コラム

中小企業の経営者・ビジネスパーソンに向けたコラム記事をまとめています。経営戦略やビジネスモデル、人材・組織づくり、マーケティング、財務、法務など、日々の意思決定に役立つ実践的な知見と、経営者自身の言葉による気づきをお届けします。

中小企業のLP制作|問い合わせにつながる効果的な構成と改善点

中小企業のLP制作|問い合わせにつながる効果的な構成と改善点

「広告は出しているのに問い合わせが増えない」「制作会社に頼んだLPが反応しない」。そんなお悩みを抱える経営者の方は、決して少なくないのではないでしょうか。結論からお伝えします。効果的なポイントは、「誰に・何を・なぜ今」を一言で言い切ること。そして、ファーストビューからCTAまでを一本の流れで設計することです。デザインの巧拙よりも、構成と言葉づかいが反応を左右するのです。本記事では、LPの役割・基本構成・制作前の準備・公開後のLPO改善・よくある失敗の回避策を順に整理しました。あわせて、中小企業ならではの強みを活かす視点や、外注と内製の判断軸もお伝えしていきます。限られた予算と人手のなかでも一歩を踏み出せるよう、現場目線で具体的にお伝えしていきましょう。お役に立てれば嬉しく思います。

中小企業のLP制作で成果を出す効果的なポイントとは

中小企業のLP制作で成果を出す鍵は、「誰に・何を・なぜ今」を明確にすること。そのうえで、ファーストビューからCTAまでを一本の物語として設計していく姿勢が欠かせません。LPは情報を網羅する場ではなく、特定の一人に行動を促す手紙のようなもの。だからこそ、見栄え以上に、構成の順序と言葉の選び方が成否を分けます。中小企業の場合、大企業のような知名度や広告予算に頼れない分、メッセージの鋭さが武器になるはず。まずはLPという媒体の役割と、ホームページとの違いから押さえていきましょう。土台を理解すると、後の打ち手がぐっと見えやすくなるはずです。

CASE IMAGE 画面を見ながらLPの構成を相談する経営者と担当者
この順番で伝えよう

「誰に・何を・なぜ今」を一本の物語として設計する。LPは情報を網羅する場ではなく、特定の一人に行動を促す手紙のようなもの。

中小企業のLP制作について構成を相談する経営者と担当者

LP(ランディングページ)とは何か

LP(ランディングページ)とは、訪問者に1つの行動を取ってもらうことに特化した、縦長の1枚ページを指します。例えば、検索広告やSNS広告をクリックした人が最初に着地(ランディング)する受け皿。それがLPの役割です。会社案内のように複数ページを回遊させる作りではありません。上から下へ読み進めるうちに、自然と問い合わせや申し込みへ向かう。そんな設計が特徴的と言えるでしょう。

なぜ1枚にまとめるのでしょうか。理由は、選択肢が多いほど人は迷い、行動を先送りにしてしまうから。メニューや他ページへのリンクをあえて削り、視線を「読む・信じる・行動する」の一本道へ集約していくのです。これこそ反応率を高める基本構造ではないでしょうか。

中小企業にとってLPが心強いのは、商品やキャンペーンごとに小さく作れる点。サイト全体を作り直さなくても、新サービス用に1枚だけ用意して広告の受け皿にする、といった使い方が可能です。最初の1枚で手応えをつかみ、そこから磨いていく。この身軽さこそ、リソースの限られた中小企業に合った進め方ではないでしょうか。

ホームページとLPの違いと使い分け

ホームページとLPの違いは、目的の幅にあります。ホームページは会社全体を網羅的に伝える「総合案内所」、LPは特定の行動を促す「専用窓口」。両者は競合するものではありません。役割を分けて併用すると、効果が高まっていきます。

企業の信頼性や全体像を見せたいときはホームページ。広告や特定キャンペーンの受け皿には、目的を絞ったLP。これが使い分けの基本となります。例えば「会社のことを調べたい」という来訪者にはホームページが向いています。一方「この補助金サービスに申し込みたい」という来訪者には、迷いのないLPが響くでしょう。

