
2026年版:企業のSNSマーケティング戦略|自社運用と外注の判断基準
企業のSNSマーケティングで最初に決めるべきは、投稿の頻度でも媒体の数でもありません。「誰が一次情報を出し続けるか」「自社でやるか外に出すか」「何が起きたら誰が止めるか」の3点です。この3つが決まっていない状態で運用を始めた企業は、半年以内にアカウントが止まります。2026年は、この判断の重みがさらに増した年になりました。
理由は2つあります。ひとつは、SNSの投稿が検索結果に出るようになり、発信が「その場で流れるもの」から「残って読まれるもの」へ変わったこと。もうひとつは、従業員の投稿を含めたリスク管理が、企業規模を問わず問われるようになったことです。それでも社内ルールを整えている企業は、全体の2割強にとどまります。
この記事では、2026年の前提が何であるかを最新の数値で押さえたうえで、自社運用と外注の判断、契約前の確認事項、そして社内ルールと炎上対応までを順に整理します。運用テクニックではなく、経営者が決めるべきことに絞ってお届けします。
2026年のSNSマーケティングは何が変わったか|企業が押さえる3つの前提
結論から申し上げると、変わったのは「届く範囲」「残り方」「問われ方」の3点です。ユーザー数の勢力図が塗り替わっただけではありません。投稿が検索から見つかるようになり、企業の管理責任が明確になりました。順に見ていきます。
前提1:主要SNSの国内ユーザー数と、更新が止まった数字の見分け方
媒体を選ぶときに、ユーザー数だけで決める企業は少なくありません。ただ、公表されている数字は発表時点がばらばらで、そのまま横並びで比べると判断を誤ります。とくにFacebookの国内数値は2019年3月を最後に非公開のまま。7年前の数字が、いまも各所で引用され続けています。
| 媒体 | 国内MAU | 発表時点 | 数字の鮮度 |
|---|---|---|---|
| LINE | 1億人以上 | 2025年12月 | 新しい |
| YouTube | 7,370万人以上 | 2024年5月 | やや古い |
| X(旧Twitter) | 6,800万人以上 | 2025年5月 | 新しい |
| 6,600万人以上 | 2023年11月 | 3年前 | |
| TikTok | 4,950万人以上 | 2026年5月末 | 最新 |
| 2,600万人以上 | 2019年3月 | 以降非公開 |
出典:コムニコ「日本国内・国外人気SNSユーザー数ランキング」2026年8月3日更新版に掲載の各社公表値をもとに作成。
読み取っていただきたいのは順位ではなく、数字の更新が止まっている媒体ほど、社内で「なんとなく古い認識」のまま語られやすいという点です。稟議の資料に載せる際は、必ず発表時点を併記してください。それだけで議論の質が変わります。
前提2:投稿が検索結果に出る|Instagramの検索エンジン表示が2025年7月から既定に
2025年7月10日から、Instagramのプロアカウント(ビジネス・クリエイター、18歳以上)が公開した投稿は、検索エンジンに表示される設定が既定でオンになりました。従来は一部地域の任意設定だったものが、全世界のプロアカウントへ広がった形です。
企業にとっての意味は小さくありません。これまでSNSの投稿は、フォロワーとアルゴリズムの範囲で消えていくものでした。それが検索から再訪される資産になり得ます。同時に、数年前の投稿が、いまの検索結果に並ぶ可能性も生まれました。過去の投稿を棚卸しする理由が、ここにあります。
「SNSは若い人のもの」という前提も、すでに実態と合いません。総務省『令和7年版 情報通信白書』によれば、LINEの利用率は2024年時点で全体94.9%、60歳代でも91.1%に達しています。2014年の60歳代は11.3%でした。10年で、8割ぶんの層が新しく入ってきた計算になります。
前提3:従業員の投稿まで含めて、企業の管理責任が問われる
3つ目は責任範囲の話です。公式アカウントだけを見ていれば済んだ時代は終わりました。従業員個人の投稿、取引先とのやり取り、依頼したインフルエンサーの表現。そのすべてが、企業名と結びついて評価されます。詳しくは後半のリスク管理の章で扱いますが、ここでは「守る側の設計も、経営者の仕事に入った」という前提だけ押さえておいてください。
