プレスリリースの効果測定|中小企業の広報担当が使う5指標と改善手順

プレスリリースの効果測定|中小企業の広報担当が使う5指標と改善手順

プレスリリースを配信したあと、掲載されたメディア数だけを数えて終わっている——そんな運用が続いているとしたら、広報担当者の方は「成果が見えない」という不安を抱えたままになります。

プレスリリースの効果測定で中小企業が押さえるべき指標は、大きく5つです。 メディア掲載数・ウェブ流入・問い合わせへの波及・SNS二次拡散・広告換算値(AVE)の5指標がベースですが、すべてを追う必要はありません。広報目的に合わせて1〜2指標に絞り、継続的に記録することが、経営者に成果を示す最短ルートです。

本記事では、5指標の定義と測定方法、無料ツールでの仕組みづくり、目的別のKPI設定、PDCAの回し方を順にお伝えします。私たちコントリ編集部が経営者インタビューを重ねるなかで見えてきた現場の知見も交えて解説します。

中小企業の広報担当者の方に、お役立ていただけたら幸いです。

INTERVIEW

プレスリリースの効果を実感している経営者の声を読む


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プレスリリース効果測定で中小企業が陥る「掲載数しか見ない」罠

プレスリリース配信後に「どこに掲載されたか」だけを確認して終わる運用では、成果を正しく評価できません。

こうした状況が生まれる背景には、大企業の広報担当者向けに設計されたKPIをそのまま流用しているケースが少なくありません。中小企業の広報は、経営者の意思決定に直結する指標を選ぶことが先決になるのです。

コントリ編集部が経営者の方々への取材を重ねるなかで繰り返し伺ってきたのは「何を測ればいいかわからない」という声でした。測定の仕組みがないまま配信を続けることは、広報費用削減の口実を経営者に与え続けることにもなります。

大企業向けKPIをそのまま使うと中小企業で何が起きるか

大企業の広報部が参照するKPIには、プレスリリース本数・掲載媒体のリーチ数・広告換算値(AVE)などが含まれます。しかし広報専任担当者が1〜2名の中小企業では、これらをすべて管理する体制を維持することが難しいのが実情です。

大企業がリーチ数を重視するのは、マス層への認知拡大を目的としているからです。一方で中小企業の場合は、経営者層や業界関係者という狭いターゲットへの濃い露出が本来の目的です。リーチ数の大小だけでは、その価値を正確に把握できません。

コントリ編集部が経営者の方々への取材を重ねるなかで聞いてきた声があります。「大企業の指標をそのまま使った結果、社長への報告が数字だらけになり、何が成果なのかわからなくなった」という広報担当者のお話です。指標は自社の規模と目的に合わせて選ぶことが、継続的な運用の基盤です。

「メディアに掲載された=成功」の思考停止が積み重なる理由

プレスリリースがメディアに掲載されることは、確かに価値のある出来事です。しかし「掲載=成功」という等式で止まると、2つの重要な問題が生まれます。

ひとつは、掲載されなかったプレスリリースの改善点が見えなくなること。もうひとつは、掲載された記事が実際のビジネスにどう貢献したかが不明なまま予算が消費されることです。

広報PRラボが公開する動画「広報PRの効果測定はどうやるべき?」(YouTube動画参照◐)でも、「効果測定の基準が曖昧なまま配信を繰り返す状況」は「全世界共通の悩み」として指摘されています。掲載媒体の本数を数えるだけでは、次の配信をどう改善すればよいかの答えは出てきません。

効果測定がなければ広報費用は削られる一方になる

中小企業において、広報活動は経営者から「費用対効果が見えにくい」と判断されやすい予算項目です。プレスリリース配信サービスの利用料・制作時間・外注費が積み重なり、決して安くない出費が続きます。

測定の仕組みがないまま続けると、経営者が「成果が見えないなら一旦やめよう」と判断する根拠を与えてしまいます。逆に言えば、シンプルな指標でも継続的に数字を出せるようになると、広報活動の予算を守る根拠として機能します。

コントリ編集部の取材現場で繰り返し伺ってきた声があります。「効果測定を始めたあと、初めて広報費用が経営計画に正式に組み込まれた」という言葉です。測定することが、広報部門の存在意義を社内で可視化する手段にもなるのです。

