開いたノートから無数のアイデアが光の粒となって舞い上がる、朝の机の上の静物

「発信するネタがない」は、ほぼ思い込みだった——10人のセミナーで確信したこと

「発信したほうがいいのは分かってるんですけど、書くことがなくて」

経営者と話していると、本当によくこの言葉を聞く。SNSのアカウントは作った。ブログの管理画面も開いてみた。でも、いざ書こうとすると手が止まる。「自分にはわざわざ発信するほどのネタなんてない」。そう言って、そっと画面を閉じてしまう。

先日、コントリで2回目となる「蓄積型発信セミナー」を開いた。あえて定員を10名に絞った、小さな会だ。集まってくれた経営者の第一声も、やっぱり「何を書けばいいのか分からない」だった。

でも、2時間後。会場を出ていくみんなの顔つきが、来たときとはまるで違っていたんですよね。

ネタは「ない」んじゃない、「見えていない」だけ

セミナーで僕がいちばん伝えたかったのは、たったひとつ。

発信のネタは、死ぬほどある。

ないんじゃない。気づいていないだけ。今日お客さんにかけた一言、断ろうか迷った末に引き受けた仕事、深夜にひとりで下した決断。経営者が当たり前にやっているその一つひとつが、誰かにとっては喉から手が出るほど知りたい話だったりする。

自分にとっての「日常」は、他人にとっての「非日常」。この視点の差にこそ、発信の種が眠っている。

セミナーの中で、参加者の何気ない話をその場でAIを使って記事の形に起こしてみせた。すると、空気が変わる瞬間がある。「え、こんな普通の話がこうなるんですか」と。自分の中にすでにあった経験が、形を変えて立ち上がっていく。その光景を目の前で見たときの、あの場のざわめきは今でも忘れられない。

100人より、10人と本気で向き合う

正直に言うと、セミナーの集客では「もっと人を集めたほうがいいんじゃないか」と悩むこともある。数が多いほうが、なんとなく成功っぽく見えるから。

でも今回、あえて10人に絞ってみて、確信に変わったことがあった。

大事なのは規模じゃない。対話の濃さだ。

一人ひとりの事業や悩みに具体的に踏み込んで、その場で一緒に考える。質問が飛び交って、参加者同士が刺激し合う。100人の前で話す華やかさよりも、10人と本気で向き合う時間のほうが、確実に人の心を動かすことがある。これは、コントリがずっと大事にしてきた「バズより、質の高いつながり」という姿勢そのものだった。

薄く広くより、狭く深く。僕はやっぱり、こっちを選びたい。

「発信しろ」と言う側が、発信していなきゃ意味がない

もうひとつ、この日に改めて噛みしめたことがある。

蓄積型発信が大事です、と壇上で語っておきながら、自分が一本も書いていなかったら、その言葉は宙に浮く。言っていることと、やっていること。このふたつが重なって初めて、人は耳を傾けてくれるんですよね。

だからこうして、代表である僕自身が筆を執っている。気づいたことを、その日のうちに言葉にする。たいした文章じゃなくていい。小さな実践の積み重ねが、いつか誰かの背中を押す資産になると本気で思っている。

言行一致は、いちばん地味で、いちばん強い信頼のつくり方だ。

「能力の差」じゃなくて「環境の差」

発信は、特別な才能を持った人だけのものじゃない。

僕はよく「能力の差ではなく、環境の差だ」と話す。「書けない」んじゃなくて、「書ける環境にまだ出会っていない」だけ。ネタを引き出してくれる相手がいれば、書く手順が整っていれば、人は驚くほど語り出す。セミナーで起きたのは、まさにそれだった。

あなたが歩いてきた道のり、流してきた汗、お客さんと交わしてきた言葉。その一つひとつに、必ず価値がある。足りないのはコンテンツの素材じゃない。それを形にして届ける、ちょっとした仕組みと、きっかけのほうなんですよね。

最後に

セミナーを終えるたびに思うのは、やっぱり直接会って声を聞ける場に勝るものはない、ということ。画面越しでは伝わりきらない迷いや熱が、同じ空間だとまっすぐ届いてくる。今回参加してくれた経営者のみなさん、運営を支えてくれた仲間たちに、心から感謝したい。

そして、この記事を読んでくれているあなたへ。

あなたの「当たり前」は、きっと誰かの希望になる。今日が、その価値に気づく最初の一歩になったなら、これほどうれしいことはない。発信のことで迷っていることがあれば、気軽に声をかけてもらえたらと思います。一緒に、あなたの会社の物語を世に届けていきましょう。

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