取材123社の集計|経営者がSNSを語るのは13%という現実
ここからは、コントリが自社で持っているデータをお見せします。他のどこにも載っていない数字です。SNSマーケティングの記事は世の中に無数にありますが、そのほとんどが「やるべき理由」から始まります。私たちは逆から確かめました。実際に経営者へ取材したとき、SNSはどれくらい話題に上るのか、という問いです。
集計方法と結果|媒体名まで広げても22.8%
対象は、comtri.jpで公開している経営者インタビュー記事123本(2026年8月31日時点)。全記事に共通して入るCTAなどの定型部分を機械的に取り除き、インタビュー本文だけを対象に語の出現を数えました。結果は次のとおりです。
コントリ自社集計/2026年8月31日時点・全123本を全文機械集計
媒体名のいずれか
集計方法:comtri.jp の経営者インタビュー全123本をWordPress REST APIで取得し、全記事共通のCTAブロックを除外した本文テキストに対して語の出現有無を判定。母数は123本。
TikTokはゼロ。Xは1本のみ。世間の話題量と、経営者が自分の事業を語るときの言葉には、これだけの落差があります。もっとも注目したいのは、紹介・口コミ(21.1%)がSNSという語(13.0%)を上回っている点です。中小企業の受注は、いまも人づての線の上で動いています。
断っておくと、これは「SNSは効かない」という主張ではありません。取材テーマが創業の経緯や事業承継に寄っているという、母集団の偏りもあります。それでも、投資判断の材料としては十分に意味のある偏りではないでしょうか。世の中の熱量と自社の実態を、いったん切り離して考える。そこが出発点になります。
成果を出した企業に共通する「SNSを主役にしない」設計
では、少数派の側で成果を出した企業は何をしていたのか。取材記事から3社を挙げます。いずれも、SNSそのものを目的にしていません。
1社目は、東京・吉祥寺で携帯ショップなどを営む平沢商会。シニア向けスマホスクールの運営とあわせてYouTubeチャンネル「吉祥寺スマホスクール」を育て、広告費ゼロで登録者約19万人に到達しました。視聴者の8割以上が60歳以上という構成です。若年層向けという通念が、事業の設計次第で反転する例といえます。
2社目は、愛媛の設計事務所コラボハウス。Instagram経由で自社サイトにたどり着く層が中心となり、問い合わせてくるのは「家づくりに本気の人」ばかりだと語られています。来場特典で人を集める集客とは無縁で、現場が疲弊しません。件数ではなく、来る人の質を変えたという成果の測り方に注目してください。
3社目は、家業の自動車整備業を継いだENXIA。就任時に伸ばす柱を「カスタム」と「SNS」の2つに定め、カスタム需要の開拓とSNS戦略で年商を約9倍に伸ばしています。ここでもSNSは単独では立っていません。事業側の柱と対になって初めて機能しました。
逆の例もあります。デザインスクールを運営するコペンでは、SNS広告中心だった集客の力が落ちてきたと率直に語られていました。競合との差別化が難しくなったことが、その原因のひとつに挙げられています。同じ媒体でも、差別化の材料が尽きた瞬間に効かなくなる。ここは押さえておきたいところです。
「やらない」も戦略のうち|撤退基準を先に決める
SNSに向く事業と、そうでない事業があります。受注が既存顧客の紹介で埋まっている、商圏が半径数キロに限られる、意思決定者がSNSを見ていない。こうした条件が揃うなら、経営資源は別のところに置くほうが合理的でしょう。
大事なのは、始めるときにやめる条件を書いておくことです。「6か月やって指名検索が増えなければ縮小する」「問い合わせ経由が四半期で1件も生まれなければ媒体を変える」。この一文があるだけで、担当者は撤退を言い出せます。決めていないから、誰も止められないまま惰性のアカウントが残ります。
自社運用か外注か|企業が最初に決める分岐と費用の目安
SNSマーケティングで最も費用がかかる判断は、媒体選びではなく体制の選び方です。自社でやるか、運用代行に出すか、その中間を取るか。ここを曖昧にしたまま外注すると、費用だけが出ていきます。判断の順序を整理します。