プレスリリースの効果を測る5つの指標

中小企業の広報担当者が継続的に追い続けられる5つの指標を、定義・測定タイミング・読み解き方のセットで整理します。

指標を多く持つほど管理コストが増え、継続が難しくなるのです。ここで紹介する5指標はあくまでも「選択肢」であり、自社の目的に合った1〜2指標を選ぶことが現実的な運用の出発点です。広報の目的が採用なのか、新規顧客開拓なのか、ブランディングなのかによって、優先すべき指標が決まってくるのです。まずは5指標の定義と特徴を確認してください。

①メディア掲載数と「掲載媒体の質スコア」で露出の価値を測る

メディア掲載数は、最もシンプルな一次指標です。 ただし、単純な本数だけでなく「どの媒体に掲載されたか」を記録することが重要です。

掲載媒体の質を評価するときは、3つの軸で見ると判断しやすくなるでしょう。ターゲット読者との一致度(業界専門誌か一般誌か)、媒体の推定リーチ、記事の掲載位置(トップ記事か関連リンクか)の3軸です。

スプレッドシートにこの3軸を記録するだけで、「掲載されたメディアの傾向」が見えてきます。コントリ編集部の取材では、「6ヶ月間の掲載履歴をまとめたら業界誌より地方紙への露出が多いことに気づき、ターゲット設定を見直した」という製造業の経営者のお話がありました。

②広告換算値(AVE)の正しい活用方法と見てはいけない使い方

広告換算値(AVE:Advertising Value Equivalency)とは、プレスリリースが掲載された媒体を広告枠として換算した際の推定金額です。「○○万円相当の広告効果」という表現がこれです。

ただし、AVEには大きな落とし穴があります。2010年に国際的な広報計測の基準として策定されたバルセロナ原則(国際コミュニケーション計測・評価協会AMECが主導)では、AVEを唯一の評価指標として使用することへの懸念が明示されています(参照: AMEC Barcelona Principles✓)。広告と記事では読者の受け取り方が異なるため、換算額だけで効果を測ると過大・過小評価のリスクを抱えます。

AVEは「経営者への報告における参考値」として補助的に位置づけることが適切です。単独の成果指標にすると、実際のビジネス貢献を正しく評価できなくなります。

③配信後のウェブ流入・ブランド検索量の変動を追う

プレスリリース配信後にウェブサイトへの流入が増えたかどうかは、Google アナリティクス(GA4)で無料確認できます。配信日を基準として、前後1週間のアクセス数を比較するのが基本手順です。

同時に、Googleサーチコンソールで「ブランド名の検索クエリ数」の変化も確認しましょう。プレスリリースによる認知が広がると、自社社名や商品名での検索数が増える傾向があります。

この2指標を組み合わせると、メディア露出がウェブ行動に転換されたかを数値で確認できます。 設定方法については、後続の「無料ツールでの仕組みづくり」で詳しく解説します。

④問い合わせ・商談件数への波及数で売上貢献を可視化する

BtoB企業にとって経営者に最も伝わりやすいのが、問い合わせ件数への波及数です。プレスリリース配信後の1〜4週間で、問い合わせが増えたかどうかを記録します。

問い合わせフォームに「どこで当社を知りましたか」という項目を追加するだけで、プレスリリース経由の流入を直接カウントできます。「メディアの記事を見て」「ニュースリリースを読んで」という回答が増えれば、広報活動の直接効果として社内報告できます。

コントリ編集部の取材で伺った人材紹介会社の事例では、プレスリリース後に「○○の記事を読んで」という問い合わせが月3〜4件増加し、1件が成約につながりました。その結果、経営者から広報予算を2倍に増やす承認が得られたとのことでした。

⑤SNS・メディア二次引用の拡散力で認知の広がりを捉える

プレスリリースが他メディアに引用されたり、X(旧Twitter)やLinkedInで拡散されたりすることを「二次波及」と呼びます。この二次波及を記録しておくと、プレスリリースの「情報としての寿命」が把握できます。

ただし、中小企業ではSNS指標の追跡に多くのコストをかけることは費用対効果が合わないケースが大半です。 Googleアラートで自社名・商品名を登録し、メンションが発生したら通知を受け取る程度の仕組みで十分です(参照: Google アラート✓)。

中小企業が無料ツールで始めるプレスリリース効果測定の仕組み

有料ツールを契約しなくても、Googleが提供する無料環境を使えばプレスリリースの波及効果の大半を把握できます。

有料のPRモニタリングサービスは月額数万円〜数十万円かかることが多く、広報予算が限られた中小企業には合わないケースが多いです。しかし、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの2ツールを組み合わせるだけで、プレスリリースのウェブへの波及は十分に測れます。設定さえ済ませてしまえば、配信のたびに同じ手順で数字が揃うようになるでしょう。