両者の違いを表に整理しました。自社のどの場面でどちらを使うか、照らし合わせてみてください。

COMPARISON ホームページとLPの違い ― 5つの観点で使い分ける
観点 ホームページ(HP) ランディングページ(LP)
目的 会社全体を知ってもらう・信頼の土台づくり 特定の一人に1つの行動を促す
ページ数 複数ページで網羅的に構成 原則1ページ完結・離脱を防ぐ
主な来訪者 社名検索・関係者・既存顧客 広告やSNSから来た見込み客
最適な使い所 ○常設の信頼基盤として ○キャンペーン・申込獲得に
成果指標 △滞在・回遊・問い合わせ全般 ○CVR(申込・問い合わせ率)
○ 適合度が高い △ 補助的・条件つき

自社のどの場面でどちらを使うか、照らし合わせてみてください。役割が違うため、併用が基本です。

観点 ホームページ LP(ランディングページ)
主な目的 会社全体を網羅的に紹介 1つの行動(問い合わせ等)を促す
ページ構成 複数ページの回遊型 縦長1枚の集中型
主な来訪者 社名で調べた人・既存客 広告・SNS経由の見込み客
最適な使い所 信頼性・全体像の提示 広告やキャンペーンの受け皿
主な成果指標 滞在時間・回遊数 コンバージョン率(CVR)

表のとおり、両者は見るべき指標まで異なるのです。ホームページとLPを役割で分けて運用する。この発想が、限られた予算を成果に変える出発点になるでしょう。経営者目線のWeb活用の考え方は、コントリの経営者向けコラムでもさまざまな切り口から紹介しています。

成果が出るLPの基本構成|必須となる要素

成果が出るLPには、共通する構成の型があるものです。ファーストビュー・共感・ベネフィット・証拠・オファー・CTAという流れが、その基本の骨格。この順序は、読み手の心理が「読む→信じる→行動する」と動く道筋に沿ったものです。どれか1つが欠けても、せっかく集めた訪問者が途中で離れてしまうもの。逆に言えば、型を押さえるだけで反応は大きく変わるのです。中小企業の場合、凝った演出よりも、各要素の「言葉」を磨くことが近道。ここでは一次情報も交えながら、要素ごとの役割を具体的に見ていきましょう。

私自身、コントリ編集部として取材を重ねるなかで、あるお声に幾度も触れてきました。「制作会社にデザインは整えてもらったが、反応がない」というご相談。多くの場合、足りていなかったのは美しさではなく、構成要素の抜けだったのです。Web集客の制作現場でも同じ指摘がなされています。LP制作の知見を発信する【Web集客LP】ネット集客できるランディングページに必要な7つの構成要素とは?制作100本以上関与で分かったLPの作り方でも、反応するLPには欠かせない構成要素があると整理されていました。

LP STRUCTURE 成果が出るLPの基本構成 ― 6ステップの流れ
1

ファーストビュー

一瞬で「自分ごと」と思わせ、続きを読む理由を提示

2

共感

読者の悩みを言語化し「わかってくれている」と感じさせる

3

ベネフィット

機能ではなく、得られる未来・変化を具体的に描く

4

証拠

実績・お客様の声・データで「本当だ」と裏づける

5

オファー

価格・特典・条件を明確にし、今行動する理由を添える

6

CTA

迷わせない1つの行動へ。ボタン文言と配置を最適化

反応するLPに足りていなかったのは美しさではなく、構成要素の抜け。上から下へ、読者の心の動きに沿って並べることが鍵です。

ファーストビューで惹きつける

ファーストビューとは、ページを開いた瞬間にスクロールせず見える最初の画面領域を指します。ここで「自分向けだ」と感じてもらえなければ、人は数秒で離脱してしまうもの。だからこそ、LP全体のなかで最も時間をかけたい場所と言えます。