外注しても社外に出せないもの|一次情報の供給責任
先に結論を申し上げます。外注できるのは、企画・制作・投稿・分析といった手を動かす工程です。外注できないのは、現場で何が起きているかという一次情報の供給と、「これはうちらしいか」という最終判断の2つになります。
代行会社が失注する理由の多くは、技術ではなく素材の枯渇です。工場の様子、職人の手元、お客様からの一言、社長が現場で感じた違和感。こうした素材は社外の人間には取りに行けません。写真を月に一度まとめて送るだけの体制なら、投稿は3か月で似たものばかりになります。
ですから、外注を検討する段階で決めるべきは金額ではなく、「社内の誰が、どのタイミングで素材を出すか」です。ここが決まらないうちに契約すると、支払いだけが続きます。逆にここさえ設計できていれば、外注は驚くほど機能します。
| 観点 | 自社運用 | 一部外注 | フル外注 |
|---|---|---|---|
| 月額の目安 | 0円+人件費 | 5〜15万円前後 | 20〜50万円以上 |
| 向く企業 | 現場に発信できる人がいる | 素材はあるが編集が回らない | 立ち上げを一気に進めたい |
| 社内の負担 | 企画から投稿まで全部 | 素材の提供と確認のみ | 確認と方針判断 |
| 最大のリスク | 担当者の異動で停止 | 素材が途切れると停滞 | 他社と似た内容になる |
| 撤退のしやすさ | 止めやすい | 契約期間に依存 | 資産の引き継ぎが課題 |
月額の目安は、SNS運用代行各社が公開している料金レンジ(投稿代行のみで月5〜10万円前後、運用全般で20〜30万円前後、広告運用やコンサルティングを含むと50万円以上、初期費用0〜30万円程度)をもとにした一般的な水準です。実際の見積もりは媒体数・投稿頻度・動画制作の有無で大きく変動します。
2026年に金額が動きやすいのは、ショート動画の扱いです。静止画中心か、リールやTikTokまで含めるかで、同じ「月4本」でも工数がまるで違います。見積もりを比べるときは、必ず成果物の形式まで揃えてください。媒体運営そのものの委託を検討する場合は、メディア運営代行の選び方もあわせてご覧いただくと、依頼範囲の切り方が見えてきます。
契約前に確認する7項目|解約したときに何が残るか
委託先とのトラブルは、契約時に決めていなかった箇所で起きます。とくに、解約後に何が自社に残るのかを詰めていない契約は危険です。最低限、次の7項目は書面で確認してください。
アカウントの所有権は自社にあるか
代行会社が開設したアカウントを、解約後もそのまま引き継げるか。管理者権限の名義まで確認します。
制作物と素材データの権利はどちらに帰属するか
撮影した写真、編集した動画、デザインの元データ。解約時に受け取れる範囲を明記します。
成果指標は何で、誰が責任を持つか
フォロワー数か、問い合わせ件数か、指名検索の増加か。事業成果に紐づく指標を1つは入れます。
レポートの粒度と頻度
数字の羅列ではなく、次に何を変えるかの提案まで含まれるか。月次か週次かも決めておきます。
投稿前の承認フローと、承認せずに出せる範囲
全件承認は現実的に回りません。承認不要の範囲を先に線引きしておくと、速度が保てます。
広告表記・ステマ規制への対応方針
インフルエンサー起用や口コミ依頼を行う場合、広告である旨の表示を誰が担保するかを決めます。
炎上時の初動と、連絡が取れる時間帯
夜間や休日に何が起きたとき、誰が投稿を止められるか。権限と連絡経路を紙に落とします。
7項目のうち、見落とされがちなのは1と2です。代行会社の名義で開設したアカウントをそのまま使い続け、解約時に投稿もフォロワーも引き継げなかった。この相談は、決してめずらしいものではありません。資産として残るかどうかは、契約書の1行で決まります。
2026年のリスク管理|社内ルールがある企業は23.2%にとどまる
SNSマーケティングの記事では、攻めの話が大半を占めます。ところが実務で経営を揺らすのは、守りを決めていなかったときです。ここには、はっきりした最新データがあります。
小規模企業でルールがあるのは9.8%|規模による差が大きい