Googleアナリティクスで配信前後のアクセス変動を比較する設定手順

Google アナリティクス4(GA4)は無料で利用でき、プレスリリース効果の測定に必要な機能が揃っています。

基本手順は次のとおりです。まず、プレスリリースの配信日をメモします。配信後にGA4の「ユーザー獲得」レポートを開き、配信日の前後1週間のセッション数と参照流入を比較します。参照元(referral)として配信先メディアのドメインが表示されれば、そこからの流入として計測されます。

PR TIMESなどの配信サービスからのクリックも「参照流入」として記録されます。配信サービスのダッシュボードのクリック数と、GA4の参照流入数を照合することで、実際のウェブ到達率が把握できます。

サーチコンソールでブランド名・固有フレーズの検索量変化を追う

Googleサーチコンソールでは、自社サイトへの検索クエリとクリック数が確認できます。プレスリリース配信後に、自社名・商品名・サービス名での検索数が増加していれば、認知が広がっているサインです。

手順はシンプルです。サーチコンソールの「検索パフォーマンス」レポートを開き、フィルターで「クエリ」に自社のブランド名を入力して推移を確認します。期間比較機能を使うと、配信前後の変動が視覚的に把握できます。

この指標の強みは、掲載メディアを経由した検索行動を間接的に可視化できることです。 記事を読んだ読者がその場でブランド名を検索する行動は、問い合わせ前の段階で発生します。ウェブ流入の「予兆」として読み取れます。

問い合わせフォームに「どこで知りましたか」を加えるだけで分かること

最もシンプルで即効性の高い方法が、お問い合わせフォームへの流入経路質問の追加です。「どこで当社をお知りになりましたか(メディア記事/SNS/検索/紹介/その他)」というプルダウン欄を1つ追加するだけで、問い合わせのきっかけを直接把握できます。

フォームの改修が難しい場合は、電話での問い合わせ受付時に「どこでお知りになりましたか」と口頭確認し、記録する運用でも問題ありません。

広報PRラボ「広報業界への疑問に全て回答します」(YouTube動画参照◐)でも、「問い合わせの出所を追うことが中小企業の広報において最も実用的な指標」という趣旨の解説がされています。

プレスリリース管理スプレッドシートのテンプレートを作る

月に数本のプレスリリースを継続的に管理するには、Googleスプレッドシートで管理表を作ることをご提案します。

最低限記録すべき項目は8つです。配信日・タイトル・配信サービス名・掲載媒体数・掲載媒体名(上位3件)・配信後7日間のウェブ流入変動・配信後問い合わせ件数の増減・総合コメントの8項目です。毎回の入力を習慣化すると、6ヶ月後には「どのテーマ・切り口が成果につながったか」のパターンが見えてきます。

効果測定に使える無料ツールとチェック項目
チェックしながら進めると確認漏れが防げる
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GA4 Google アナリティクス



🔍
Google サーチコンソール



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Google スプレッドシート



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広報活動を
「費用」から「投資」へ変える支援

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目的別に指標を絞る「逆算KPI設定」で効果測定をシンプルにする

5指標をすべて追おうとすると、ひとり広報担当者が主体の中小企業では運用が破綻します。

広報の目的を先に確定させてから、それに直結する1〜2指標だけを追う「逆算KPI設定」が、継続的な測定の鍵です。私たちコントリ編集部が取材した経営者の方々のなかで、広報活動を継続できている企業に共通するのは「KPIが1〜2個に絞られている」という点でした。指標を多く持つほど、記録の手間が増え、報告の焦点が散漫になるのが現実です。目的別に最適なKPIを整理します。

採用強化目的なら「エントリー数とブランド検索量」の2指標に絞る

採用目的でプレスリリースを配信している場合、最終的な成果は「採用応募者数の変化」で測るべきです。この目的に絞ると、追うべき指標は「求人ページへのアクセス増加数」と「ブランド名での検索数増加量」の2つで十分です。

広報活動が採用ブランディングに貢献しているかどうかは、「配信後2〜4週間以内に採用ページへの流入が何件増えたか」を確認することで見えてきます。採用目的の場合、掲載媒体数よりも「採用ターゲット層が多い媒体への掲載」を優先する判断軸にもなるのです。