ファーストビューに盛り込みたいのは、3つの要素。1つ目は「誰のための何か」が分かるキャッチコピー、2つ目は得られる結果を示すサブコピー。3つ目は、ひと目で内容が伝わるメインビジュアル。例えば「人手不足に悩む製造業の社長へ。採用を仕組み化する1枚」。こうして対象と価値を言い切るのです。

避けたいのは、自社の社名やサービス名を大きく掲げるだけの作り。来訪者は会社名ではなく、自分の悩みが解決するかどうかを見ているからです。主語を「自社」から「お客様」へ置き換える。この視点の転換が、ファーストビューの反応を左右します。私が取材でお会いした経営者の方も、コピーの主語を変えただけで問い合わせの質が変わったと語っておられました。

ベネフィット・証拠・CTAの組み立て

ファーストビューの次に効くのが、ベネフィット・証拠・CTAの三段構え。ベネフィットとは、商品の機能ではなく「それによって得られる良い未来」を指します。例えば「高性能な会計ソフト」ではなく「経理の残業がゼロになる毎日」と伝えると、読み手は自分の変化を想像しやすくなります。

ただ、良いことばかり並べても人は信じてくれません。そこで効くのが証拠の力。実績数値・お客様の声・導入事例・メディア掲載など、第三者の視点が説得力を補ってくれるのです。そして最後に、迷わせないCTA(行動喚起)を置きましょう。CTAとは「今すぐ無料で相談する」のように、取ってほしい行動を明示するボタンや誘導文のこと。

文章づくりに迷ったときは、問いに答える形で組み立てると整います。売れる文章の作り方を解説する【売れるランディングページの文章の作り方】魔法の14の質問に答えるだけであなたも質の高いLPが作れる!でも、質問に答えるだけで訴求軸が定まると紹介されていました。私もこの「質問から書く」発想を取材メモに取り入れてから、伝えたい核がぶれにくくなったと実感しています。機能ではなくベネフィットを主役にする。これが反応を生むLP文章の背骨になります。

効果的なLPを作る前の準備|目的とターゲット設計

効果的なLPを作る前にやるべきは、デザイン選びではなく、目的とターゲットの言語化にほかなりません。誰に何を約束し、どんな行動を取ってほしいか。ここが曖昧なまま要素を並べても、読み手の心は動きません。準備にかける時間こそ、後の成果を決めると言っても過言ではないでしょう。中小企業の場合、社長自身が現場の声を一番ご存じです。だからこそ、ここを外注に丸投げせず、自社の言葉で詰めることが効いてきます。本章では、制作前に固めておきたい2つの軸を整理しました。手を動かす前の「設計図づくり」と捉えてください。

私が経営者の方々と対話してきた経験からも、成果の出た事例ほど準備が丁寧でした。LPの全手順を解説する【2023年最新】集客効果の高いLPを作る全手順!でも、作り始める前の設計の重要性が繰り返し語られています。広告と組み合わせる視点も欠かせません。【教えたくなかった】効果抜群のLP×広告戦略|Webマーケティング 広告運用では、LP単体ではなく集客導線とセットで設計する勘所が示されていました。

PRE-PRODUCTION CHECK LP制作前に固める準備チェックリスト

成果の出た事例ほど準備が丁寧でした。作り始める前の設計が、後の打ち手を決めます。

LPの目的(CV)を1つに絞る

LP制作で最初に決めたいのが、コンバージョン(CV)を1つに絞ること。CVとは、LPで達成したいゴールとなる行動を指します。問い合わせ・資料請求・無料相談・購入など、何を成果と見なすかを1つに定めましょう。

なぜ1つに絞るのでしょうか。ゴールが複数あると訪問者の行動が分散し、結果的にどれも達成されにくくなるからです。例えば「問い合わせも資料請求も電話も」と欲張ると、ボタンが乱立して迷いを生むもの。中小企業の場合、まずは最もハードルの低い行動を1つ選ぶのが現実的な一手。

