営業連携の難所、この5テーマです。ご自社の判断材料として参考にしてください。
Q1 中途採用するBtoBマーケ担当者に求めるべき経歴は何ですか
施策の数より『施策間の前後関係を語れる経験』を持つ方を優先するのが現実的です。中小企業では特定領域の深さよりも『一人で全体を回した経験』が貴重な戦力になります。面接では「直近の施策で、なぜそのKPIを設定したか」を深く聞くと、内製化オーナーになりきれる候補かが見えやすくなります。
Q2 いつ代理店から内製化に切り替えるべきですか
代理店経由のリードの2件に1件以上が自社の問いから生まれたと言えるようになったタイミングが目安です。完全切り替えではなく、戦略レビューだけ代理店に残し実行は内製化する伴走型移行が現実的。3〜6ヶ月かけて段階的に内製化の割合を上げていく設計が成功率の高いパターンとして取材で頻繁に伺います。
Q3 MAツールは内製化フェーズで導入すべきですか
MAツールはステップ4以降、コンテンツが月次で安定供給できる体制になってから検討するのが現実的です。コンテンツが少ない状態で高機能なMAを契約すると、シナリオを組む素材が無いまま月額費用だけが発生してしまいます。まずはCRMでリード情報を一元管理する仕組みから整え、導入時はベンダーの定着支援パッケージを併用してください。
Q4 月にどれくらいのコンテンツ量が必要ですか
社員数30〜100名規模の中小企業の場合、月2〜4本のSEO記事と月1本の導入事例が目安です。量よりも『3つの購買検討段階それぞれに刺さるコンテンツが揃っているか』が重要。SEO記事・導入事例・ホワイトペーパーを年間で2:1:1程度のバランスで設計する流れが現実的で、最初の3ヶ月は量より企画の深さを優先する判断が後々の運用安定につながります。
Q5 マーケと営業が険悪になった場合の調整方法はありますか
経営者ご自身が間に入る場面が出てまいります。実務上は『リード品質の評価基準』と『フォロータイミングのSLA』を文書化し、両部門の合意を取り直すのが起点です。月次でマーケと営業の共同レビュー会を1時間設けて関係性が改善した事例も多く、お互いの言い分を経営者の前で言語化する場が、責任の押し付け合いを建設的な対話へ転換していきます。
Q 中途採用するBtoBマーケ担当者に求めるべき経歴は何ですか
結論として、施策の数より『施策間の前後関係を語れる経験』を持つ人を優先することを推奨いたします。広告運用が得意でも、KPI設計やコンテンツ戦略まで自分の頭で組み立てた経験がないと厳しい場面が多いでしょう。内製化チームのオーナーになりきれないケースが多く見受けられます。
中小企業の場合は、特定領域の深さよりも『一人で全体を回した経験』を持つ方が貴重な戦力です。面接では「直近の施策で、なぜそのKPIを設定したか」を深く聞いていただきたいテーマと言えます。判断の背景を自分の言葉で語れる候補者は、社内でもオーナーとして機能していくはずです。
Q いつ代理店から内製化に切り替えるべきですか
切り替えの目安をご紹介します。『代理店経由のリードの2件に1件以上は自社の問いから生まれた』と言えるようになったタイミング、と捉えています。代理店主導のままだと自社の購買プロセスへの理解が育たず、施策の意思決定が外部頼りで終わってしまうのです。
完全切り替えではなく、戦略レビューだけ代理店に残し実行は内製化する伴走型移行が現実的です。3〜6ヶ月かけて段階的に内製化の割合を上げていく設計が、コントリ取材では成功率の高いパターンとして頻繁に伺いました。経営者ご自身がマーケKPIを自分の言葉で語れるかどうかも、切り替え判断の一つの指標になります。
Q マーケティングオートメーション(MA)ツールは内製化フェーズで導入すべきですか
MAツールはステップ4以降、コンテンツが月次で安定供給できる体制になってから検討いただきたい段階です。中小企業がMAを先に入れて運用が回らないケースは取材でも頻繁に伺います。
コンテンツが少ない状態で高機能なMAを契約しても、シナリオを組む素材が無いまま月額費用だけが発生してしまいます。まずはCRMでリード情報を一元管理する仕組みから整えていきましょう。半年〜1年かけてMAの活用素材が揃ってきた段階で導入を検討するのが現実的です。導入時はベンダーの定着支援パッケージを併用すると、活用度が大きく変わってきます。
Q 内製化フェーズで月にどれくらいのコンテンツ量が必要ですか
社員数30〜100名規模の中小企業の場合、月2〜4本のSEO記事と、月1本の導入事例コンテンツが目安です。量よりも『3つの購買検討段階それぞれに刺さるコンテンツが揃っているか』の方が重要となります。
記事ばかり量産してホワイトペーパーや事例が薄いと、リード獲得後の引き上げ施策が機能しないでしょう。SEO記事・導入事例・ホワイトペーパーの3種類を、年間で2:1:1程度のバランスで設計する流れが現実的です。最初の3ヶ月は量より企画の深さを優先する判断も、後々の運用安定につながっていきます。
Q マーケと営業が険悪になった場合の調整方法はありますか
経営者ご自身が間に入る場面が出てまいります。実務上は『リード品質の評価基準』と『フォロータイミングのSLA』を文書化することから始めましょう。両部門の合意を取り直すと、空気が大きく変わってくるはずです。
コントリの取材では、月次でマーケと営業の共同レビュー会を1時間設けることで関係性が改善した事例を多く伺いました。お互いの言い分を経営者の前で言語化する場が、責任の押し付け合いを建設的な対話へ転換していきます。調整の起点は、経営者が両部門の対立を「組織課題」として受け止める姿勢ではないでしょうか。
編集部コメント
100名を超える経営者の方々にお話を伺うなかで、マーケ内製化を語る瞬間に温度が変わる場面に何度も立ち会いました。「代理店任せの3年で、社内に残ったものが少なすぎた」というお気持ちを多く伺ってきたのです。その奥に、自社の力で顧客と向き合いたいという覚悟が滲んでいたと実感させられます。
「顧客の問いに、社員が直接答えられる会社にしたい」と語ってくださった社長の言葉が、いまも編集部の心に残っています。マーケ内製化は、自社のお客様との関係を、ご縁の言葉で語り直す挑戦ではないでしょうか。
手順を急がず18ヶ月を見据えて準備すれば、社内に語れるマーケ担当者が育ち、営業との連携が深まっていきます。逆に手順を端折ると、孤立した担当者が初年度に疲弊して離れていく場面も、取材を通じて見てきました。明日からの一手として、本記事の6ステップと5つの判断軸のうち、まず1つだけ社内メモに書き出していただけたら幸いです。コントリ編集部一同、貴社の発信が顧客の心へ温かく届いていきますように。
あなたの想いを、
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