新規取引先開拓目的なら「問い合わせ件数×出所確認率」を最優先にする

BtoB営業支援・新規顧客獲得を目的としたプレスリリースの場合、問い合わせ件数の変動と「どこで知ったか」の回答比率を組み合わせた指標が最も直接的な成果を示します。

配信後に「記事を読んで」という問い合わせが月に1件でも増えれば、広報費用の正当性を示す根拠が生まれます。BtoBビジネスは商談単価が高いため、1〜2件の問い合わせ増加でも十分なROIを示せるケースが少なくありません。

BtoBマーケティングの内製化について解説した記事でも触れているように、広報は営業活動を下支えする情報発信の一環として位置づけることで、投資対効果を測りやすくなります。

ブランディング目的なら「掲載媒体の読者属性とリーチ数」を追う

企業認知・ブランディング強化を主目的としたプレスリリースの場合、掲載媒体の「読者の質」が最重要指標です。業界専門誌や地域経済誌への掲載は、リーチ数が少なくてもターゲット層への濃い露出につながります。

媒体ごとに「想定読者層の一致度」を5段階でスコアリングしておき、配信ごとに加重平均スコアを算出する方法が効果的です。単純な掲載数カウントより、狙っている読者層に届いているかを測れます。業界専門誌への掲載1件を、一般誌への掲載5件より高く評価するような重みづけが、ブランディング目的には適しています。

KPIが決まると社長への報告も1スライドで済む

広報目的とKPIが明確になると、月次報告が大幅に簡潔になります。「先月の配信2本の結果:掲載3媒体・問い合わせ経由2件・ウェブ流入+18%」という1行で状況を伝えられます。

コントリ編集部の取材でよく伺う光景は、経営者が「結局、何が成果なの?」と問う場面です。 それに即答できる体制を作るためにも、目的→KPI→測定手順の3点セットを事前に合意しておくことが大切です。この合意が、広報担当者と経営者の双方にとっての「判断軸」として機能します。

中小企業の広報現場が語る「使えた指標・使えなかった指標」

コントリ編集部が経営者インタビューを続けるなかで見えてきた、現場の声をお伝えします。

成功事例と失敗事例の両方を聞いてきた私たちの実感として、指標の選び方でその後の継続性が大きく変わります。どれだけ優れた配信内容であっても、成果を正しく測る仕組みがなければ、経営者の承認を得続けることは難しくなります。実際の事例から、現場で使えた指標・使えなかった指標の具体的な背景を見ていきます。よく伺う声は「AVEをやめてから報告が通るようになった」という一言です。

「AVEを捨てて問い合わせ数に一本化したら社長の承認が取れた」製造業の事例

ある製造業の広報担当者の方から伺ったお話です。当初、毎月の報告書にAVE(広告換算値)を記載していましたが、社長から「この数字が何を意味するのかわからない」と言われ続けたとのことでした。

翌月から報告を「配信後2週間の問い合わせ増加件数:3件、うち商談化1件」という形式に切り替えたところ、「それならわかりやすい」と即座に承認が得られたそうです。経営者に響く指標は「売上や採用に近い数字」という現実を示す事例として、取材現場でよく伺います。

「採用目的でエントリー数を追ったら3ヶ月でROIが証明できた」サービス業の事例

採用強化を目的として3ヶ月間プレスリリースを配信し続けたサービス業の会社では、毎回「採用ページへのアクセス数」と「エントリー件数」を記録していました。

3ヶ月後に集計すると、プレスリリース配信月のエントリー件数は非配信月の約1.4倍でした。採用媒体への掲載費と比較すると、プレスリリース経由のエントリーは1件あたりのコストが大幅に低かったことが判明したとのことです。

この数字が出たことで、経営会議で「広報予算を採用費の一部として計上する」という承認が得られました。営業の属人化を解消する取り組みと同じく、仕組みと数字で示すことが経営判断を動かします。

X(旧Twitter)メンション数追跡が中小企業で機能しにくい理由

「プレスリリースを配信したらXでメンション数を追う」という運用を試みる企業もありますが、中小企業の場合は費用対効果が出にくいケースが大半です。

理由は3点あります。まず、Xのメンションを正確に計測するにはAPIアクセスが必要で、現在は有料プランが前提になっています。次に、中小企業向けのテーマでX上に拡散するケースは相対的に少ない傾向です。そして、仮に拡散しても「バズ」が問い合わせや採用に直結しにくいビジネスモデルが多いことが理由として挙げられます。