おすすめは、いきなり「契約」を狙わず、「無料相談」や「資料ダウンロード」など心理的負担の軽い入口から始めること。小さなYesを積み重ねる設計が、最終的な受注へとつながるのです。CVを1つに絞り、行動の入口を低くする。これが準備段階で最も効く一手になります。明日からでも、自社LPのゴールが1つに定まっているか見直してみましょう。

ターゲットの悩みと検索意図を捉える

次に固めたいのが、ターゲットの悩みと検索意図という土台。検索意図とは、その人が「どんな状況で、何を解決したくて」検索や広告クリックに至ったか、という背景のこと。ここを捉えると、LPの言葉が一気に刺さるようになっていきます。

具体的には、たった一人の理想客を思い浮かべ、その人の悩み・不安・理想を書き出してみましょう。例えば「従業員5名の工務店で、求人を出しても応募が来ず焦る40代社長」。これくらいの粒度まで絞ると、書くべき言葉が見えてくるはずです。多くの企業様が「みんなに届けたい」と対象を広げてしまいがちですが、対象を広げるほどメッセージはぼやけるもの。

悩みを捉える際は、実際のお客様との会話や問い合わせメールの文言が宝の山になります。お客様が使った言葉をそのままLPに反映すると、「自分のことだ」と感じてもらいやすくなるでしょう。一人の悩みに深く応える。この姿勢が、結果的に多くの共感を呼び込むのです。

中小企業が押さえるべきLP制作の効果的なポイント

中小企業がLP制作で押さえるべき効果的なポイントは、3つに集約できます。自社の強み・らしさを一言で伝えること、実績やお客様の声で信頼を補強すること、そして行動の障壁を下げること。限られた予算と人手だからこそ、要点を絞った設計が効いてきます。大手と同じ土俵で物量勝負をする必要はありません。むしろ、顔の見える距離感や地域密着といった中小企業ならではの強みは、LP上で大きな武器になるでしょう。本章では、自社の良さを成果へ変える具体策を示していきます。等身大の強みを、自信を持って言葉にしていきましょう。

取材を重ねるなかで気づいた点があります。優れたWeb活用をしている中小企業ほど、「自社の役割」を明確にしているのです。中小企業のホームページの共通点を解説する【中小企業のホームページ】優秀なHPの共通点とはでも、強みの言語化が成果を分けると語られています。施策の優先順位も大切な論点です。3分でわかるWeb集客のポイント|中小企業がやるべき3つの施策では、中小企業が力を注ぐべき施策が3つに整理されており、私自身も取材時の判断軸として参考にしてきました。

LOCAL STRENGTH 顔の見える信頼 ― 地域密着が中小企業の資産になる
地域で愛されて
わたしたちの店

優れたWeb活用をする中小企業ほど、自社の役割を明確にしている。人の顔・地域性という強みは、知名度や広告予算に頼れない分の武器になります。

地域密着の強みを持つ中小企業の経営者とスタッフ

自社の強み・らしさを一言で伝える

中小企業のLPで最初に効くのは、自社の強み・らしさを一言で伝えること。強みとは、競合と比べて選ばれる理由を指します。「創業50年」「即日対応」「社長が直接担当」など、具体であるほど伝わるものです。

多くの中小企業が「うちには特別な強みがない」と感じておられます。けれど、お客様から見れば当たり前にやっていることが、選ばれる理由になっている場合は少なくありません。例えば「電話に2コール以内で出る」「無理な案件は正直に断る」といった姿勢も、立派な差別化のひとつ。

強みを見つけるコツは、既存のお客様に「なぜ当社を選んだのか」を尋ねること。自分では気づかない価値が、お客様の言葉から見つかるもの。それを一言のキャッチに磨き、ファーストビューに掲げましょう。当たり前の強みを言葉にして掲げる。これが中小企業のLPで最初に取り組みたい一手です。

実績・お客様の声で信頼を補強する

次に効くのが、実績やお客様の声による信頼の補強。中小企業は知名度で大手に劣る分、「信じてよいのか」という不安を持たれやすいもの。その不安を溶かすのが、第三者の声という証拠です。