帝国データバンクが2026年5月8日から12日に実施した「SNS投稿に関する社内ルールの整備状況アンケート」(有効回答1,355社)では、従業員のSNS投稿に関する社内ルールが「ある」と答えた企業は23.2%でした。「ないが検討中」が36.8%、「設置予定なし」が32.0%となっています。
全体
23.2%
ルールがある
(検討中36.8%/予定なし32.0%)
大企業
50.5%
ルールがある
(設置予定なしは17.2%)
小規模企業
9.8%
ルールがある
(設置予定なしは43.0%)
出典:帝国データバンク「SNS投稿に関する社内ルールの整備状況アンケート」2026年5月8日〜12日実施・有効回答1,355社。
差は歴然としています。大企業の50.5%に対し、小規模企業は9.8%。しかも小規模企業の43.0%が「設置予定なし」と答えました。規模が小さい会社ほど、従業員一人の投稿が会社の看板そのものとして受け取られます。守りの薄さと影響の大きさが逆向きになっている構図です。
A4一枚で足りる|最低限決めておく5項目
就業規則の全面改定は要りません。多くの中小企業では、A4一枚に次の5項目を書いて共有するだけで、事故の大半は防げます。
- 公式アカウントで投稿できる人を氏名で指定する(兼任でも構いません)
- 撮ってよいもの・いけないものを挙げる(取引先の名前、現場の内部、顧客が写る写真など)
- 個人アカウントでの社名の扱いを決める(所属を出す場合は個人の見解である旨を添える等)
- 迷ったときの相談先を1名決める(判断を止めないための逃げ道になります)
- おかしいと感じたときに投稿を止められる人と、その連絡手段を書く
禁止事項を並べるより、判断に迷ったときの行き先を用意するほうが効果的です。ルールがないから萎縮する、というのは現場でよく聞く声。書いてあれば、担当者は安心して発信できます。
ステマ規制で処分を受けるのは、インフルエンサーではなく発注した企業
2023年10月1日に施行されたいわゆるステマ規制では、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が景品表示法上の不当表示に指定されました。ここで押さえていただきたいのは、規制の対象になるのが表示の主体である事業者、つまり広告主である企業側だという点です。
依頼した投稿に「PR」「広告」といった表示がなかった場合、責任を問われるのは依頼した側になります。代行会社やインフルエンサーに任せきりでは済みません。口コミ投稿を促すキャンペーン、レビュー特典、モニター施策。いずれも企画段階で表示方法を決めておく必要があります。
炎上時の初動|最初の1時間で決めるのは「削除するか」ではない
批判が集まったとき、担当者が真っ先に考えるのは削除です。ただ、削除だけを先行させると隠蔽と受け取られ、火が大きくなります。最初の1時間で決めるべきは3つ。事実関係の確認、対外的な一次回答の有無、そして社内の窓口を誰にするかです。
批判の中身を、事実誤認・表現の問題・実務上の不備の3つに分けると判断が早まります。事実誤認なら訂正、表現の問題なら差し替えと説明、実務上の不備なら謝罪と再発防止。この分類を、平時のうちに関係者で共有しておいてください。有事に考え始めると、時間だけが過ぎていきます。
続く運用にするために|投稿本数ではなく素材の出どころを設計する
SNS運用が止まる原因は、やる気の低下ではありません。書くことがなくなるからです。続くかどうかを左右するのは投稿頻度の目標ではなく、素材がどこから流れてくるかという設計になります。
素材の蛇口を3つ持つ
おすすめしているのは、性質の違う蛇口を3つ用意する方法です。ひとつ目は現場の記録。施工、製造、接客、修理といった日常の光景そのもの。ふたつ目はお客様の言葉。問い合わせの内容や、納品後にいただいた感想が該当します。3つ目は経営者の判断です。なぜこの仕様にしたのか、なぜその依頼は断ったのか。
3つ目が、他社と最も差がつく蛇口になります。製品の説明はいずれ真似されますが、判断の理由までは真似できません。経営者の判断基準こそ、いちばん複製されにくい素材です。取材の場でも、読者の反応が強いのはこの部分でした。
発信を社内に根づかせる進め方は、中小企業のSNSマーケティング戦略|選ばれる発信を作る5ステップで詳しく扱っています。媒体ごとの特性から確かめたい場合は、経営者が知っておきたいSNSの基礎知識もあわせてどうぞ。