Googleアラートでメンションの一部を拾う程度に留め、コアな指標は「ウェブ流入」と「問い合わせ数」に絞る判断が、多くの中小企業には合っているでしょう。

中小企業の広報担当者がプレスリリース効果測定データを確認している場面

効果測定を次回の配信に活かすPDCAサイクルの回し方

効果測定はゴールではなく、次のプレスリリースをより良くするための重要な実践起点です。

測定→分析→改善→再配信の4ステップを習慣化することで、広報の精度が回を重ねるごとに高まっていきます。コントリ編集部の取材でも、「プレスリリースを10本出すより、1本を丁寧に測定して次に活かす方が成果が出た」という声を何度も伺ってきました。継続的な改善の仕組みが、広報活動を費用から投資へと転換させるのです。実際のPDCAの具体的な手順を順を追って解説します。

配信後72時間以内に行う「速報チェック」の手順

プレスリリースの効果は配信後72時間以内に最も顕著に現れます。この「速報チェック」を習慣化することで、素早いデータ収集と次回への反映が可能です。

速報チェックで確認する項目は4点です。①掲載されたメディア数と媒体名の記録、②GA4での配信前後48時間のアクセス変動確認、③問い合わせフォームへの新着確認、④Googleアラートからの通知確認です。

この4点をチェックリスト形式でスプレッドシートに記録するだけで、配信後の初動データが蓄積されていきます。 初動データは、配信の時間帯や曜日の最適化を検討する際の参考にもなります。

配信から30日後・90日後に確認する指標の変化

プレスリリースの効果は、配信直後だけでなく数週間〜数ヶ月後に遅れて現れることがあります。記事が他メディアに再引用されたり、SNSで拡散されたりするためです。

30日後には「掲載記事が二次引用されていないか」「ブランド検索数に変化はないか」を確認します。90日後には、配信前後で問い合わせのベースラインが変化したかどうかを見ます。

この中長期の変化を追うことで、「短期では効果が見えにくかったが、3ヶ月後に商談につながった」というパターンが発見できます。プレスリリースの効果を過小評価しないためにも、遅効き指標の記録を忘れずに継続してください。

「何が効いた・何が効かなかった」を次回設計に反映する改善テンプレート

6ヶ月分のデータが蓄積されてきたら、「効いたプレスリリース」と「効かなかったプレスリリース」の共通点を定期的に分析します。

コントリ編集部の取材で伺う「効いたプレスリリース」に共通するパターンは3点あります。タイトルに具体的な数値があること、配信タイミングが業界の繁忙期や社会的な関心の高まりに重なっていること、そして写真や図表などの添付資料があることです。

逆に「効かなかった」パターンとして頻出するのは、自社の社内行事報告のような「受け手にとっての価値がわかりにくいテーマ」です。BtoBの代理店開拓の進め方でも同様ですが、「受け手の視点に立った設計」が成果を左右します。

プレスリリース効果測定で陥りがちな落とし穴と対処法

測定の仕組みを作り始めた段階で、多くの中小企業の広報担当者が直面する落とし穴があります。

事前に知っておくことで、「測定を始めたのに結果が出ない」という状況を避けられます。コントリ編集部の取材では、最初の3ヶ月で測定をやめてしまう企業と、半年後に成果を実感できる企業の違いは「落とし穴への対処知識があったかどうか」にあることが多かったです。代表的な3つの落とし穴と、それぞれの対処法をお伝えします。あらかじめ知っておくことで、測定の継続率が大きく変わります。

配信タイミングと外部要因の混同で成果を誤って評価する

プレスリリースを配信した週にたまたまウェブ流入が増えた場合でも、それがプレスリリースの効果とは限りません。SNSでの他のコンテンツが拡散されていたり、季節要因や社会的な話題に乗っていたりすることがあります。

正確な測定のためには、「この時期に特別なイベントや話題はなかったか」を毎回記録しておくことが有効です。プレスリリース管理スプレッドシートに「外部イベント欄」を1列追加するだけで、成果の原因を誤って評価するリスクが下がります。

短期数値だけで広報の価値を判断してしまう

配信後1週間のアクセス変動だけを見て「効果がなかった」と結論づける習慣は、広報活動の本来の価値を見えにくくします。

前述のとおり、プレスリリースの効果は30日後・90日後に遅れて出ることがあります。また、掲載されなかったプレスリリースでも、メディア関係者の記憶に残り、数ヶ月後の取材につながるケースがあります。