具体的には、導入実績数・地域での施工事例・利用者のコメント・写真付きのお客様の声などが効いてきます。例えば「地元○○市で累計300件の施工実績」といった数字。実名・写真付きの感想は、文章だけの説明より何倍も説得力を持つもの。完璧な大企業の事例でなくてよいのです。等身大の、近所の人の声こそ響きます。

ただし、声を載せる際は本人の許可を得たうえで、事実に基づく内容に限ること。誇張や創作は、かえって信頼を損ねてしまうもの。等身大の証拠を、正直に積み上げる。この誠実さこそ、中小企業の最大の信頼資産です。今あるお客様の声を集めることから、明日にでも始められるでしょう。

LP公開後に成果を伸ばす改善(LPO)の進め方

LPは公開して終わりではなく、その後の改善で成果が伸びていくものです。LPO(ランディングページ最適化)とは、数値を見ながらLPを磨き続ける取り組みを指します。最初から完璧なLPは存在しません。むしろ、公開後にどれだけ改善を回せるかが、最終的な成果を決めると言えるでしょう。中小企業の場合、大がかりな分析ツールがなくても、無料のアクセス解析と1つずつの仮説検証で十分に前進していけます。本章では、専門知識がなくても回せる、無理のない改善の進め方を整理しました。「育てるLP」という発想に切り替えていきましょう。

私自身、コントリ編集部のコンテンツ運用でも同じ実感があります。公開後に数値を見て見出しを調整する地道な作業が、成果を左右するのです。LPOの考え方を解説する3分でわかるランディングページ最適化(LPO) 広告でも、改善を前提にLPを運用する姿勢が語られています。集客面の視点も欠かせません。【LPO】LP集客を成功させるポイントでは、流入とLPの中身を両輪で見る大切さが示されており、私も改善の優先順位づけで参考にしてきました。

LPO CYCLE LPOの改善サイクル ― 一度きりで終わらせない
LPO 繰り返し改善

STEP 1

計測

CVR・離脱箇所をアクセス解析で把握する

STEP 2

仮説

「FVの言葉が弱いのでは」など原因を立てる

STEP 3

改善

見出し・CTA文言・並び順を1点ずつ変える

STEP 4

再計測

数値の変化を確認し、次の仮説へつなげる

➞ ➞ ➞ ➞

公開後に数値を見て見出しを調整する地道な作業が成果を左右します。流入とLPの中身を両輪で見ることが大切です。

見るべき指標とアクセス解析の基本

LPO改善の第一歩は、見るべき指標を絞ること。たくさんの数字を眺めるより、まずはコンバージョン率(CVR)と離脱箇所の2つに注目すると、改善の的が定まってきます。CVRとは、訪問者のうち目標行動に至った人の割合のこと。

具体的には、無料で使えるGoogleアナリティクスなどの解析ツールを導入します。「どこまで読まれて、どこで離脱したか」を確認しましょう。例えばファーストビューで多くが離脱するなら、キャッチコピーに課題があると推測できます。CTAの直前で止まるなら、不安を払拭する要素が足りていないのかもしれません。

数字は、犯人探しではなく改善のヒントとして見るもの。最初は完璧な分析を目指さず、「離脱が多い場所はどこか」を1つ見つけるだけで十分です。CVRと離脱箇所の2つに絞って観察する。これなら、専任の担当者がいない中小企業でも回せるでしょう。まずは解析ツールの設置から着手してみてください。

小さく試して改善するABの考え方

改善を回す際に役立つのが、ABの考え方。ABテストとは、一部だけを変えた2つのパターンを比べ、どちらが成果を出すかを検証する方法のこと。例えばCTAボタンの文言を「お問い合わせ」と「無料で相談する」で比べる、といった具合です。

ポイントは、一度に1か所だけ変えること。複数を同時に変えると、どの変更が効いたのか分からなくなるもの。中小企業の場合、本格的なテストツールがなくても、月ごとに見出しを変えて反応を比べるだけでも十分な学びが得られるはず。