効果測定は事業の言葉に翻訳する
フォロワー数やインプレッションは、経営会議では判断材料になりません。役員が見て意味がわかる指標に翻訳する必要があります。目安として、次の3つを見ていただくとよいでしょう。
- 指名検索数の推移:社名や商品名で検索された回数。認知が積み上がっているかを示します
- 問い合わせの初回接点:「どこで知りましたか」を必ず聞き、記録に残す運用にします
- 採用応募の質の変化:SNSを見て応募した人の定着率は、費用対効果を語る強い材料になります
とくに3つ目は見落とされがちです。SNSの投資対効果を集客だけで測ると赤字に見えるのに、採用の求人広告費まで含めると黒字になる。そういう企業を何社も見てきました。自社サイトでの発信と組み合わせる設計は、中小企業のオウンドメディア|経営者発信で顧客に選ばれるで整理しています。
企業のSNSマーケティングについてよくある質問
Q1. 何から始めればよいですか
アカウント開設ではなく、目的の紐づけからです。商談・採用・ブランドのどれに効かせたいかを1つ選び、その成果をどう測るかまで決めてから媒体を選んでください。順序を逆にすると、投稿だけが増えて評価ができなくなります。
Q2. 予算がほとんどなくても取り組めますか
可能です。実際、取材先の平沢商会は広告費ゼロでYouTube登録者約19万人に到達しています。ただし、費用ゼロは工数ゼロを意味しません。週に何時間を誰の時間から出すのかを決めないまま始めると、通常業務に押し流されて止まります。
Q3. 複数の媒体を同時に始めても大丈夫でしょうか
1人体制なら1媒体に絞ることをおすすめします。同じ内容を各媒体へ機械的に転載すると、どこでも中途半端になりがちです。まず1つで型を作り、素材の流れが安定してから広げる。この順番のほうが、結果として早く進みます。
Q4. 効果はどのくらいの期間で判断すべきですか
認知の変化なら3か月、問い合わせなど事業成果への波及なら6〜12か月が目安になります。ただ、期間より重要なのは撤退基準を先に決めておくことです。「6か月で指名検索が増えなければ縮小」といった一文を、開始時に合意しておいてください。
Q5. 運用代行に頼めば社内の負担はなくなりますか
なくなりません。手を動かす工程は外に出せますが、現場の一次情報を渡す役割と、内容が自社らしいかを判断する役割は社内に残ります。ここを引き受ける人を決めずに契約すると、費用だけが出ていく結果になりがちです。
Q6. 社内ルールは何から作ればよいですか
本記事で挙げた5項目をA4一枚にまとめるところからで十分です。帝国データバンクの調査では小規模企業でルールがある割合は9.8%にとどまりました。逆にいえば、一枚書くだけで上位1割に入れる、ということでもあります。
まとめ|2026年に企業が決めるべき3つのこと
最後に、この記事の要点を3つに絞ります。
- 前提が変わった:投稿が検索結果に出る時代になり、SNSは流れるものから残るものへ。全世代が使う場になりました
- 体制を先に決める:外注できるのは手を動かす工程まで。一次情報の供給と最終判断は社内に残ります。契約前に7項目を確認してください
- 守りを一枚書く:社内ルールがある企業は23.2%、小規模企業では9.8%。A4一枚が、いちばん費用対効果の高い投資になります
そして、取材123社の集計が示していたのは、SNSを主役に置いた経営者が多数派ではないという事実でした。流行に合わせて始めるのではなく、自社の受注が生まれている線の上にSNSを置けるかどうか。そこを見極めていただけたらと思います。
この記事のために123本の取材記事を数え直して、いちばん考えさせられたのは、TikTokがゼロだったことでした。話題の量と、経営者が自分の事業を語るときの言葉は、これほど重ならないものかと。
取材の場で伺うのは、たいてい地味な話です。断った仕事のこと、続けている朝の習慣、社員に謝った日のこと。それでも読者の心に残るのは、そういう部分でした。SNSで何を発信すればよいか迷われたときは、まず自社の中でいちばん語られていない判断を思い出してみてください。そこに、他社が真似できない素材が眠っています。
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