広報は「種まき」の活動です。 1本の配信で成果を求めるのではなく、6ヶ月・1年という時間軸で継続的に測定する習慣を持つことで、広報活動の真の価値が見えてきます。

測定が目的化して本来の発信内容の質が落ちる

効果測定を始めると、「指標が上がる配信」を意識するあまり、プレスリリース本来の目的である「受け手への情報価値の提供」がおろそかになるケースがあります。

測定は手段であり、目的ではありません。数字を改善するためにターゲット外の媒体に大量配信したり、内容の薄いプレスリリースを頻発したりすると、長期的には媒体関係者からの信頼が損なわれます。測定の目的は「次の配信をより良くすること」であることを常に意識してください。



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プレスリリース効果測定に関するよくある質問

中小企業の広報担当者や経営者の方から多くいただく疑問にお答えします。効果測定の開始タイミング・配信サービスのツール活用・掲載されなかった場合の見方など、実務で詰まりやすいポイントを中心に整理しました。

コントリ編集部が経営者インタビューを重ねるなかで「このような疑問を最初に解消しておくと、効果測定の継続率が大きく変わる」と実感している4つの質問を厳選しています。ぜひ参考にしてみてください。効果測定の第一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。

Q 効果測定をしていないのに社長から結果を聞かれたらどうすればよいですか

まず「今後の測定基準を定め、次回配信から正式に計測を始める」と伝えることをご提案します。その場しのぎの数字を出すより、測定の枠組みを宣言することで「次回以降は比較対象が生まれる」という前向きな印象を与えられます。

直近のプレスリリースについては、GA4で配信前後のアクセス変動を確認し、問い合わせフォームの件数も確認してみてください。数字がゼロでも、現状把握の出発点として提示できます。効果測定は、始めることに意味がある取り組みです。

Q プレスリリース配信代行サービスの効果測定ツールは使えますか

PR TIMESやValuePressなどが提供するレポート機能は、掲載メディア数・記事閲覧数・クリック数を確認するのに有用です。ただし、それだけでは問い合わせや商談への波及は測れません。

配信サービスのレポートは「露出の規模」を把握するツールとして活用し、ビジネス成果への波及はGA4・問い合わせ数・ブランド検索量と組み合わせてご確認ください。有料の配信サービスを利用していない場合も、自社サイトへのGA4導入は無料でできますので、まずそちらから始めることをご提案します。

Q 1本も掲載されなかったプレスリリースの効果はどう見ればよいですか

掲載ゼロでも、効果がゼロとは限りません。配信後にウェブ流入が増えていないか、ブランド検索数に変化がないかを確認してください。

メディア関係者がプレスリリースを読んで「次の取材のきっかけ」にするケースも多く、掲載は数ヶ月後に実現することがあります。短期の掲載数だけで評価を止めると、長期的な広報効果を見落としてしまいます。また、掲載されなかった理由を分析することで、次回のテーマ選定や切り口の改善に活かすことも大切です。

Q 月1本のプレスリリース量でも効果測定は必要ですか

必要です。むしろ本数が少ないからこそ、1本あたりの効果を丁寧に追う価値があります。月1本でも72時間速報チェックと30日後確認を続けることで、6〜12ヶ月後にどの切り口・テーマが成果につながったかのパターンが見えてきます。

測定の習慣がないまま本数だけ増やしても、広報活動の精度は上がりません。「少ない配信でも成果を最大化する」という視点で、1本ずつ丁寧に測定していただくことをぜひお試しください。

Q 効果測定の結果、広報担当者が一人でレポートを作るのは大変です。どうすればよいですか

月次レポートに含める項目を「掲載媒体数」「ウェブ流入変動」「問い合わせ経由件数」の3指標に絞ることをお勧めします。3指標であれば、スプレッドシートに入力するだけで15〜20分以内に完成します。

重要なのは、多くの情報を集めるより「継続できる仕組みを作ること」です。毎月の速報チェックを習慣化するだけでも、6ヶ月後には意味のあるデータが蓄積されていきます。コントリ編集部の取材で伺った「3指標だけに絞ったら毎月続けられるようになった」という広報担当者の声は、多くの方の参考になるでしょう。


コントリ編集部が経営者の方々への取材を続けるなかで、広報担当者の「成果が見えない」という声を何度も伺ってきました。その言葉の背景には、測定の仕組みがないまま配信を続けている現実があります。

今日お伝えした5指標と無料ツールの活用から始めることで、プレスリリースの価値が数字として経営者に届く日が必ず来ます。心から、お役に立てたら嬉しく思います。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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