大切なのは、勘ではなく数字で判断する姿勢。「自分が良いと思うほう」ではなく、「数字が示すほう」を採用していくのです。小さな改善の積み重ねが、半年後には大きな差として表れるもの。1か所ずつ変えて、数字で選ぶ。この地道な反復こそ、リソースの限られた中小企業が成果を伸ばす王道です。

中小企業のWeb活用全般については、コントリのコラム一覧でも経営者向けの実践知をまとめました。あわせてご覧いただけたら幸いに思います。

中小企業のLP制作でよくある失敗と回避策

中小企業のLP制作には、つまずきやすい共通パターンがあるものです。情報を詰め込みすぎる、CTAが弱い、作りっぱなしにする。この3つが代表的なつまずきと言えます。いずれも、知っていれば先回りで避けられる失敗ばかり。限られた資源を成果に変えるには、よくある落とし穴を事前に把握しておくことが効くでしょう。本章では、典型的な失敗とその回避策、そして外注と内製の判断軸までを整理しました。同じ失敗を繰り返さないための「転ばぬ先の杖」として活用してください。先人のつまずきは、何よりの学びになるでしょう。

経営者の方への取材を重ねるなかでも、印象的なお話があります。「お金をかけたのに反応がなかった」という事例の多くは、これらの失敗に起因していました。原因が分かれば、対策は描けるもの。失敗のパターンを知ることは、成功への近道でもあります。

FAILURE & FIX LP制作のよくある失敗3つと回避策
1
×よくある失敗

情報の詰め込みすぎ

あれもこれもと載せ、結局何を伝えたいか分からなくなる

○回避策

1ページ1メッセージに絞り、CVに不要な情報は思い切って削る

2
×よくある失敗

CTAが弱い

ボタンが目立たず、何をすればよいか読者が迷ってしまう

○回避策

行動は1つに統一し、文言を具体化。要所に繰り返し配置する

3
×よくある失敗

作りっぱなし

公開して終わり。数値を見ず、改善の機会を逃している

○回避策

計測して改善を前提に運用。仮説と検証を繰り返す

「お金をかけたのに反応がなかった」事例の多くは、これらに起因します。原因が分かれば対策は描けるもの。失敗を知ることは成功への近道です。

欲張りすぎてメッセージがぼやける罠

最も多い失敗は、欲張りすぎてメッセージがぼやけること。「あれもこれも伝えたい」と情報を詰め込むほど、読み手はどれが大事か分からなくなり、結局何も心に残らなくなってしまいます。

例えば、1枚のLPに複数のサービスを並べたり、強みを10個も列挙したり。すると、焦点がぼやけてしまいます。人が一度に受け取れるメッセージには限りがあるもの。回避策は、伝えたいことを「最も刺さる1つ」に絞り込む勇気を持つこと。捨てる情報を決めるのも、立派な設計なのです。

私が取材でお会いした経営者の方も、印象的な体験を語っておられました。サービスを欲張って載せていたLPを「1つの悩みに絞る」構成へ作り変えたところ、問い合わせが動き出したそうです。足し算ではなく引き算で考える。これがメッセージを際立たせる鍵です。迷ったら「この1枚で一番伝えたいことは何か」を自問してみてください。

外注と内製の判断と費用の考え方

最後に、外注と内製の判断と費用の考え方を整理しましょう。結論として、正解は予算と社内リソース次第で変わるもの。デザイン性や制作スピードを重視するなら外注、改善を頻繁に回したいなら内製や簡易ツールが向いているでしょう。

費用の目安として、外注では数十万円から、内製や簡易ツールならほぼ無料〜数万円程度が一般的なところ。金額はデザインや取材の有無で大きく変わるもの。相見積もりで比較すると安心です。中小企業には、最初は外注で土台を作り、公開後の改善は内製で回すという併用も現実的な選択肢でしょう。

判断に迷ったときは、まず目的を絞った小さな1枚から始めること。最初から大きく作り込むより、小さく試して手応えを得てから投資を広げるほうが、失敗のリスクを抑えられるでしょう。Web施策全体の進め方はコントリの経営コラムでも経営者の視点から解説しています。小さく始めて、成果を見て広げる。この順序が、中小企業のLP投資を堅実なものへと整えていきます。

よくある質問

LP制作に関して、経営者の方から寄せられることの多い疑問にお答えしましょう。自社の検討材料として役立てていただけたら幸いに存じます。

中小企業のLP制作にかかる費用の相場はどのくらいですか?

外注では数十万円から、内製や簡易ツールならほぼ無料〜数万円が目安。費用はデザインや取材の有無で大きく変わるもの。まずは目的を絞った1枚から始め、成果を見ながら投資を広げるのが、中小企業には現実的な進め方でしょう。最初から高額な制作に踏み切る必要はありません。

LPとホームページはどう使い分ければよいですか?

ホームページは会社全体を網羅的に紹介する場、LPは特定の商品やサービスへの行動を促す1枚。広告や特定キャンペーンの受け皿にはLP、企業の信頼性や全体像を伝えるにはホームページ、という使い分けが基本です。両者は競合せず、役割を分けて併用すると効果が高まるでしょう。

効果的なLPに最低限必要な要素は何ですか?

ファーストビュー・ベネフィット・証拠(実績やお客様の声)・明確なCTAの4つが欠かせません。読み手が「自分向けだ」と感じ、信じ、行動できる流れを作ることが核となります。まずはこの4要素を揃えることから始めると、土台が整うはずです。装飾より要素の充実を優先しましょう。

LPは公開したらそのままで成果が出ますか?

多くの場合、公開後の改善(LPO)で成果が伸びていきます。アクセス解析で離脱箇所を把握し、見出しやCTAを少しずつ調整していくのが基本の進め方。一度で完璧を目指すより、数値を見て磨き続ける姿勢こそが成果への近道。LPは「育てるもの」と捉えると、気持ちがふっと軽くなりますね。

LP制作は外注と内製のどちらがよいですか?

予算と社内リソース次第です。デザイン性や制作スピードを重視するなら外注、改善を頻繁に回したいなら内製や簡易ツールが向いています。最初は外注で土台を作り、改善は内製で回すといった併用も、中小企業には有効な選択肢でしょう。自社の体制に合わせて選んでみてください。

編集部コメント

経営者の方への取材を重ねるなかで、私たちは何度も心を動かされてきました。「特別な強みなんてない」とおっしゃる社長ほど、実は人知れず誠実な仕事を積み重ねておられるのです。電話にすぐ出る。無理な案件は正直に断る。そうした当たり前の姿勢こそ、お客様が選ぶ理由になっているのです。LPとは、その見えにくい価値を言葉にする一枚。まだ出会えていないお客様へ届けるための媒体なのだと、取材のたびに教えられてきました。

立派なデザインや潤沢な予算がなくても、想いのこもった一言は人の心を動かすのではないでしょうか。大切なのは、完璧な1枚を目指して立ち止まらないこと。まず小さな1枚を世に出し、お客様の反応に耳を澄ませながら磨いていく姿勢です。その地道な往復のなかにこそ、御社らしさという資産が育っていく。私たちはそう信じています。

このご縁が、御社のLPづくりの第一歩を後押しできたなら、これほど嬉しいことはありません。あなたが築いてこられた仕事の価値が、必要としている方へまっすぐ届きますように。コントリ編集部は、これからも経営者の方々の挑戦に寄り添い、その想いの言語化を応援してまいります。

飯塚昭博

この記事の著者

飯塚 昭博

Akihiro Iitsuka

コントリ株式会社 代表取締役

青山学院大学卒業後、自動車会社にて年間180億円規模の設備調達を担当。中小企業経営者の想いに触れる中でその価値を伝えることに使命を感じ、2023年独立。経営者インタビューメディア「コントリ」を運営し、100社以上の経営者を取材。SEO・AI活用・発信設計を通じて中小企業の「伝わる発信」を支援している。

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